REPORT

SHIMANO Racingの活動をブログで紹介します。

Report:Jプロツアー・経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップ

2014年09月22日 | チーム活動

2014年7月21日(日)
J Pro Tour 経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップレース期間: 2014年9月21日(日)
開催地: 広島県中央森林公園(12.3km周回コース)
出場予定選手: 畑中勇介、入部正太朗、野中竜馬、木村圭佑、横山航太

Jプロツアーで最も格式が高く、48回の歴史を数える伝統のレース『経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップ』が開催され、内間康平選手(ブリヂストン・アンカー)が優勝しました。シマノレーシングは入部正太朗が2位、畑中勇介が3位に、優勝こそ逃しましたが素晴らしいチャレンジを見せ会場を沸かせました。

レースは序盤から18名ほどのトップグループが出来ます。シマノレーシングからこの集団に送り込むことができたのは入部のみ。チームとしては良い形ではありませんでした。後方ではこの集団を追走するグループが形成され、ここに畑中勇介、野中竜馬の2名が残ります。野中が畑中のために追走へ加わり、先頭集団に迫ります。ここで野中もドロップしレースに勝つ可能性のある30名程の中に、シマノレーシングは僅か2名のみとなってしまいます。

致命的な状況と思われましたが、残り3周、先頭集団から入部が内間選手のアタックを追走する形で抜け出します。この2名以外はチームUKYOを中心とした後方集団の追撃に飲まれ、残り1周のホームストレートでは、2名を集団が視界に捕えました。捕まったも同然に思われた場面ではありましたが、先頭2名はあきらめず進み続け、追走集団は各チームの思惑が一致せず、牽制状態となり、再度タイム差が開いていきました。

最後の登り区間、後方でもアタックがかかり前を行く2名までの距離を縮めますが先頭2名の勢いは衰えず、ゴールは入部、内間選手のマッチスプリントとなりました。ゴール前先行した内間選手に並びかけますが力及ばず入部は2位、後続集団では最後まで諦めず攻めた畑中が先頭でゴールし3位に入りました。

チームとして苦しい状況に置かれたレースでしたが、入部の果敢なアタックにより、最後の瞬間まで勝ちを狙える位置でレースを進め、素晴らしいレースを見せてくれました。

入部正太朗選手のコメント
『勝つことを強く意識しましたが叶える事が出来ませんでした。悔しいですが、内間選手の走りは素晴らしかった。またチャレンジを続けていきたいです。』

畑中勇介キャプテンのコメント
『入部に力がある事は解っていたし、彼はよくやってくれました。自分も3位に入り、まずまずの結果を残すことができましたが、チームとしての課題は多く見えました。一つ一つ修正し更なる成長を目指したいです。』

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以下シクロワイヤードから抜粋

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国内チームが集結のP1クラスタ

最高ランクの本大会はもちろんポイントも高く、シーズン後半に入り年間のランキングに直接影響する重要な大会。1週間前のツール・ド・北海道の勢いそのままで広島へ乗り込んできたチームがほとんど。なかでも北海道で好調さを見せたブリヂストンアンカーは8名のフルメンバー。3年連続優勝者を出しているマトリックスパワータグ、ルビーレッドジャージを巡るチーム右京と宇都宮ブリッツェンの戦いなども焦点に。

4周目 16人の先頭集団: photo:Hideaki TAKAGI

4周目 16人の先頭集団:

photo:Hideaki TAKAGI

5周目 このレースから実業団で走る小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)がメイン集団先頭で走る: photo:Hideaki TAKAGI

5周目 このレースから実業団で走る小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)がメイン集団先頭で走る

: photo:Hideaki TAKAGI

9月21日(日)、13周159.9kmのレースに122人が9時30分にスタート。直後の下り区間からアタックが開始。中心はブリヂストンアンカー、マトリックスパワータグなど。逃げが決まったのは3周目前半の下り区間。十数名が先行、数人が合流して16人の逃げができる。内間康平(ブリヂストンアンカー)、入部正太朗(シマノレーシング)らを含むこの逃げは最終的にゴールまで届くことに。

11周目 先頭集団の5人: photo:Hideaki TAKAGI

11周目 先頭集団の5人: photo:Hideaki TAKAGI12周目 追走集団はまとまり15人に: photo:Hideaki TAKAGI

12周目 追走集団はまとまり15人に: photo:Hideaki TAKAGI

16人の逃げを積極的に引くのはマトリックスパワータグら。ゴールまで逃げ切りを決めたい選手たちと、メイン集団にエースを残す選手たちとが混在し、メイン集団との差は2分ほどに開くが安定しない。逃げ集団の中で積極的な選手たちが先行するが再びまとまるなどして8周目には13人に。メイン集団からはチーム右京を中心とした10人ほどが抜け出す。

9周目、分裂と吸収を繰り返した先頭集団から内間がアタック、これにアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)と普久原奨(那須ブラーゼン)が合流、さらに10周目に入部と大場政登志(クロップス×チャンピオンシステム)が加わり先頭は5人に。11周目には先頭5人は変わらず、第2集団の8人にメイン集団から抜け出した7人が合流し、先頭5人と追走15人に。差は2分半あり逃げ切りも視野に入る。

12周目 先頭の内間康平(ブリヂストンアンカー)と入部正太朗(シマノレーシング)に追走集団が迫る: photo:Hideaki TAKAGI

12周目 先頭の内間康平(ブリヂストンアンカー)と入部正太朗(シマノレーシング)に追走集団が迫る: photo:Hideaki TAKAGI
12周目に入る前の坂で内間がアタック、さらに12周目すぐの下りへ入る箇所で入部がアタック。この2人は合流して先頭集団を作る。先頭よりも後方はひとつにまとまって15人の追走に。2分差を最終周回序盤には20秒差にまで詰めるが、吸収目前で追撃がストップし、差は逆に一時1分半にまで広がる。先頭の2人はアタックなしで最後の坂をクリア、ホームストレートでのスプリント勝負となりこれを内間が制して優勝。追走集団は15秒後に畑中勇介(シマノレーシング)先頭でフィニッシュ。

