REPORT

SHIMANO Racingの活動をブログで紹介します。

【Next Race】全日本選手権ロードレース

2019年06月26日 | レース・イベント情報

【全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース】

6/30 SUN 
 9:00-男子エリートレーススタート 227㎞(10.8㎞×21周)

出走予定選手:入部正太朗・木村圭佑・一丸尚伍・湊諒・横山航太・黒枝咲哉・中井唯晶・小山貴大
         ※中田拓也は怪我の為欠場

 

国内選手権勝者を決する大会『全日本選手権ロード・レース』が静岡県『富士スピードウェイ、特設コース』にて開催されます。

このレースは日本籍のレーサーによりその年の日本一を決める最重要レース。ここで勝利し日本チャンピオンの称号を手に入れた選手は、世界各国のチャンピオン同様、各カテゴリーにて1年間ナショナルチャンピオンジャージを纏い国際レースを走る事が許されます。

この特別なレースでシマノレーシングチームはタイト奪取に挑みます。

 

詳しくは公式ウェブサイトをご確認ください。


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【Report】中井唯晶が初勝利!JPT那須ラウンド

2019年06月10日 | レースリポート

 

Jプロツアー栃木ラウンド『那須塩原クロテリウム』にて中井唯晶が勝利しました。

『JPT那須塩原クリテリウム』
【開催日】2019/06/08(SAT)
【開催地】那須塩原駅前特設コース
【レース】13:40スタート(56.7㎞=2.1km×27laps)
【出場選手】木村圭佑、湊諒、横山航太、黒枝咲哉、中井唯晶 https://jbcfroad.jp/race/18/

東北新幹線の駅でもあるJR那須塩原駅前の公道を使用した『那須塩原クリテリウム』は1周2.1㎞のショートコースを27周回するクリテリウムレース。コースはフラットながら短時間の中に3つのヘアピンコーナーと2つの直下コーナーで構成されるT字型コース。コーナーでのストップ&ゴーだけでなくアタックも繰り替えされる事から集団内に位置してもメリットは多くなく、昨年は山岳コースを走っているかのうようなサバイバルなレースとなった事から先手が必須を打つことが必須条件となります。

シマノレーシングは5月の連戦の中で故障者等を抱え、5名でのスタート(6名エントリーが可能))となりチーム力に不安を抱えながらのスタートとなります。

レースは序盤の攻防から13名ほどのエスケープグループが先行、ここに木村圭佑、中井唯晶が入りました。このエスケープをメイングループが捕まえようとする直線に更にアタックを仕掛けた5名が抜け出します。

この動きにも木村と中井はしっかりと反応、鈴木龍選手&阿部嵩之選手(宇都宮ブリッツェン)オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)と共に5名の先行集団が出来ました。。エスケープは数的に不利な状況にも見えましたが先頭5名は交代を繰り返しハイペースを刻みます。一方で後方大集団は20-40秒ほどの差で追いますが、チーム間での細かな駆け引きがショートコースでは推進力のロスをまねき中々差は縮小しません。

 

逃げ切りをほぼ確定させた先頭集団では動きが出始めますが大きく崩れず、ラスト1周回に入る手前で木村圭佑がアタックを開始、後方集団に数秒の差をつけます。これをライバルが追走。この日最も警戒していたオールイス選手も木村を追走する事で力を使います。木村は何度か加速を繰り返しライバルから力を奪い続けます。キャッチされるタイミングでも急速に身を交わし、追走するライバルに僅かなメリットも与えず。

最終コーナーに。ラスト150メートル後方から一気にスプリントを開始した中井の加速に反応できた選手は無く、中井唯晶がエリート1年目にして見事Jプロツアー初勝利をあげました。


▲他を寄せ付けないスプリントで初勝利をあげた中井唯晶  Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)


▲完璧なアシストをこなした木村キャプテンが中井の勝利に歓喜する  Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)


▲中井はエリート1年目のルーキー、今後の飛躍に期待がかかる。  Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)

チームとして今期公式初となる勝利は、素晴らしいチームワークによって生まれました。   結果  JPT 56.7km 1位 中井唯晶(シマノレーシング) 1時間19分59秒 2位 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) +0秒 3位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) +0秒 4位 木村圭佑(シマノレーシング) +4秒 5位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +9秒 6位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +44秒

