不協和音
2008-03-21 | 詩
さよならを告げた言い訳の表情が
情けなくて
それは握り締める手のひらに食い込んだ
深い爪跡の孤独
己が精神の脆弱さが
明るみにさらされる不快な気温上昇
街を出るとき
君は差し出した手を
ぐっと手繰り寄せる
ヴァイオリンを構える
弓を俊敏に覚醒さす
ヴァイオリニストの如き緊張感
なるべくならば
全ての音をノンヴィブラートで
装飾を排し
別れのため息よりも孤独にね
電話が切れる
電波の調子が外れているんだ
「・・・ゲンザイ コノ
バンゴウはシヨウサレテイマセン」
暗転した舞台に向かい
煽り立てるように拍手の雨を
出来るならば
もう一度アンコールを
霧の朝だった
繰り返される日々に飽きたのだと
僕は呟いたらしい
一度だけ振り返った
アンコールを待ちわびる観衆みたく
やがて雨に変わる
僕はギターケースを担いで
舞台からそそくさと退場する
万感の拍手もそこには無く
唯 コンビニエンスストアーで
切らした煙草を買い求めた
もちろん僕だけじゃなく
よくある話さ
存在し底に足を踏み込み
存在を消去される
不協和音は排除される
作曲者の意図には不必要なのだった
さよならは苦しい
よくある話さ
昨日までいた仲の良い友人の
アパートの扉が開かない
チャイムを連打した記憶
「お隣さんいないみたいですよ」
寝ぼけ眼で迷惑そうに
出勤前のOLが階段を降りて行く
どうやらそうゆうことらしい
よくある話さ
もう二度と会えないのだ、と気ずくのは
それから五年後の或るコンサート会場にて
アンコールに応えてヴァイオリンを構えた
スポットライトの演奏者
アンコールは無いのだ
永遠に
僕の事だった
不協和音は
情けなくて
それは握り締める手のひらに食い込んだ
深い爪跡の孤独
己が精神の脆弱さが
明るみにさらされる不快な気温上昇
街を出るとき
君は差し出した手を
ぐっと手繰り寄せる
ヴァイオリンを構える
弓を俊敏に覚醒さす
ヴァイオリニストの如き緊張感
なるべくならば
全ての音をノンヴィブラートで
装飾を排し
別れのため息よりも孤独にね
電話が切れる
電波の調子が外れているんだ
「・・・ゲンザイ コノ
バンゴウはシヨウサレテイマセン」
暗転した舞台に向かい
煽り立てるように拍手の雨を
出来るならば
もう一度アンコールを
霧の朝だった
繰り返される日々に飽きたのだと
僕は呟いたらしい
一度だけ振り返った
アンコールを待ちわびる観衆みたく
やがて雨に変わる
僕はギターケースを担いで
舞台からそそくさと退場する
万感の拍手もそこには無く
唯 コンビニエンスストアーで
切らした煙草を買い求めた
もちろん僕だけじゃなく
よくある話さ
存在し底に足を踏み込み
存在を消去される
不協和音は排除される
作曲者の意図には不必要なのだった
さよならは苦しい
よくある話さ
昨日までいた仲の良い友人の
アパートの扉が開かない
チャイムを連打した記憶
「お隣さんいないみたいですよ」
寝ぼけ眼で迷惑そうに
出勤前のOLが階段を降りて行く
どうやらそうゆうことらしい
よくある話さ
もう二度と会えないのだ、と気ずくのは
それから五年後の或るコンサート会場にて
アンコールに応えてヴァイオリンを構えた
スポットライトの演奏者
アンコールは無いのだ
永遠に
僕の事だった
不協和音は