最終周回 先頭の内間康平(ブリヂストンアンカー)と入部正太朗(シマノレーシング)に追走集団が15秒差にまで迫る: photo:Hideaki TAKAGI

最終周回 先頭の内間康平(ブリヂストンアンカー)と入部正太朗(シマノレーシング)に追走集団が15秒差にまで迫る: photo:Hideaki TAKAGI

ゴール 内間康平(ブリヂストンアンカー)が先行: photo:Hideaki TAKAGI

ゴール 内間康平(ブリヂストンアンカー)が先行: photo:Hideaki TAKAGI

序盤から積極的に逃げ集団を牽引した内間の実力と勝負勘が功を奏した。好調だったツール・ド・北海道は第3ステージでも同様に逃げたが最終的に吸収された。入部とはそのときと同じメンバーでお互いにリベンジを誓い「ともに逃げてゴール勝負で」と思惑が一致していた。

最終周回に20秒差にまで迫りながら脚の止まった追走集団。スプリンターのいないチーム右京は先頭を吸収しても勝機が見えない、宇都宮ブリッツェンはもはや2人しか残っておらず動きにくいなどの理由で止まってしまった。だが最大は内間と入部があきらめずに逃げ続けたことだ。特に内間は今年に入ってからツール・ド・シンカラでステージ2勝を上げ、そのときの必勝パターンに持ち込んだ。国内での優勝は鹿屋体育大4年当時のインカレロード以来だ。

ブリヂストンアンカー水谷壮宏監督「強い選手が勝ったレース」と内間康平を称える: photo:Hideaki TAKAGI

ブリヂストンアンカー水谷壮宏監督「強い選手が勝ったレース」と内間康平を称える:

photo:Hideaki TAKAGI

団体優勝で経済産業大臣旗を手にするブリヂストンアンカー: photo:Hideaki TAKAGI

団体優勝で経済産業大臣旗を手にするブリヂストンアンカー: photo:Hideaki TAKAGI


ブリヂストンアンカー 水谷壮宏監督のコメント
今日は彼(内間)が強かったからこその展開だった。前々で展開する今日のレースはチームの状況から予想していたこと。展開にも恵まれたが、一番強い選手が勝つということを実証できた。

優勝した内間康平(ブリヂストンアンカー)のコメント
先週のツール・ド・北海道で悔しい思いをしていたが、この大会で優勝できる力はあると思ったので、調子を合わせてきた。昨日も今朝も調子よく行けると思っていた。前々で展開する自分の走りに持ち込めた。入部と2人で逃げたとき、後ろが見えていたがむこうもきついと思っていたのでペースを上げた。「北海道のリベンジを」と入部と話して協調体制を持った。後ろで動いてくれたチームメイトのおかげ。今日は最初から最後までパーフェクト。今まで攻めてたくさん失敗してきているからこその自信があった。

結果

E1クラスタ 初優勝の米谷隆志(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)「初めて逃げに入り最後の坂で自分からアタックした」: photo:Hideaki TAKAGI
E2クラスタ ゴール: photo:Hideaki TAKAGI
E3クラスタ 岡崎陸登(松山聖陵高)が2日で2勝: photo:Hideaki TAKAGIP1クラスタ 159.9km
1位 内間康平(ブリヂストンアンカー)4時間04分44秒
2位 入部正太朗(シマノレーシング)
3位 畑中勇介(シマノレーシング)+15秒
4位 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)
5位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+16秒
6位 リカルド・ガルシア(チーム右京)
7位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+17秒
8位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+18秒
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
10位 安原大貴(マトリックスパワータグ)+20秒

団体成績
1位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム 3700点
2位 シマノレーシング 2900点
3位 チーム右京 2600点

Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)


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次戦 / J Pro Tour 経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップ

2014年09月19日 | レース・イベント情報

Photo

J Pro Tour 経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップ

レース期間: 2014年9月21日(日)
開催地: 広島県中央森林公園(12.3km周回コース)
JPTスタート: 9時30分 159㎞(12.3㎞×13Laps)
出場予定選手: 畑中勇介、入部正太朗、野中竜馬、ダレン・ロー、木村圭佑、横山航太

Jプロツアー最高峰に位置づけられるレース『経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップ』が広島県中央森林公園にて開催されます。

このレースは48回目を数える、JBCF伝統の栄冠を争うもの。数々の名勝負を産んだ広島の地で、2014シーズン、Jプロツアー真のチャンピオンを決します。


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Report:ツール・ド・北海道 2014 第3ステージ

2014年09月16日 | チーム活動

ツール・ド・北海道 第3ステージ

ツール・ド・北海道最終日、第3ステージが行われました。総合成績でのジャンプアップを目指し走ったシマノレーシングでしたが、エースとして走った入部正太朗が入る逃げ集団が序盤で出来るも残り8㎞で大集団に捕まり、このツアーで求めていた結果を出す事はできませんでした。

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以下シクロワイヤードより抜粋
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最終第3ステージの大集団でのゴールスプリントは、ソウ・ジュニヨン(KSPO)が鮮やかに決めて優勝。個人総合は2秒差を守り抜いたジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)が優勝。

ソウ・ジュニヨン(KSPO)が第3ステージ優勝: photo:Hideaki TAKAGIソウ・ジュニヨン(KSPO)が第3ステージ優勝: photo:Hideaki TAKAGI
フィニッシュ50m前で