敢闘賞 
オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)

中間スプリントポイント
5周回完了時、10周回完了時 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)
15周回完了時 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)

Jプロツアーリーダー 
岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)

U23リーダー 
今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)


 Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)

『JPTやいた片岡ロードレース』
【開催日】2019/06/09(SUN)
【開催地】矢板市石関周辺特設コース
【レース】11:50 レーススタート(85.6㎞=10.7㎞×8Laps)
【出場選手】木村圭佑、湊諒、横山航太、黒枝咲哉、中井唯晶 https://jbcfroad.jp/race/48/

栃木ラウンド2日前は矢板市片岡駅前をスタート&ゴールとする10.7㎞のコース。コーナーとアップダウンが連続しながらスピーディーな展開が生まれるレイアウトです。序盤からアタックが繰り返され、木村圭佑を含む6名が抜け出し差を空けますが、那須ブラーゼンらがハイスピードで追走し木村圭佑らは集団に引き戻されます。


▲湊諒も要所で反応しエスケープを試みる  Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)


▲TOJのクラッシュから復帰した黒枝咲哉  Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)

この後の動きで横山航太を含む7名が抜け出します。メンバーは、横山航太(シマノレーシング)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、オールイス・アルベルト・アウラール&ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、今村駿介&窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)、渡辺歩(日本ナショナルチーム)。

ここにメンバーを送り込んだメイングループは一気にペースダウン。

差は広がり逃げ切りはほぼ確定しました。

『攻撃の掛け合いだった』と横山がいう先頭グループは、アタックを繰り返しながらもハイスピードで進みゴールへ近づきます。


▲後半できた横山含む7名の先頭グループ。  Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)


▲横山は健闘しながら5位でフィニッシュ  Photo:Satoru Kato (http://www.cyclowired.jp/)

残り1㎞を切り、後方から一気に仕掛けたのはブリヂストンの今村選手。5月に行われた宇都宮ロードレースを制した時と同じタイミングで加速します。横山はこれを追い加速しますが他選手も反応。今村選手がそのまま逃げ切り見事優勝、横山は5位にとどまりました。

チームは定員を3名欠く5名での参加ながらもレース全体を通しアクティブに展開。

若い選手の活躍で収穫を得た2日間となりました。

結果 
JPT 85.6km
1位 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 1時間58分30秒
2位 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +0秒
3位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) +0秒
4位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +0秒
5位 横山航太(シマノレーシング) +1秒
6位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +3秒

敢闘賞 津田悠義(日本ナショナルチーム)

中間スプリントポイント
2周回完了時 横山航太(シマノレーシング)
4周回完了時 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
6周回完了時 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

Jプロツアーリーダー 
オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

 


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【Next Race】JPT栃木ラウンド2連戦

2019年06月08日 | レースリポート・動画
『JPT那須塩原クリテリウム』
【開催日】2019/06/08(SAT)
【開催地】那須塩原駅前特設コース
【レース】13:40スタート(56.7㎞=2.1km×27laps)
【出場選手】木村圭佑、湊諒、横山航太、黒枝咲哉、中井唯晶
 
『JPTやいた片岡ロードレース』
【開催日】2019/06/09(SUN)
【開催地】矢板市石関周辺特設コース
【レース】11:50 レーススタート(85.6㎞=10.7㎞×8Laps)
【出場選手】木村圭佑、湊諒、横山航太、黒枝咲哉、中井唯晶
 
栃木県那須塩原市、矢板市で開催されるJプロツアー栃木ラウンドに参戦します。
 

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【Report】シマノレーシング、ツアー・オブ・ジャパンからディスクブレーキを本格投入! そのアドバンテージを探る

2019年06月05日 | レースリポート

シマノレーシング、ツアー・オブ・ジャパンからディスクブレーキを本格投入! そのアドバンテージを探る

text &photo :Tatsuya Mitsuishi

▲ディスクブレーキを搭載した「TCRアドバンストSLディスク」「プロペル・アドバンストSLディスク」とシマノレーシングの選手たち

シマノレーシングは、5月19~26日に開催された「2019ツアー・オブ・ジャパン」からディスクブレーキ搭載のロードバイクを本格的に実戦投入。圧倒的な制動力に加え、低重心化によるバイクコントロールのしやすさなど選手たちは様々な場面でアドバンテージを実感していた。

