アルツハイマーと診断されてから22年。母は静かに旅立ちました。
ここ数年、年に2回ほど誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していましたが、今年の7月に誤嚥性肺炎で入院したときは、今後もう口から物を食べることは難しいということで、点滴だけになりました。(経管チューブや胃ろうは希望しなかったので) 入院前は特養にいましたが、退院後は24時間看護士さんのみえる施設にかわらなくてはいけないということで、病院から紹介されたいくつかの施設に実際に行ってみて、ここならと思うところに入所しました。(特養はなかなか入所できませんが、24時間看護士さんが常駐されている老人ホームはお値段も高いということもあってか比較的あいています。お値段のことを考えると、長期入所は難しかったかも)
パンフレットの写真がいくら綺麗でも、実際に施設に行ってみると写真と全然違っていたり、職員さんがめんどくさそうに対応されたりいろいろだったので、足を運ぶことは大切だと思います。母が入所したところは小さめの施設でしたが、どの職員さんも皆さん明るく、とても優しく対応してくださったので、母の最期の場所がそこで本当に良かったと思います。
敬老の日には、入所者さんにご馳走がふるまわれたようですが、母のように食べることのできない人(女性)には、爪をこんなに可愛くしてくださいました。母はとてもおしゃれな人だったので、こういうことをしていただいたことを理解していたらとても喜んだと思います。
また、ペットと入所することはできませんが、連れて行くことはできたので、ワンズたちも何度か連れて行きました。
ここに入る前は視線が合うことはなく、眉間に皺を寄せていることも多く、声を発することもほぼありませんでした。が、ここに来てからは本当に穏やかな顔で、時折笑顔も見せ、なんとマロを連れて行った時に「またマロちゃんが来たよ~」と言うと、母の口から「マロ、マロ」という言葉まで出たこともありました。娘と行った時に「バイバイ」と言うと、手首から先を左右に振るようなしぐさをしたので、驚いた娘は思わず動画に撮っていたということもありました。
この施設に入所して2ヶ月ちょっと。母がまるで寝ているかのように穏やかに顔で逝けたのも、職員の皆さんのおかげと心から感謝しています。私も病院にいるときからあわせると、3ヶ月近く毎日母に会いに行っていたので後悔はありません。長い間病と闘ってきた母には、よく頑張ったね、ゆっくり休んでねという気持ちです。
ただ、アルツハイマーというのは人によって症状は違うかと思いますが、回復もできない、終わりも見えないという本当に大変な病気です。そのことについては、また次回書こうと思います。