各賞ジャージが並ぶスタート地点。それぞれの目標に向けてスタート: photo:Hideaki TAKAGI各賞ジャージが並ぶスタート地点。それぞれの目標に向けてスタート: photo:Hideaki TAKAGIすずらん大橋をパレード走行: photo:Satoru KATOすずらん大橋をパレード走行: photo:Satoru KATOツール・ド・北海道最終日は劇的な幕切れに。6人の逃げをラスト7kmで吸収した集団は約80人でのスプリントに。2秒差総合2位のアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)は、リード役で集団の先頭に出ていたピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)とフィニッシュ50m手前で接触してホイール破損。いっぽうで爆発的な加速を見せた韓国ナショナルチャンピオンのソウ・ジュニヨン(KSPO)が鮮やかに決めてステージ優勝。失速したデネグリでも2位に入っており、マラグーティは3位でもボーナスタイム4秒を得て逆転可能だった。最後の最後の50mで総合逆転はならなかった。
序盤のアタック合戦: photo:Hideaki TAKAGI序盤のアタック合戦: photo:Hideaki TAKAGIKOM後に分裂する集団。3賞ジャージが先頭に来る: photo:Hideaki TAKAGIKOM後に分裂する集団。3賞ジャージが先頭に来る: photo:Hideaki TAKAGI
思惑が絡み合う最終ステージ

9月15日(月)、ツール・ド・北海道最終日第3ステージが、帯広市から上士幌町などを経て音更町でゴールする160.6kmで行なわれた。2箇所のKOMとボーナスタイムのあるHSが1箇所。KOM前後以外はおよそ平坦のレイアウト。
40km地点で決まった18人の逃げ: photo:Hideaki TAKAGI40km地点で決まった18人の逃げ: photo:Hideaki TAKAGI
最終ステージは様々な思惑が複雑に絡み合う予測の難しいもの。まず個人総合上位陣の戦い。リーダーのプリートを2秒差で追うマラグーティ、6秒差で追う内間康平(ブリヂストンアンカー)。個人総合ポイント賞は窪木一茂(チーム右京)とリカルド・スタキオッティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)が同点で並ぶが最終フィニッシュで大きく入れ替わる接戦。さらにUCIポイントが得られる個人総合8位前後は6人がゼロ秒差(着順)で並ぶ。この差を詰める方法はHSを取ること、逃げてゴールし秒差を稼ぐこと、そしてフィニッシュの着順で稼ぐことであり、このための各チームの攻防が焦点に。
68km地点、逃げ続ける18人: photo:Hideaki TAKAGI68km地点、逃げ続ける18人: photo:Hideaki TAKAGI
帯広競馬場をスタートした集団は92人。100人でスタートした初日からの完走率が高いのが今年のツール・ド・北海道。序盤からアタックの応酬に。上位チームはチームバジェット・フォークリフトの脚を削ぐためのアタックを繰り出す。あるいは逃げに乗るためのアタックもあるが、なかなか決まらずむしろチームバジェット・フォークリフトが前に抜け出してしまうシーンも。同チーム5人全員の鉄壁の結束力の前に時間だけが過ぎていく。

40km地点で18名の逃げ

37.4km地点のKOMは短いものの破壊力のある上り。ここでピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)にリードされたアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)が1位通過して山岳賞ジャージを確定させる。このKOMのあとは1kmほど平坦が続く。このため3賞ジャージ含む20人ほどが一時抜け出すがその後に吸収される。その直後、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック、これに入部正太朗(シマノレーシング)が反応、さらに反応した選手たちですぐに18人の逃げができる。
十勝平野に降りてきた6人の先頭集団: photo:Hideaki TAKAGI十勝平野に降りてきた6人の先頭集団: photo:Hideaki TAKAGI
18人は内間、スタキオッティ、ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)、ホセ・ビセンテと土井雪広(チーム右京)、ソウ・ジュニヨン(KSPO)、入部・木村圭佑(シマノレーシング)、平塚吉光・早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)、フェン・チュンカイ(チームガスト)、ルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)、大場政登志(Cプロジェクト)、岩井航太(那須ブラーゼン)、ロベルト・パシプッティーニ(ヴェロクラブメンドリシオ)、フラヴィオ・ヴァルセッキ(シエルヴォ奈良メリダサイクリングチーム)。

逃げは18人から6人へ
]18人は逃げ続けるが利害などが一致せず先頭を積極的に引くのはおよそ半数。個人総合で最も上位の内間は逃げ切りを目指し積極的に引く。メイン集団はチームバジェット・フォークリフトがコントロールし、差は最大で3分にまで広がる。2つ目のKOMへ至る緩い上りにある補給地点で18人は6人の先頭と12人の後続に別れる。補給を取らなかった内間がペースを落とさず通過、補給を取った選手はペースを落としたためここで差が生まれたもの。

先行する6人も「大体のメンバーがそれまでも積極的に引いていたので都合がよかった」と内間が語るようにペースをその後も落とさず逃げ続ける。6人は内間、フェン、入部、大場、阿部そしてヴァルセッキ。87.7km地点のKOMは大場が先頭通過。続く123.2km地点のHSは競い合ってフェンが1位通過、2位は内間で2秒獲得。内間にとって逆転するにはもともと3秒取っても足りなく、ゴールで秒差をつけるしかない。

128km地点、メイン集団はバジェットが4人、NIPPOが2人で牽引する: photo:Hideaki TAKAGI128km地点、メイン集団はバジェットが4人、NIPPOが2人で牽引する: photo:Hideaki TAKAGI
チームバジェット・フォークリフトの強力な追走