ロードレースでのディスクブレーキ使用は3年間のトライアル期間を経て、昨年7月にUCI(国際自転車競技連合)が解禁。以降、ツール・ド・フランスなど海外の主要レースでディスクブレーキ搭載車を実戦で使うチームも増えてきている。しかし、日本国内のレースシーンでは今年に入ってもまだディスクを使うチーム、選手は少数派だった。

世界をリードする自転車メーカーのジャイアントのバイクフレームの供給を受けるシマノレーシングは、ロードバイクの未来を担うこのテクノロジーをツアー・オブ・ジャパンから実戦投入。全ステージでほぼ全選手がディスクブレーキ搭載バイクを駆り、そのアドバンテージを示した。

▲ 前後輪に装着されるディスクローターが外観上の存在感を際立たせる

■「ブレーキングで順位を上げられる」圧倒的な制動力

まず選手たちがアドバンテージとして挙げるのが、圧倒的な制動力だ。ブレーキの効き自体が強いのはもちろん、効きの強さもコントロールしやすいという。制動距離が短くなる分、ブレーキのタイミングを遅らせることができ、集団内で順位を上げられる強みがある。

キャプテン木村圭佑選手は「一番はブレーキングのよさ。コーナーの進入時の安定感、安心感ですね。ギリギリまでブレーキングを我慢できるし、テクニカルな下りで選手をパスしたり、集団の中を縫っていくときとかに安心できます。京都ステージでは横山がグルペットで下りを先頭で入ったら、全員後ろで千切れてしまうぐらいでした。本人は攻めてるつもりはないんですけど、速いという。僕らはヴィットリアのタイヤのグリップ力もあるんですけど、それに加えてディスクの安定性で集団内でも速いと思います」と語る。

他の選手も同じ意見だ。

湊諒選手「集団内にいても、コーナーでは2、3番手ぐらい順位を上げてますね。上りの手前のコーナーで、番手を上げなくちゃいけない場面でアドバンテージを感じています」

横山航太選手「コーナーの突っ込みとかで、制動力が全然違います。南信州ステージのTOJコーナーとか、高速から一気に減速する場面でリムブレーキの選手たちを一気に抜けるメリットがあります」

中井唯晶選手「コーナーでギリギリまで突っ込んで、グッとブレーキして、スッと抜けられる。東京ステージでは集団がスプリントに向けてスピードが上がっている状態でコーナーを高速で曲がります。リムブレーキだともっと手前でスピードを落として曲がっていたけど、ディスクだとギリギリまでスピードに乗った状態で、リムブレーキの選手より遅いタイミングでブレーキして曲がれる。ブレーキングの安定感が武器になりましたね」

▲ コーナー進入の際、ブレーキングを遅らせることで集団内での順位を上げられるのがメリットだ

制動力が強すぎると、ロードバイクの細いタイヤではロックして挙動を乱してしまうのではと想像しがちだが、制動力自体をコントロールしやすいので、そのリスクもほとんど感じないという。

木村選手は「最初のころはロックするんじゃないかというイメージだったんですけど、どちらかというとリムの方がロックしやすい感じです。ディスクは効きが安定していて、一気にガツンと効かないのでロックしないです」と説明する。

ツアー・オブ・ジャパンでは、シマノレーシング以外でディスクブレーキを使っていたのは一部の外国人選手など数人だった。リムブレーキが大多数の集団の中で、制動力の違いによるリスクはなかったのだろうか?

