2014年7月21日(日)
J Pro Tour 経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップレース期間: 2014年9月21日(日)
開催地: 広島県中央森林公園(12.3km周回コース)
出場予定選手: 畑中勇介、入部正太朗、野中竜馬、木村圭佑、横山航太
Jプロツアーで最も格式が高く、48回の歴史を数える伝統のレース『経済産業大臣旗・ロードチャンピオンシップ』が開催され、内間康平選手(ブリヂストン・アンカー)が優勝しました。シマノレーシングは入部正太朗が2位、畑中勇介が3位に、優勝こそ逃しましたが素晴らしいチャレンジを見せ会場を沸かせました。
レースは序盤から18名ほどのトップグループが出来ます。シマノレーシングからこの集団に送り込むことができたのは入部のみ。チームとしては良い形ではありませんでした。後方ではこの集団を追走するグループが形成され、ここに畑中勇介、野中竜馬の2名が残ります。野中が畑中のために追走へ加わり、先頭集団に迫ります。ここで野中もドロップしレースに勝つ可能性のある30名程の中に、シマノレーシングは僅か2名のみとなってしまいます。
致命的な状況と思われましたが、残り3周、先頭集団から入部が内間選手のアタックを追走する形で抜け出します。この2名以外はチームUKYOを中心とした後方集団の追撃に飲まれ、残り1周のホームストレートでは、2名を集団が視界に捕えました。捕まったも同然に思われた場面ではありましたが、先頭2名はあきらめず進み続け、追走集団は各チームの思惑が一致せず、牽制状態となり、再度タイム差が開いていきました。
最後の登り区間、後方でもアタックがかかり前を行く2名までの距離を縮めますが先頭2名の勢いは衰えず、ゴールは入部、内間選手のマッチスプリントとなりました。ゴール前先行した内間選手に並びかけますが力及ばず入部は2位、後続集団では最後まで諦めず攻めた畑中が先頭でゴールし3位に入りました。
チームとして苦しい状況に置かれたレースでしたが、入部の果敢なアタックにより、最後の瞬間まで勝ちを狙える位置でレースを進め、素晴らしいレースを見せてくれました。
入部正太朗選手のコメント
『勝つことを強く意識しましたが叶える事が出来ませんでした。悔しいですが、内間選手の走りは素晴らしかった。またチャレンジを続けていきたいです。』
畑中勇介キャプテンのコメント
『入部に力がある事は解っていたし、彼はよくやってくれました。自分も3位に入り、まずまずの結果を残すことができましたが、チームとしての課題は多く見えました。一つ一つ修正し更なる成長を目指したいです。』
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以下シクロワイヤードから抜粋
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国内チームが集結のP1クラスタ
最高ランクの本大会はもちろんポイントも高く、シーズン後半に入り年間のランキングに直接影響する重要な大会。1週間前のツール・ド・北海道の勢いそのままで広島へ乗り込んできたチームがほとんど。なかでも北海道で好調さを見せたブリヂストンアンカーは8名のフルメンバー。3年連続優勝者を出しているマトリックスパワータグ、ルビーレッドジャージを巡るチーム右京と宇都宮ブリッツェンの戦いなども焦点に。
9月21日(日)、13周159.9kmのレースに122人が9時30分にスタート。直後の下り区間からアタックが開始。中心はブリヂストンアンカー、マトリックスパワータグなど。逃げが決まったのは3周目前半の下り区間。十数名が先行、数人が合流して16人の逃げができる。内間康平(ブリヂストンアンカー)、入部正太朗(シマノレーシング)らを含むこの逃げは最終的にゴールまで届くことに。
16人の逃げを積極的に引くのはマトリックスパワータグら。ゴールまで逃げ切りを決めたい選手たちと、メイン集団にエースを残す選手たちとが混在し、メイン集団との差は2分ほどに開くが安定しない。逃げ集団の中で積極的な選手たちが先行するが再びまとまるなどして8周目には13人に。メイン集団からはチーム右京を中心とした10人ほどが抜け出す。
9周目、分裂と吸収を繰り返した先頭集団から内間がアタック、これにアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)と普久原奨(那須ブラーゼン)が合流、さらに10周目に入部と大場政登志(クロップス×チャンピオンシステム)が加わり先頭は5人に。11周目には先頭5人は変わらず、第2集団の8人にメイン集団から抜け出した7人が合流し、先頭5人と追走15人に。差は2分半あり逃げ切りも視野に入る。
12周目に入る前の坂で内間がアタック、さらに12周目すぐの下りへ入る箇所で入部がアタック。この2人は合流して先頭集団を作る。先頭よりも後方はひとつにまとまって15人の追走に。2分差を最終周回序盤には20秒差にまで詰めるが、吸収目前で追撃がストップし、差は逆に一時1分半にまで広がる。先頭の2人はアタックなしで最後の坂をクリア、ホームストレートでのスプリント勝負となりこれを内間が制して優勝。追走集団は15秒後に畑中勇介(シマノレーシング)先頭でフィニッシュ。
序盤から積極的に逃げ集団を牽引した内間の実力と勝負勘が功を奏した。好調だったツール・ド・北海道は第3ステージでも同様に逃げたが最終的に吸収された。入部とはそのときと同じメンバーでお互いにリベンジを誓い「ともに逃げてゴール勝負で」と思惑が一致していた。
最終周回に20秒差にまで迫りながら脚の止まった追走集団。スプリンターのいないチーム右京は先頭を吸収しても勝機が見えない、宇都宮ブリッツェンはもはや2人しか残っておらず動きにくいなどの理由で止まってしまった。だが最大は内間と入部があきらめずに逃げ続けたことだ。特に内間は今年に入ってからツール・ド・シンカラでステージ2勝を上げ、そのときの必勝パターンに持ち込んだ。国内での優勝は鹿屋体育大4年当時のインカレロード以来だ。
ブリヂストンアンカー 水谷壮宏監督のコメント
今日は彼(内間)が強かったからこその展開だった。前々で展開する今日のレースはチームの状況から予想していたこと。展開にも恵まれたが、一番強い選手が勝つということを実証できた。
優勝した内間康平(ブリヂストンアンカー)のコメント
先週のツール・ド・北海道で悔しい思いをしていたが、この大会で優勝できる力はあると思ったので、調子を合わせてきた。昨日も今朝も調子よく行けると思っていた。前々で展開する自分の走りに持ち込めた。入部と2人で逃げたとき、後ろが見えていたがむこうもきついと思っていたのでペースを上げた。「北海道のリベンジを」と入部と話して協調体制を持った。後ろで動いてくれたチームメイトのおかげ。今日は最初から最後までパーフェクト。今まで攻めてたくさん失敗してきているからこその自信があった。
結果
E1クラスタ 初優勝の米谷隆志(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)「初めて逃げに入り最後の坂で自分からアタックした」: photo:Hideaki TAKAGI
E2クラスタ ゴール: photo:Hideaki TAKAGI
E3クラスタ 岡崎陸登(松山聖陵高)が2日で2勝: photo:Hideaki TAKAGIP1クラスタ 159.9km
1位 内間康平(ブリヂストンアンカー)4時間04分44秒
2位 入部正太朗(シマノレーシング)
3位 畑中勇介(シマノレーシング)+15秒
4位 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)
5位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+16秒
6位 リカルド・ガルシア(チーム右京)
7位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+17秒
8位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+18秒
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
10位 安原大貴(マトリックスパワータグ)+20秒
団体成績
1位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム 3700点
2位 シマノレーシング 2900点
3位 チーム右京 2600点
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)