ラスト13km、逃げ続ける6人だがメイン集団が迫る: photo:Hideaki TAKAGIラスト13km、逃げ続ける6人だがメイン集団が迫る: photo:Hideaki TAKAGIラスト7kmで吸収される逃げ集団: photo:Hideaki TAKAGIラスト7kmで吸収される逃げ集団: photo:Hideaki TAKAGI最大3分差あったチームバジェット・フォークリフト4人が引くメイン集団も、中盤からの牽引にヴィーニファンティーニNIPPOの黒枝士揮と山本元喜が加わり差は縮まっていく。129.3km地点の小さなピークを過ぎるとフィニッシュ地点までの31kmは下り基調の一直線路。しかも向かい風で追うメイン集団に有利なもの。先頭の6人は逃げ続けるが差は次第に2分から1分を切るように。ここでそれまで下りと平坦を特に積極的に引いていた大場が脱落。
フィニッシュ前、ピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)が先行する: photo:Hideaki TAKAGIフィニッシュ前、ピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)が先行する: photo:Hideaki TAKAGI
そしてフィニッシュまで7km地点でついに内間らの113kmにわたる逃げは吸収される。この直前にそれまでローテーションに加わっていなかったヴァルセッキがアタックするがこれも吸収されて大集団でフィニッシュへ向かう。各チームがスプリンターらを引き連れる中、ヴィーニファンティーニNIPPOは2秒差のマラグーティをボーナスタイムのある3位以内に入れるべく動く。
チーム総合表彰: photo:Hideaki TAKAGIチーム総合表彰: photo:Hideaki TAKAGI
ソウ・ジュニヨン(KSPO)がステージ優勝

デネグリが先頭でフィニッシュまで100mを切ってからソウが爆発的スプリントを開始。いっぽうでデネグリの後方につけていたマラグーティはデネグリと接触して前輪を破損、一気に失速する。そしてフィニッシュはソウがガッツポーズで通過。これに失速していたデネグリが続いた。

結局マラグーティはボーナスタイムを得られず、プリートの個人総合優勝が決まった。ステージ優勝のソウは梅丹本舗エキップアサダに所属していたことがあるスプリンター。今大会では3ステージを通じて成績にはつながっていなかったが積極的にアタックしていた選手。この第3ステージも逃げにいた。3日目にようやくそれまでの努力が報われた。

チームバジェット・フォークリフトは、「僕たちのチームは総合を守るのが得意」とプリートがインタビューに答えたように、この第3ステージでは鉄壁の守りを見せた。3日間通じてもチームとしての動きが際立っており、5人全員の力が揃った強力なチームを印象付けた。プリートは昨年総合3位。最終ステージで総合優勝かと一時は思われたほどに、昨年も強さを見せた選手だった。
個人総合山岳賞はアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO): photo:Hideaki TAKAGI個人総合山岳賞はアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO): photo:Hideaki TAKAGI個人総合ポイント賞は窪木一茂(チーム右京): photo:Hideaki TAKAGI個人総合ポイント賞は窪木一茂(チーム右京): photo:Hideaki TAKAGI個人総合優勝はジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)。2位アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)、3位内間康平(ブリヂストンアンカー): photo:Hideaki TAKAGI個人総合優勝はジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)。2位アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)、3位内間康平(ブリヂストンアンカー): photo:Hideaki TAKAGI大学生だけで記念撮影: photo:Hideaki TAKAGI大学生だけで記念撮影: photo:Hideaki TAKAGI
逃げ続けた内間康平(ブリヂストンアンカー)

「逃げ切りたかったがこのコースでは難しかった。直線で見えていてしかも平坦の向かい風で。あきらめずに走ったが、できることはやったと思う。自分は先手で攻撃をするのが好きなのでそれがうまくいった。逃げの6人はもともと引いていたメンバーが多かったので、18人のときとペースは変わらなかった」

6秒差の内間が逆転総合優勝するには逃げ切りしか道は無かった。しかしそれを確実に実行し逃げたメンバーともお互いに協力できたうえでの結果は、昨年第3ステージのゴール寸前に抜かれて負けたときの悔しさを晴らすものだ。
水谷壮宏監督も「内間自身の判断で逃げたいいレース。これ以上いい作戦はないと思う。今日はステージレースらしいレース」と評価する。

ヴィーニファンティーニNIPPO 大門宏監督

「チームバジェット・フォークリフトは強いチームだった。うちが仮にリーダーでも今日やられていたかもしれない。5人の力が強く揃っていた。彼らはコースも知らず日本人選手の情報もない。それでもいい動きをしていた」
「マラグーティが寸前で勝利を逃したことは後から聞いた。仮に他力本願的に勝ったとしてもそれは望む勝ち方ではない。もっともそれもステージレースだが。選手たちはあきらめずに頑張ってくれた」と淡々と答えた。むしろ悔しがっていたのは選手のほうだった。

結果

第3ステージ 166km
1位 ソウ・ジュニヨン(KSPO)3時間39分24秒
2位 ピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)
3位 ヤン・ウーシン(チームガスト)
4位 窪木一茂(チーム右京)
5位 キム・ヒョンスク(KSPO)
6位 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)
7位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
8位 黒枝咲哉(鹿屋体育大学)
9位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
10位 清水都貴(ブリヂストンアンカー)

個人総合成績 第3ステージ終了時点
1位 ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)12時間15分8秒
2位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)+02秒
3位 内間康平(ブリヂストンアンカー)+09秒
4位 窪木一茂(チーム右京)+14秒
5位 ルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)+17秒
6位 ソウ・ジュニヨン(KSPO)+21秒
7位 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)+23秒
8位 佐野淳哉(那須ブラーゼン)
9位 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)
10位 寺崎武郎(ブリヂストンアンカー)+24秒

個人総合ポイント賞 第3ステージ終了時点
1位 窪木一茂(チーム右京)40点
2位 ソ・ジュンヨン(KSPO)36点
3位 ピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)34点

個人総合山岳賞 第3ステージ終了時点
1位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)14点
2位 ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)7点
3位 大場政登志(Cプロジェクト)6点

