
NTN presents 2019
ツアー・オブ・ジャパン 第8ステージ 東京
5/26(日)11:00スタート 大井埠頭周回コース <パレード3.8㎞> + <7.0㎞ x 16周 = 112.0㎞>
来場者数:48,000人
出場選手:入部正太朗、木村圭佑、湊諒、横山航太、黒枝咲哉、中井唯晶
国内最高峰のステージレース「NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン」。迎えた最終日の東京ステージ、今年は恒例の日比谷公園スタートではなく、大井ふ頭周回コースのみの16周、112kmで争われた。
最終日も選手たちの頭上には青空が広がり、気温は31℃まで上昇。5月とは思えない熱気に、選手たちはレース中も体に水をかけたり、氷袋を背中に入れたりとクールダウンに余念がなかった。

▲チームカーの示す温度計では34度にまで気温は上昇

▲スプリントで勝利を狙う黒枝咲哉 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
平坦でのスプリントステージ、シマノレーシングは第4ステージ美濃で7位に入った黒枝咲哉をエースにステージ優勝に照準を合わせる。最後のスプリントに向けた各選手の役割も確認して、レースに臨んだ
小池百合子東京都知事の号砲で始まったパレード走行を経て、レースがスタート。幾度かのアタックを経て、2周目に昨年の総合王者マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)が集団からリードを築く。4周目にチームメイトのサルバドール・グアルディオラ、フォン・カーホー(HKSIプロ・サイクリング・チーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)が追いつき、逃げは4選手となる。
メイン集団は、総合首位クリス・ハーパー擁するチーム・ブリッジレーンがコントロール。シマノレーシングは集団中ほどで隊列を組んで、黒枝を守る。
レース中盤、タイム差が約3分まで開くと、チーム右京、チームブリヂストンサイクリング、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマーらゴールスプリントを狙うチームがメイン集団の先頭交代に加わる。シマノレーシングも木村圭佑キャプテンがこのローテーションに参加し、スプリントに向けた意志をアピールする。

▲木村キャプテンが追走のローテーションに加わる。 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)

▲シマノレーシングは黒枝咲哉をスプリント勝負の場所へと導く。先頭は横山航太 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)

▲中井唯晶(中央左)は8日間を走り要所でチーム戦略のキーとなる走りを見せた photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)

▲このツアーのエースを担った入部正太朗は最終日アシストに徹する走り
残り5周、逃げの4人からキナン勢がアタックし、先頭はガルシアとグアルディオラの2人に。しかし、果敢に逃げ続けた2人も、最終ラップに入るところでメイン集団に飲み込まれ、各チームのゴールスプリントに向けた争いが激しくなってくる。
シマノレーシングは湊諒、木村がチームの位置取りを上げ、ラスト1kmで入部正太朗、中井唯晶、横山航太のトレインで黒枝を先頭付近のポジションへと送り込む。しかし、黒枝がスプリントを開始した瞬間に他の選手の自転車と接触し、落車。地面とフェンスに叩き付けられてしまった。
ゴールスプリントは窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が制し、ステージ優勝を獲得。同タイムでフィニッシュしたハーパーがグリーンジャージを守り切り、第22回ツアー・オブ・ジャパンの総合優勝を飾った。
右半身を中心に大きな傷を負った黒枝は、チームメイトに支えられてゴール。大会ドクターによる診察と治療を受けた結果、骨折はなかったものの全身に擦過傷を負った。それでも黒枝は全身絆創膏だらけの姿で周りの人と談笑するなど、気丈な表情を見せていた。

▲ゴール直前でクラッシュした黒枝咲哉の背中をチームメイトが押しフィニッシュラインを通過 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)