横山選手に聞くと、「ディスクは制動力を調整できるんで危ない場面はなくて、むしろ安心してブレーキできました」とコントロールしやすい分、スピード差にも対応しやすかったとのことだ。

また、ほとんどの選手がツアー・オブ・ジャパン開幕まで間もない時期にディスクブレーキ搭載車を渡されたにもかかわらず、各選手とも短期間で対応していた。

入部正太朗選手は「ディスクブレーキは冬のオフトレのマウンテンバイクで使ったぐらいで、ほとんど経験はなかった。レース前に新しい自転車に代わって、感覚的な部分でちょっと不安はあったけど、1日ぐらいで慣れました。他のチームがブレーキかけるの早いなという印象があったけど、ディスクに変わったことで、ギリギリまで攻めたり、コントロールが効くということで安心感から生まれたアドバンテージかなと感じましたね」と語っている。もともとテクニックのある選手だからというのはもちろんだが、ブレーキ自体の扱いやすさも早く慣れることができた要因なのだろう。

マウンテンバイク、シクロクロスでも活躍し、ディスクブレーキを使用した経験が豊富な横山選手は「僕に関しては他の選手と違って使い慣れているんで、経験という意味ではアドバンテージはあったと思います。今回のツアー・オブ・ジャパンではなかったんですけど、例えば雨が降ったりしたらカーボンリムのリムブレーキの場合、最初は(ブレーキレバーを握って)水を弾かないとブレーキが利き始めないけど、ディスクの場合はその必要がない。制動に対しての不安というのが一切ないので、大きなアドバンテージになっていると思います。僕ら選手もそうですけど、一般の人の方がよりメリットは感じやすいと思うので、もっと普及していけばいいんじゃないかなと思います」と、一般サイクリストにも勧めている。

▲チームの地元で開催された堺国際クリテリウム。ディスクロードのトレインが集団をリードする

■低重心化でバイクコントロールも向上

制動力以外に選手たちがメリットとして挙げたのは、ロードバイク全体の低重心化だ。従来のリムブレーキはフォークやシートステイの根元付近にブレーキが装着されていたのに対し、ディスクブレーキはそれより下の車軸近くにブレーキが置かれることで、重心位置が下がった。またフレームやホイールもディスクブレーキの強力な制動力を受け止めるため、剛性や重量のバランスが見直されている。

入部選手は「僕の印象としては重心が低くなって、ダンシングするときはリムブレーキと比べると振りが重たいなと感じるけど、推進力には変わります。でも、後半はどんどん慣れてきたので、まったく問題ないと思います。逆に重心が低くなったので、コーナーで安定して、跳ねにくいという印象。使えば使うほど、さらに慣れていくんじゃないでしょうか」と、コーナリング時の安定感をメリット挙げている。

▲伊豆ステージでコーナーをクリアする入部選手。低重心化により、挙動も安定していたという

低重心化、剛性バランスの見直しによって、コーナリングだけでなく、平坦などあらゆる場面でバイクコントロールがしやすくなっているとの声もある。

湊選手「コーナリングは安定しているし、倒し込みやすい。重心が下にあるので、車体が安定して曲がりますね。平坦でも集団の中で加速していくイメージ、ゴールスプリントでも伸びが違う。最初は不安でしたけど、ステージを経ていくにつれて感覚がつかめてきて、使い方もつかんでよくなってきました」

木村選手「スプリントのかかりがよく感じたり、剛性は上がっているかなというイメージですね。ホイールはリムの外周が軽くなっているので、実際の重量より軽さは感じますね」

ディスクブレーキ自体はリムブレーキよりもわずかに重いが、中井選手のように「上りも重く感じない」という声もある。

またホイールの脱着も従来のクイックレリーズ方式から、フォークやリアエンドにネジで締め込むE-Thru(イースルー)アクスルシステムとなった。ディスクブレーキの強力な制動力を受け止めるためシャフトも太くなり、固定力も上がっている。

パンクなどトラブル時の車輪交換の手順もクイックレリーズとは変わったが、幸いシマノレーシングはツアー・オブ・ジャパン期間中、その機会は1回しかなかった。作業を行ったベテランの大久保修一メカニックによると、クイックレリーズとほぼ変わらない時間で問題なくできたとのことだ。

▲ディスクブレーキの調整をする大久保メカニック

■オールラウンドのTCR、エアロのプロペル 2種類のフレームから選択

あらためてシマノレーシングが使用している機材について見ていく。ブレーキレバー、ディスクブレーキキャリパーなどのディスクブレーキシステムは、もちろんシマノデュラエースR9100系。ディスクローターを装着するホイールは、空気抵抗の少ないリム高60㎜のWH-R9170-C60、軽量なリム高40㎜のWH-R9170-C40の2種類を使い分けた。