チーム総合順位 第2ステージ終了時点
1位 ヴィーニファンティーニNIPPO 36時間46分35秒
2位 チームバジェット・フォークリフト 
3位 ブリヂストンアンカー +05秒

photo&text:Hideaki TAKAGI、Satoru KATO


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Report:ツール・ド・北海道 2014 第2ステージ

2014年09月16日 | チーム活動

ツール・ド・北海道 第2ステージ

ツール・ド・北海道第2ステージが行われ、ルイスエンリケ・ダヴィラ選手(ジェリーベリーP/Bマキシス)が終盤の逃げグループでのスプリントにてステージ優勝しました。
シマノレーシングは逃げ集団で健闘した木村圭佑がステージ5位と健闘しました。秒差の少ない接戦の中、総合成績ではシマノレーシングは上位に人員を送り込めていません。
最終日は背水の陣で臨みます。

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以下シクロワイヤードより抜粋
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逃げ集団もメイン集団も安定しないままの178km。ラスト2kmでアタックしたルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)がステージ優勝。個人総合はメイン集団に9秒差で逃げ切ったジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)へ移った。そのリードはわずか2秒。


ラスト2kmでアタックしたルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)が優勝: photo:Hideaki TAKAGIラスト2kmでアタックしたルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)が優勝: photo:Hideaki TAKAGI
十勝平野の戦いが始まる: photo:Hideaki TAKAGI十勝平野の戦いが始まる: photo:Hideaki TAKAGIツール・ド・北海道第2ステージが9月14日(日)、幕別町から大樹町など十勝平野南部を巡る178.9kmで行なわれた。コースは全体的には平坦に近いが、所々にアップダウンがあり攻撃を仕掛けるポイントは逆に多い。リーダーチームのヴィーニファンティーニNIPPOに対して、ブリヂストンアンカーなど他チームがどう攻めるかが注目された。
十勝平野を進むメイン集団: photo:Satoru KATO十勝平野を進むメイン集団: photo:Satoru KATO
序盤に窪木一茂ら7人の逃げ
メイン集団からアタックする地元幕別町出身の山本幸平(北海道地域選抜): photo:Hideaki TAKAGIメイン集団からアタックする地元幕別町出身の山本幸平(北海道地域選抜): photo:Hideaki TAKAGI
9時30分に幕別町をスタートした集団はすぐにアタック合戦となり、開始早々にメイン集団は二分割されてしまう。15分ほどの攻防を経てようやく集団はひとつに。その後もアタックがかかり
おもにNIPPOがそれに対応する。23km地点で窪木一茂(チーム右京)、クリスティアン・ジュエル(チームバジェット・フォークリフト)、早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)、普久原奨(那須ブラーゼン)、シリル・ティエリー(ヴェロクラブ・メンドリシオ)が抜け出し、さらに増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が追いつき6人の逃げができる。
十勝平野南部を走る先頭集団: photo:Hideaki TAKAGI十勝平野南部を走る先頭集団: photo:Hideaki TAKAGI
28.8km地点のホットスポットをジュエル、窪木、増田の順に通過し3秒2秒1秒のボーナスタイムを獲得。その後窪木はメイン集団に下がる。メイン集団からは大場政登志(Cプロジェクト)、スティーヴ・フィッシャー(ジェリーベリーP/Bマキシス)が追いつき逃げは7人でメイン集団とは40秒の差。このメイン集団も安定せず常にアタックと牽制の状態。
98km地点林道出口でルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)がアタック: photo:Hideaki TAKAGI98km地点林道出口でルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)がアタック: photo:Hideaki TAKAGI
52.8km地点のKOMは争わずジュエルが獲得。いっぽうティエリーはパンクで下がり先頭は6人に。そしてメイン集団からは8人の追走集団ができる。この8人は先頭に追いつき、85km地点では逃げ14人にメイン集団の構図に。さらにその後逃げはチーム右京らの引きにより吸収されて、晩成温泉付近で集団は一つにまとまる。
98km地点で決まった16人の逃げ: photo:Hideaki TAKAGI98km地点で決まった16人の逃げ: photo:Hideaki TAKAGI
98km地点でゴールまで届く逃げができる

晩成温泉横から太平洋岸を過ぎ狭い林道に入るとNIPPOとブリヂストンアンカーが、落車など危険回避のため先頭を固めてペースを落とす。98km地点、その林道を出て広い道道に出た瞬間にルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)がアタック。これに数人が続き一気に16人の逃げが完成する。結局この集団は勝ち逃げとなりフィニッシュ地点まで80kmを逃げることに。

逃げの16人はダヴィラ、窪木、寺崎武郎(ブリヂストンアンカー)、リカルド・スタキオッティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)、木村圭佑(シマノレーシング)、早川と平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)、鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉と小野寺玲(那須ブラーゼン)、エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)、ジョシュア・プリートとブロディ・ダブロット(チームバジェット・フォークリフト)、徳田優(鹿屋体育大)、フラヴィオ・ヴァルセッキ(シエルヴォ奈良メリダサイクリングチーム)、クォン・スンヨン(KSPO)。

