日曜の朝の、のんびりした風景。
この時は、あとで、あんなにうれしいことが起きるなんて考えてもいなかった。
ゆっくり過ぎていく時間。娘の食べているもののおこぼれをもらおうと、仲良くお座りしているコロ・クロ。
そんな姿を見ていたとき、ふと、今日はコロがいつもより長く歩けるかもしれないと思った。娘についてきてもらい出発。いつもの短距離コースに向かう。ここを左に行くといつもの道。クロの行こうとしている右の道の先には交差点があるため、コロは絶対に行こうとしない。
無理に行こうとすれば、ガタガタ震え、泣き叫び固まる。抱いて右へ行ったこともあるが、抱いていても震えまくりでキャンキャン悲鳴をあげる。なので、まさか右には行けないよなと思ったが、今日はこの道を自分で右に曲がったのだ。「大丈夫だよ」「えらいね~」「すごいね~」といいながら進む。そして、たぶん3年以上ぶりで、歩いて交差点のところまで来た。
交差点を渡った後のコロ。クロのように普通にお散歩の出来るわんこにとって何でもないことが、コロにはものすごいことなのだ。シッポはダラダラだが、交差点を渡ることが出来たというだけで、私は涙が出そうになっていた。
クロはよく歩く道。が、コロにとっては、初めての道。1ヶ月ほど前に出来たペットショップに立ち寄る。へっぴり腰だったが、お店の中では店員のお姉さんに愛想を振りまく。その間、クロは店内のオヤツを物色していた
帰りの交差点。お座りして信号を待つ。信じられない光景だ。車が目の前を通るだけで失神しそうになるようなコロなのに。
歩いている途中、うれしい偶然 私たちが出かけるより1時間くらい前に、サイクリングに出かけていたパパと出会ったのだ。
パパを追いかけようとするコロ。追いつけないよ~。
帰宅後、ペットショップで買ったオヤツを食べる。「コロちゃんすごいね。よく頑張ったね」
コロと旅行に行くなんて、夢のまた夢と思っていた。いつか行けるといいなと言いながら、心の奥では絶対に無理だと思っていた。でも、もしかしたらいつか夢が叶うかも。いや、旅行じゃなくてもいい。普通にお散歩の出来るわんこになってほしい。それで十分なのだ。コロちゃん、また気分ののった時だけでもいいから交差点を渡ってみようね。そして、車で公園に行かなくても、歩いていろんなところに行けるようになれるといね。