ジャイアント製のフレームは、軽量オールラウンドタイプのTCRアドバンストSL(以下、TCR)とエアロロードのプロペルアドバンストSL(以下、プロペル)の2種。選手たちはコースや好みによって各ステージで使い分けた。

木村選手によると「平坦基調のレースはプロペル。空力性能に特化しているんでスピードが出ます。堺のTTとか東京ステージはプロペル使いました。ほかのアップダウンがあるステージでは、オールラウンドな性能がある軽量なTCRをチョイスしています」とのこと。

ちなみに各選手のステージごとのバイクチョイスは以下の通りだ。

<堺国際クリテリウム>  TCR   …湊、黒枝  プロペル…入部、木村、横山、中井

<第1ステージ堺(個人TT)>  TCR  …湊        プロペル…入部、木村、横山、黒枝、中井   <第2ステージ京都>  TCR…全選手

<第3ステージいなべ>  TCR…全選手   <第4ステージ美濃>  TCR  …入部、木村、湊、横山、黒枝  プロペル…中井   <第5ステージ南信州>  TCR…全選手

<第6ステージ富士山>  TCR…全選手

<第7ステージ伊豆>  TCR…全選手

<第8ステージ東京>  TCR   …湊、黒枝  プロペル…入部、木村、横山、中井

クライマーの湊選手は、平坦でも慣れているTCRを愛用。黒枝選手は堺ステージのTTではプロペルを使ったが、スプリントステージではゴール前の混戦でより小回りの利くTCRを駆った。エアロロードが好みというスピードマンタイプの中井選手は、1ヵ所だけ上りのある美濃のコースでもプロペルを選択した。

▲美濃ステージで中井選手が使用したプロペル

▲同じく美濃ステージでの黒枝選手のTCR。ホイールはスプリントに対応するため、空力性能の高いC60を履いている

なお、他の選手がホワイトカラーのTCRを使っていたのに対し、キャプテンの木村選手はブルーとオレンジのカラーリングのTCRに乗っている。これは一代前のカラーリングのモデルで、チームの中でも「新しい機材に比較的抵抗感がない」という木村選手は春先のレースからこのTCRを実戦で使っていた。また、新人の中井選手はディスクブレーキ仕様のTCRが間に合わず、従来のリムブレーキ仕様のTCRを使用。一方、プロペルは全選手にディスクブレーキ仕様が渡された。

▲ブルーとオレンジのTCRを駆る木村選手

 

▲中井選手のTCRは、従来のリムブレーキ仕様

▲漆黒に見えるプロペルだが、光の角度によって虹色に光る特殊ペイント「レインボーカラー」が施されている

ツアー・オブ・ジャパン翌週のツール・ド・熊野でも、ディスクブレーキ搭載バイクを駆るシマノレーシングの活躍が目立った。第1ステージではプロペルを駆る中井選手が小集団で逃げ切って3位。ディスクブレーキ導入後、初めてウェットコンディションでのレースとなった第3ステージでは、入部選手が序盤から積極的にアタックし、ステージ3位に入ったほか、横山選手が7位、中井選手が10位とトップ10に3選手を送り込む結果となった。

今後、多くのチームがディスクブレーキを採用すればチーム独自のアドバンテージこそ少なくなるかもしれないが、先進的なテクノロジーをいち早く導入することで、国内ロードレース界やレースファン、一般サイクリストにまでその可能性をアピールしたことには大きな意義があったといえるだろう。

▲ツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・熊野を通じてシマノレーシングはディスクブレーキの可能性をアピールした


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【Report】ツール・ド・熊野2019 第3ステージ 攻め続けた入部が3位惜敗

2019年06月02日 | レースリポート・動画


▲photo:Shimano Racing

2019年6月2日(日) ツール・ド・熊野2019 第3ステージ 太地半島特設コース(104.3km)

ツール・ド・熊野4日目、最終決戦となる第3ステージが和歌山県太地町のコースで行われ、エスケープグループでフェデリコ・ズルロ (ITA) GTV ジョッティ・ヴィクトリアがステージ勝利。序盤から攻め続けた入部正太朗が3位に入りました。