この16人のうち総合で最も上位はプリートの6秒差3位。そして窪木の28秒差6位など続く。NIPPOそしてブリヂストンアンカーにとっては逃げに乗せているスタキオッティと寺崎での勝負も見据えながらメイン集団をコントロールしていく。NIPPOから黒枝士揮と山本元喜、ブリヂストンアンカーは清水都貴、トマ・ルバ、ダミアン・モニエが先頭を引く。
メイン集団はNIPPO2人とブリヂストンアンカー3人で引く: photo:Hideaki TAKAGIメイン集団はNIPPO2人とブリヂストンアンカー3人で引く: photo:Hideaki TAKAGI
逃げ16人とメイン集団の攻防
逃げ集団は協調してフィニッシュ地点を目指す: photo:Hideaki TAKAGI逃げ集団は協調してフィニッシュ地点を目指す: photo:Hideaki TAKAGI
先頭集団とメイン集団とのタイム差は最大3分にまで広がる。ラスト30kmを切ってようやく差は2分台になる。しかし逃げ集団も特に個人総合がかかるバジェット勢が強力に牽引、ダヴィラもそれに加わりタイム差は減少傾向だが急には縮まらない。およそ均等に回る16人の逃げに対し、メイン集団を引くのは5人。5人の力が勝り差を縮めていくが、逃げ集団はそれまでのアドバンテージがあって残り20kmでも2分。
ラスト20km、ルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)が抜け出す: photo:Hideaki TAKAGIラスト20km、ルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)が抜け出す: photo:Hideaki TAKAGI佐野淳哉(那須ブラーゼン)がラスト18kmからラスト8kmまでの10kmを独走する: photo:Hideaki TAKAGI佐野淳哉(那須ブラーゼン)がラスト18kmからラスト8kmまでの10kmを独走する: photo:Hideaki TAKAGI
ラスト18kmの上り2箇所で佐野が満を持してアタック。すぐに決まり独走体制に持ち込む。しかしフィニッシュまではおよそ平坦の17km。残りのメンバーも協調して追い、10kmを独走した後に佐野はつかまってしまう。そしてフィニッシュまで2kmでダヴィラがアタック。タイミングがよくほかのメンバーが追えない。いっぽうでメイン集団も迫り来る。そしてフィニッシュ、先行したダヴィラが1秒差で逃げ切り優勝、メイン集団はダヴィラから9秒遅れでフィニッシュ。リーダージャージ擁するメイン集団は9秒差がついたため10位ゴールのプリートが総合タイムで2秒上回りリーダーに。
ラスト2kmでアタックしたルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)が逃げ切る: photo:Hideaki TAKAGIラスト2kmでアタックしたルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)が逃げ切る: photo:Hideaki TAKAGI
昨日3位に入ったプリートが小集団で逃げ切ったためタイム差9秒を得、いっぽうでマラグーティと内間はそれぞれタイム差とともに順位もひとつずつ落とした。メイン集団が追いつけなかったことが要因だが「何があるかわからない日本のレースではリーダージャージを着続けることに固執していない。最終日に着ることができれば」と語るように、最終ステージは激しい攻防が予想される。ボーナスタイムがカギだが第3ステージのHSは2つのKOMを終えた終盤の123.2km地点にある。序盤からあるいはKOMをきっかけとした逃げでHSを取るのか、集団ゴールか逃げ切りか、最終ステージの興味は尽きない。
個人総合リーダーはジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト): photo:Hideaki TAKAGI個人総合リーダーはジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト): photo:Hideaki TAKAGI
ステージ優勝のルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)

終盤に佐野選手がアタックしたけど、逃げグループのメンバーと協力して追走し、差が詰まってきたところでチャンスと思ってアタックした。今日の勝利は、レース展開にうまく対応出来たチームのおかげ。来日は3回目で、過去2回はメキシコチャンピオンジャージでのジャパンカップだ。

総合首位のジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)

レース後半に出来た16人の逃げ集団が強力でペースが速かったおかげで、2秒だけ上回ってリーダージャージを着る事が出来た。
明日は他のチームが攻撃してくるだろうが、リーダージャージを守る事は得意なチームなので、自分は自分の仕事をしっかりこなして明日のレースを終えたい。

個人総合山岳リーダー・総合2位アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)

監督からは、イタリアのレースと違ってチームがレースをコントロールするのが難しいから、リーダージャージの為だけに走らないようにと言われていた。たった2秒差ではあるけど、明日の第3ステージを走ってみないと、リーダージャージを奪還できるかどうかはわからない。

ラスト18kmでアタックした佐野淳哉(那須ブラーゼン)

残り20㎞付近にふたつ連続する登りがあり、そこを使ってアタックした。本当は3~4人ついて来て欲しかったのだけど、結果として独走になってしまった。集団に戻ったところでスプリントは避けたいと思っていたら、ダヴィラ選手に行かれてしまった。逃げ切り勝ちしたかったけど、ツール・ド・北海道でそれをするのは難しい。自分の力はまだまだだったって事ですね。

結果

第2ステージ 183km
1位 ルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)4時間1分5秒
2位 窪木一茂(チーム右京)+01秒
3位 寺崎武郎(ブリヂストンアンカー)
4位 リカルド・スタキオッティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)
5位 木村圭祐(シマノレーシング)
6位 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)
7位 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)
8位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
9位 エドワード・プラデスレ(マトリックスパワータグ)
10位 ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)

個人総合成績 第2ステージ終了時点
1位 ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)8時間35分44秒
2位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)+02秒
3位 内間康平(ブリヂストンアンカー)+06秒
4位 ルイスエンリケ・ダヴィラ(ジェリーベリーP/Bマキシス)+12秒
5位 窪木一茂(チーム右京)+14秒
6位 寺崎武郎(ブリヂストンアンカー)+19秒
7位 リカルド・スタキオッティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)+23秒
8位 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)
9位 佐野淳哉(那須ブラーゼン)
10位 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)

個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時点
1位 窪木一茂(チーム右京)26点
2位 リカルド・スタキオッティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)26点
3位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)25点

個人総合山岳賞 第1ステージ終了時点
1位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)7点
2位 ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)7点
3位 クリスティアン・ジュエル(チームバジェット・フォークリフト)5点

チーム総合順位 第2ステージ終了時点
1位 ヴィーニファンティーニNIPPO 25時間48分18秒
2位 チームバジェット・フォークリフト 
3位 ブリヂストンアンカー

photo&text:Hideaki TAKAGI、Satoru KATO


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Report:ツール・ド・北海道 2014 第1ステージ

