ツール・ド・熊野 第1ステージ(赤木川沿い清流コース)
ツール・ド・熊野2日目、第1ステージが赤木川清流コースで行われました。大きな山岳は無いものの、アップダウンとテクニカルな区間などが含まれレースは厳しいものに。シマノレーシングは木村とダレンが集団内で頻発した落車の影響を受けタイムアウトになるなど厳しいステージとなりました。しかしながら、集中力を切らさなかったメンバーは、ゴール前主導権を握るため先頭に出る動きでステージ優勝を狙います。
しかしながら最終コーナーで先頭に出たのは強豪ドラパックプロフェッショナルサイクリングでした、この隊列からワウテル選手が飛び出しステージ優勝。シマノレーシングは畑中が5位と健闘しましたが、目標であるステージ勝利に手をかけることはできませんでした。
明日以降2日間で、大きな成果を上げるよう集中します。
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以下、cyclowiredより転載
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ツール・ド・熊野第1ステージが5月30日(金)、和歌山県新宮市熊野川町の赤木川沿いの公道コースで行なわれた。まず選手たちはJR新宮駅前に集まり、そこから市内をパレード走行。熊野川町まで移動してから周回コースへ。1周16.3kmを7周する114.1kmでホットスポット(3秒、2秒、1秒のボーナスタイム)が1回、山岳賞が2回ある。
コースの折り返し部分が狭く曲がりくねり少しのアップダウンがある。そしてスタート/フィニッシュライン前に小さなKOMがあるがここは急坂で狭く曲がりくねる。ライン後は今年からコースが変わりここも狭く曲がりくねる。ここ以外は広い平坦路だが、トラップともいうべき3箇所が中切れを発生させ選手たちを苦しめる。熊野で最もきついのはこの第1ステージだ。
1周目のスタート直後からアタックがかかる。オスカル・プジョル(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)のキレのいいアタックに反応したのは大場政登志(Cプロジェクト)、井上和郎(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)さらに小石祐馬(日本ナショナルチーム、ヴィーニファンティーニNIPPO)の4人。大場はやがて下がるが3人はすぐに差を1分から1分半へと広げる。
メイン集団はリーダーチームのドラパックプロフェッショナルサイクリングに加え、宇都宮ブリッツェンも協力する。大久保陣でのスプリントと先頭集団でのゴールを目論む。先頭3人とメイン集団の差は最大で1分半まで。後半になるにつれ1分を切ることもあるが先頭もメインもそれぞれコントロールして1分ほどに保つ。
ラスト2周で先頭の3人が崩壊、井上が粘るが吸収されて集団はひとつでゴールまで20km。集団コントロールはドラパックプロフェッショナルサイクリングがメインで宇都宮ブリッツェンも加わる。集団内からはスカイダイブドバイプロサイクリングチーム、OCBCシンガポールコンチネンタルサイクリングチーム、ブリヂストンアンカーサイクリングチームらが攻撃を仕掛けるが、ことごとくドラパックプロフェッショナルサイクリングが封じ込める。
ゴール前はドラパックプロフェッショナルサイクリングのクラークとウィッパートが先頭でコーナーへ入りそのままウィッパートが前に出て優勝。3位にはスプリンターのセバスチャン・アエド(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)が入った。平井栄一(チーム右京)がこれに続いて4位に。
最初から最後までドラパックのすべて手の内のレースだった。もはや平坦基調のレースでは段違いの力を見せた。初日のTTと2日目のロードレースを制したのは、1週間前のツアー・オブ・ジャパンと全く同じ。2戦2勝の快進撃だ。
翌日の第2ステージは熊野山岳コース。積算標高差以上に厳しいコース。ドラパックに代わって主導権を握るのはどのチームか。スカイダイブドバイプロサイクリングチームはプジョルが+1分37秒なのでマンセボで、そしてチーム右京、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム、OCBCシンガポールコンチネンタルサイクリングチームそして宇都宮ブリッツェンらが山岳コースに挑む。
結果
第1ステージ 114.1km
1位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)2時間33分21秒
2位 ウィリアム・クラーク(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
3位 セバスチャン・アエド(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
4位 平井栄一(チーム右京)
5位 畑中勇介(シマノレーシング)
6位 ラファァ・シュティウィ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
7位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
8位 清水太己(日本ナショナルチーム、EQA U23)
9位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
10位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績 第1ステージ終了時点
1位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
2位 ウィリアム・クラーク(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
3位 セバスチャン・アエド(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
4位 シャオ・シー・シン(チームガスト)
5位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
6位 吉田隼人(シマノレーシング)
7位 畑中勇介(シマノレーシング)
8位 中根英登(愛三工業レーシングチーム)
9位 リュー・シュー・ミン(チームガスト)
10位 平井栄一(チーム右京)
個人総合ポイント賞
1位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)33点
2位 ウィリアム・クラーク(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)30点
3位 セバスチャン・アエド(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)16点
個人総合山岳賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)2点
2位 井上和郎(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)2点
3位 エリック・シェパード(OCBCシンガポールコンチネンタルサイクリングチーム)1点
個人総合U23賞
1位 ジョーダン・ケルビー(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
チーム総合
1位 ドラパックプロフェッショナルサイクリング 7時間42分39秒
2位 宇都宮ブリッツェン +01秒
3位 愛三工業レーシングチーム +03秒
photo&text:Hideaki TAKAGI