4日間の争いの最終決戦地であるこのステージは高低差こそ大きくないものの、コーナーとアップダウンが連続する難コースとして知られます。

シマノレーシングはステージ勝利へのチャレンジと、前日までの成績で総合13位につける横山航太のトップ10(UCIポイント獲得圏内)をめざしスタートしました。

スタート直後、入部正太朗、中井唯晶がアタックし2名で先行しますが高速を維持する集団に捉えられます。


▲スタート直後に入部、中井がアタック photo:Satoru Kato(http://www.cyclowired.jp/)

カウンターでアタックしたマルコス選手(キナンサイクリングチーム)のアタックに入部が集団から抜け出し合流、2名で3周回弱(25㎞ほど)先行しますがこれも後続に吸収されます。

この瞬間になんと入部が更なる攻撃を仕掛けたことにより、入部&中井を含む7名のエスケープグループが形成されます。


▲マルコス・ガルシア選手のアタックに追いつき先行を続ける入部 photo:Satoru Kato(http://www.cyclowired.jp/)


▲集団にキャッチされてもアタックを繰り返した入部の走りにより7名のグループが先行、中井がけん引する photo:Satoru Kato(http://www.cyclowired.jp/)

この集団で総合成績最高位はフェデリコ・ズルロ (ITA・GTV ジョッティ・ヴィクトリア)の2分27秒差。この差をレースリーダーであるオールイス・アウラール選手 (VEN・ MTR マトリックスパワータグ)を守るべくマトリックスパワータグが追走します。

 

前日の厳しいレースでアシスト勢を失っていたマトリックスパワータグはフランシスコ・マンセボ選手がほぼ一人で集団を牽引しエスケープグループとの差をキープします。

先頭では残り2周回を切った場面でのペースアップにより中井らがドロップ、入部含む5名に絞られます。

この5名の逃げ切りが確定し牽制を交えながらゴールスプリントへ。 絶妙なタイミングでスプリントを開始した入部がラスト200mを先行、勝利したかに思われましたがゴールまで僅かのところでかわされステージ3位に。

入部は勝利にこそ届きませんでしたが、素晴らしパフォーマンスを見せ会場を沸かせました。

 


▲入部はスプリントで先行もゴール直前に先頭を奪われステージ3位となった photo:Satoru Kato(http://www.cyclowired.jp/)


▲総合成績でトップ10入りをめざし集団から飛び出しに成功した横山だが、順位を上げる差を生み出すことはできず。 photo:Satoru Kato(http://www.cyclowired.jp/)

4日間の戦いの中で、総合優勝の目標は果たすことができませんでしたが、中井の第1ステージ3位、横山の総合成績での活躍、入部の最終日の3位、その他要所でのチーム連携は素晴らしくチームの進化を感じさせられるレースとなりました。

次なる目標は6月末の全日本選手権、TOJから続く連戦の疲労を回復し更なる進化を目指します。

 

 第3ステージ順位
1  フェデリコ・ズルロ (ITA) GTV ジョッティ・ヴィクトリア
2  孫崎 大樹 (JPN) BGT チームブリヂストンサイクリング +0s
3  入部 正太朗 (JPN) SMN シマノレーシング + 0s

7  横山 航太 (JPN) SMN シマノレーシング +44s
10 中井 唯晶 (JPN) SMN シマノレーシング +51s
30 木村 圭佑 (JPN) SMN シマノレーシング +3m00s
DNF 湊 諒 (JPN) SMN シマノレーシング

 総合順位(最終リザルト)
1 オールイス・アウラール (VEN) MTR マトリックスパワータグ 7:32'49"
2 岡 篤志 (JPN) BLZ 宇都宮ブリッツェン +9s
3 ユーセフ・レグイグイ (ALG) TSG +13s

12 横山 航太 (JPN) SMN +1m01s
24 中井 唯晶 (JPN) SMN (63) 11m03s
34 木村 圭佑 (JPN) SMN +15m46s
35  入部 正太朗 (JPN)SMN +16m10s
DNF 湊 諒 (JPN) SMN

ツール・ド・熊野2019 第3ステージ 太地半島周回コース(104.3km)


▲photo:Satoru Kato(http://www.cyclowired.jp/)

 

 


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