2014年09月14日 | チーム活動

北の大地、北海道にて28回目を数える伝統のレース『ツール・ド・北海

道』が開幕しました。

3日間のショートステージレースながら、北海道特有の雄大な地形の中、

厳しい戦いが予想されます。第一ステージは予想通りスタートから激しく

アタックが続きましたが木村圭介(シマノレーシング)含む4名の逃げが

決まると集団はこれを容認しスローダウン。この展開が影響したか、予想

に反しメイン集団の人数は減りません。

木村らの逃げが吸収されると、代わりに飛び出した数名の逃げが、ゴール

まで続くことになりました。

集団は追走するも届かず、シマノレーシングは集団スプリントに参加した

入部正太朗(シマノレーシング)のステージ11位が最高位となりました。

***********
以下シクロワイヤードより抜粋
***********

今年で28回目のツール・ド・北海道。千歳をスタートし以降は帯広を中心とした十勝平野を走る3日間3ステージ。初日は千歳市から新得町までの190.7km。ホットスポット(HS)が1箇所、山岳ポイント(KOM)が2箇所ある。KOMの日高峠と狩勝峠はいずれも北海道の峠らしくふもとは直線状で緩やか、峠近くでようやく6、7%になるもの。特に狩勝峠がフィニッシュまで18kmと逃げ切りか集団ゴールか微妙な距離の設定。
千歳市役所前をスタートし今年のツール・ド・北海道が始まる: photo:Hideaki TAKAGI千歳市役所前をスタートし今年のツール・ド・北海道が始まる: photo:Hideaki TAKAGI
40km過ぎに5人の逃げが

開会式を経て10時に千歳市役所をスタート。今年は初日の朝から天気がよく暑くさえなりそうな好天。厚真町のHSはフェン・チュンカイ(チームガスト)、ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)、窪木一茂(チーム右京)の順に通過。各々3秒2秒1秒のボーナスタイムを得る。
千歳市郊外、朝から好天の第1ステージ: photo:Satoru KATO千歳市郊外、朝から好天の第1ステージ: photo:Satoru KATO
各チームのアタック合戦が続きなかなか決まらずレースは常に活発。大きな動きは40km地点のあずほトンネルでの逃げ。ここでダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)、雨澤毅明(那須ブラーゼン)、末永周平(Cプロジェクト)の3人が逃げ、これに木村圭佑(シマノレーシング)、シー・チェンイン(チームガスト)が合流し5人の逃げが完成。この逃げは100km近く続くことになる。
ホットスポットはフェン・チュンカイ(チームガスト)、ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)、窪木一茂(チーム右京)の順: photo:Hideaki TAKAGIホットスポットはフェン・チュンカイ(チームガスト)、ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)、窪木一茂(チーム右京)の順: photo:Hideaki TAKAGI
補給地点を過ぎ逃げる5人に対しメイン集団はペースを落とし最大6分にまでその差は広がる。メイン集団前方では散発的なペースアップはあるがひとつで進む。そして112km地点KOMの日高峠へ。ここで先頭5人から末永が下がり4人に。メイン集団はペースが上がるがアタックが決まるほどでなく長く伸びてKOMを通過、下りへ。このときには逃げとの差は3分を切り、そしてメイン集団前方では占冠村中心部へ向かう緩い下り区間で激しいアタックが繰り広げられる。

140km地点で強力な4人の逃げが
中盤の先頭5人。およそ100kmを逃げ続けた: photo:Hideaki TAKAGI中盤の先頭5人。およそ100kmを逃げ続けた: photo:Hideaki TAKAGI
占冠村中心部を過ぎ、活性化したメイン集団は一時的に3分割される。しかしこれも一つにまとまり先頭4人との差を1分まで縮める。そして清水都貴(ブリヂストンアンカー)らが動いて先頭4人を吸収。ここで散発的なアタックが繰り返され、そのうちの4人の逃げがすんなりと決まる。メンバーはマラグーティ、内間、ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)、岩井航太(那須ブラーゼン)。
チームカーに導入されたスバル・レヴォーグの車列が続く: photo:Satoru KATOチームカーに導入されたスバル・レヴォーグの車列が続く: photo:Satoru KATO強力な4人の逃げができる。トマムから狩勝峠へ: photo:Hideaki TAKAGI強力な4人の逃げができる。トマムから狩勝峠へ: photo:Hideaki TAKAGI
この4人の逃げは強力でメイン集団にすぐに1分の差をつける。マラグーティは昨年までプロコンのアンドローニ・ジョカトリに所属、プリートは昨年本大会で総合3位、そして今シーズン2勝している内間だ。岩井も均等にローテーションに加わり健闘する。
狩勝峠を上るメイン集団: photo:Hideaki TAKAGI狩勝峠を上るメイン集団: photo:Hideaki TAKAGI
メイン集団からは追走の動きができる。フラヴィオ・ヴァルセッキ(シエルヴォ奈良メリダサイクリングチーム)、普久原奨(那須ブラーゼン)、ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)、そしてこれに樋口峻明(京都産業大)が加わるが、のちにメイン集団に吸収される。

逃げ4人とメイン集団の攻防

4人の逃げに対してメイン集団はやがて2分の差がつき、先頭を宇都宮ブリッツェン、チーム右京らが引くが、引くチームが少なく組織的な追撃にならず差はむしろ2分を超え3分まで開こうとする。国道38号に入り狩勝峠への緩い上りが始まるとジェリーベリーP/Bマキシスがメイン集団の先頭に立って逃げを追うが差は3分に。