▲国内勢では最高順位をマークした石橋学選手(チームブリヂストンサイクリング)と湊諒 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
湊は集団と同タイムでフィニッシュ。総合順位を1つ上げ、9分59秒差の総合20位とツアー・オブ・ジャパンで3年連続のUCIポイント獲得を果たした。
今年のツアー・オブ・ジャパン、シマノレーシングは入部をエースに個人総合上位に入ることを最優先の目標に掲げて臨んだ。第2ステージ京都では入部が作戦通りの逃げ切りを決め、ステージ2位、総合2位に。その後も、チーム一丸となって入部をサポートし、リーダージャージ奪取のチャンスをうかがいながら、第5ステージ南信州まで日本人最上位の総合4位をキープするなど、レースを盛り上げた。第6ステージ富士山で大きくタイムロスし、総合上位の可能性がなくなった後も、チーム全員でひとつになってステージ優勝にチャレンジする姿勢を見せ、最後まで戦い抜いた。
ツアー・オブ・ジャパンは終わったものの、大きな結果をつかむため、これからもシマノレーシングの戦いは続いていく。
■コメント
黒枝咲哉
「チームメイトは最後から最後まで風上で僕を守ってくれて、残り1kmのところもほぼ先頭で入れたけど、自分がもがき始めたときに大柄な外国人選手と当たってしまって、落車しました。骨折はなく、擦過傷だけですけど、2、3週間は療養したいと思います」
入部正太朗
「ステージ優勝と個人総合上位でUCIポイント大量獲得を目標にスタートした。幸先はよくて飯田までは総合4位につけていたけど、富士山で失速してしまって、中心選手としてやらしてもらった責任においては、チームには大迷惑をかけてしまった。その中でもみんながサポートしてくれたのは感謝しているし、今後それを返していけるように、僕もみんなをサポートできるように頑張っていきたい。選手やっている以上は前を向いて頑張りたい」
■リザルト NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン
第8ステージ 東京
<ステージ順位>
1 窪木 一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2:23'01"
2 フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)st
3 オールイス・アウラール(マトリックス パワータグ)st
4 黒枝 士揮(チームブリヂストンサイクリング)st
5 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン)st
6 リカルド・スタッキオッティ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)st
7 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)st
8 レイモンド・クレダー(チーム右京)st
9 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)st
10 吉田 隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)st
46 湊 諒(シマノレーシング)st
68 木村 圭佑(シマノレーシング)+1'27"
71 黒枝 咲哉(シマノレーシング)st
72 中井 唯晶(シマノレーシング)+2'14"
73 横山 航太(シマノレーシング)+2'14"
75 入部 正太朗(シマノレーシング)+2'18"
<個人総合順位>
1 クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)19:49'57"
2 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(チーム右京)+0'40"
3 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックス パワータグ)+0'51"
4 フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックス パワータグ)+1'02"
5 ドリュー・モレ(トレンガヌ・INC.・TSG・サイクリング・チーム)+1'29"
6 サム・クローム (チーム右京)+2'03"
7 石橋 学(チームブリヂストンサイクリング)+2'16"
8 小林 海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)+2'45"
9 アドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)+3'25"
10 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)+4'01"
21 湊 諒(シマノレーシング)+9'59"
29 木村 圭佑(シマノレーシング)+22'28"
33 入部 正太朗(シマノレーシング)+31'09"
42 横山 航太(シマノレーシング)+46'16"
70 中井 唯晶(シマノレーシング)+1:28'55"
74 黒枝 咲哉(シマノレーシング)+1:49'15"
<ポイント賞総合>
1 フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)87pt
2 窪木 一茂(チームブリヂストンサイクリング)80pt
3 レイモンド・クレダー(チーム右京)75pt
12 入部 正太朗(シマノレーシング)27pt
34 黒枝 咲哉(シマノレーシング)9pt
<山岳賞総合>
1 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)33pt
2 クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)15pt
3 エミール・ディマ (ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)12pt
<チーム総合成績>
1 チーム右京 59:37'53"
2 マトリックス パワータグ +1'41"
3 インタープロサイクリングアカデミー +8'14"
9 シマノレーシング +50'28"
■2019ツアー・オブ・ジャパン第8ステージ東京 インタビュー(1)https://youtu.be/-fFND8QM2cA ■2019ツアー・オブ・ジャパン第8ステージ東京 インタビュー(2)https://youtu.be/77P2G7XIqQ8






















































Photo&Movie&Text:Tatsuya Mitsuishi(OCN)