先頭からは岩井が下がって3人に。そしてKOMまで1km地点でマラグーティがアタック。内間が下がり、プリートがしばらく追うがやがて下がりマラグーティが単独先頭でKOMを越えフィニッシュまで18kmの下りへ。しばらく独走していたマラグーティだが、内間とプリートがまとまって追走、追いつかれて3人でフィニッシュ地点を目指す。メイン集団もハイペースで追走しタイム差は縮まるがもう距離が無い。
狩勝峠KOM手前1kmでアタックしたアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO): photo:Hideaki TAKAGI狩勝峠KOM手前1kmでアタックしたアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO): photo:Hideaki TAKAGI
フィニッシュ前の直線に現れたのはプリート、マラグーティ、内間の順。ここからマラグーティが仕掛けて先頭でフィニッシュラインを通過。今シーズンの初優勝を遂げた。メイン集団は19秒差で黒枝士揮(ヴィーニファンティーニNIPPO)を先頭にゴール。メイン集団の上位3番までをNIPPOが占め、逃げでもスプリントでも勝負できるチームの強さを見せた。
フィニッシュ地点へ向かう3人: photo:Hideaki TAKAGIフィニッシュ地点へ向かう3人: photo:Hideaki TAKAGI
平坦部分の多いステージでアタックが多くかかったのも平坦部分。活性時には数人から時には30人ほどが抜け出す激しい展開となりアシスト選手らはこのために遅れてゴールする場面が目立った。優勝したマラグーティにとって、ここ1年ほどは華々しい経歴からは一転して勝利が無かった。そしてメイン集団の頭を独占したことも加わり、NIPPOはどこからでも勝負できる強さを見せた。
メイン集団は黒枝士揮(ヴィーニファンティーニNIPPO)先頭: photo:Hideaki TAKAGIメイン集団は黒枝士揮(ヴィーニファンティーニNIPPO)先頭: photo:Hideaki TAKAGI
ブリヂストンアンカーは内間が2位に入り、昨年と同じ成績の状況に。むしろ追い込むことがしやすいとも考えられ、まだ総合の行方はわからない。この日、力を見せたのはほかにチームバジェット・フォークリフトで、チーム右京、宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグも要所で動いた。まだ秒差の戦いであり、第2ステージの行方が注目される。
アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)が各賞ジャージ独占: photo:Hideaki TAKAGIアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)が各賞ジャージ独占: photo:Hideaki TAKAGI
優勝したアレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)

残り50㎞地点で他の3人と抜け出した。自分はスプリンターじゃないので、早めに飛び出して単独逃げ切りを狙っていた。調子が良かったので勝つ自信はあった。1週間前に練習中にケガをしてこのレースに出られるかわからなかったので、勝てた事は本当に嬉しい。ブリヂストン、右京、マトリックスそして佐野淳哉は強いのでジャージを守るのは簡単なことではない。だがチームのメンバーは強いので、残り2日間チームとしてリーダージャージを守れるようにしたい。

ヴィーニファンティーニNIPPO 大門宏監督

マラグーティは、去年プロコンで1勝して以来長く勝てずにいたので、この1勝でふっ切れたんじゃないかなと思う。逃げが決まった時は、そのまま積極的に行こうという感じではなかった。2回目のKOMを取ってみろと指示をした。ところが後ろの集団が協調出来ていなかったようなので、2回目のKOMのあたりで「そのまま行け」と指示した。捕まったとしても、黒枝士揮とリカルド・スタキオッティでスプリント勝負できると考えていた。リーダージャージを守りきるにはもう1勝するつもりでないと難しい。3日連続のワンデーレースのつもりで積極的にやっていこうと思う。

2位の内間康平(ブリヂストンアンカー)

マラグーティが力があるのはわかっていた。KOM手前1kmでアタックされたときはペースで追うことを考えいったん離れた。彼は走り方もうまいので、自分の力をあまり温存させてもらえなかった。

ブリヂストンアンカー 水谷壮宏監督
レース展開にも恵まれたが、内間の走りのセンスで得た2位だったと思う。昨年と同じくうちとNIPPOの戦いになったのかなと思う。明日以降は、リーダーのNIPPOに頑張ってもらって、その中で勝機を狙っていきたい。


結果

第1ステージ 194km
1位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)4時間34分42秒
2位 内間康平(ブリヂストンアンカー)
3位 ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)
4位 黒枝士揮(ヴィーニファンティーニNIPPO)+19秒
5位 リカルド・スタキオッティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)
6位 ピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)
7位 ソ・ジュンヨン(KSPO)
8位 福田真平(愛三工業)
9位 ヤン・ウーシン(チームガスト)
10位 バリー・ダニエル(チームバジェット・フォークリフト)

個人総合成績 第1ステージ終了時点
1位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)4時間34分32秒
2位 内間康平(ブリヂストンアンカー)+4秒
3位 ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)+6秒
4位 フェン・チュンカイ(チームガスト)+26秒
5位 ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)+27秒
6位 窪木一茂(チーム右京)+28秒
7位 黒枝士揮(チームNIPPO・デローザ)+29秒
8位 リカルド・スタキオッティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)
9位 ピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニNIPPO)
10位 ソ・ジュンヨン(KSPO)

個人総合ポイント賞 第1ステージ終了時点
1位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)25点
2位 内間康平(ブリヂストンアンカー)20点
3位 ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)16点

個人総合山岳賞 第1ステージ終了時点
1位 アレッサンドロ・マラグーティ(ヴィーニファンティーニNIPPO)7点
2位 ダニエル・バリー(チームバジェット・フォークリフト)7点
3位 ジョシュア・プリート(チームバジェット・フォークリフト)5点

チーム位総合順 第2ステージ終了時点
1位 ヴィーニファンティーニNIPPO 13時間44分44秒
2位 チームバジェット・フォークリフト 
3位 ブリヂストンアンカー

photo&text:Hideaki TAKAGI、Satoru KATO


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