第35回シマノ鈴鹿ロードレース
8月19日(日)PM15:00 シマノ鈴鹿ロードレースクラシック
鈴鹿サーキット・フルコース:5.807km x 10周 = 約58.1km
出場選手:木村圭佑、入部正太朗、湊諒、秋田拓磨、横山航太、黒枝咲哉、小山貴大、中田拓也
2日間で約1万1000人が参加した国内最大級のロードレースの祭典「シマノ鈴鹿ロードレース」。その最高峰のレースが、19日の「シマノ鈴鹿ロードレースクラシック」だ。
国際ロードレースから名称変更して2年目になる今回は、JCF公認大会/大阪車連主管として来年の全日本選手権の出場資格もかかる大会となり、国内プロチームの選手にハイレベルのアマチュアレーサーも加わる151人が出場した。
ホストチームとして8選手全員で参戦するシマノレーシングは、逃げには好調な入部正太朗らが対応しつつ、集団がまとまった場合には若きスプリンターの黒枝咲哉が勝ちに行く狙いだ。
例年より気温は低いものの、日差しは強い中、鈴鹿サーキット10周のレースがスタート。前半はアタック合戦が続き、入部、木村、湊、中田らが積極的に動くが、なかなか逃げは決まらない。
レース半分を過ぎた6周目に9人の選手が抜け出し、さらに5人の選手が合流。ここに宇都宮ブリッツェンは増田成幸ら4人を送り込み、他にも畑中勇介(チーム右京)、佐野淳哉、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックス・パワータグ)ら強力な選手が入り、メイン集団との差は一気に20~30秒まで拡大する。
入部が飛び出してブリッジを試みるも、結局、先頭集団にひとりも送り込めなかったシマノレーシングはメイン集団前方に8人全員が集まって追走を開始。前を吸収した場合のスプリントに備えて黒枝を温存しながら、他の7選手が全開でけん引した。
▲中盤に形成されたエスケープグループ photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
▲シマノレーシングはスプリントで勝利を狙う黒枝を残し7名で追走
しかし、他チームの協力もほとんど得られることなく約30秒のタイム差はなかなか縮まらず、だんだんと苦しい状況に。結局、11人に減った先頭集団から最終ラップにアタックした岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が逃げ切って、優勝をつかみ取った
メイン集団は、28秒差でゴール。黒枝が兄・黒枝士揮(愛三工業レーシングチーム)とのスプリントを制して、集団トップの12位に。しかし、先頭集団に選手を送り込めなかったこと、その後、先頭集団を捕らえきれなかったことからも実力的にも展開的にも課題が残るレースとなった。
▲エスケープグループの中から最終周回にアタックした岡選手(宇都宮ブリッツェン)が勝利 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
▲後方大集団の先頭を黒枝咲哉が先着するも全体の12位という結果に photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
<コメント>
黒枝咲哉
「入部さんやほかのメンバーが逃げに乗れればベストだったけど、そのあとジャンプアップで自分も行ってスプリントできたらという感じだった。みんなで固まって追いつこうとしたけど、追いつけなかった。追いついたら集団で勝てるチャンスもあったと思う。鈴鹿の前に大分に帰って兄貴とスプリントの練習もしてたんで、兄貴には勝ててよかったです」
<リザルト>
シマノ鈴鹿ロードレースクラシック
1位 岡 篤志 宇都宮ブリッツェン 1:14:26.72
2位 岡本 隼 愛三工業レーシングチーム +0:01.95
3位 小野寺 玲 宇都宮ブリッツェン +0:02.21
4位 畑中 勇介 宇都宮ブリッツェン +0:02.24
5位 雨乞 竜己 キナンサイクリングチーム +0:02.49
6位 増田 成幸 宇都宮ブリッツェン +0:02.57
7位 佐野 淳哉 マトリックス・パワータグ +0:02.62
8位 ホセ・ビセンテ・トリビオ マトリックス・パワータグ +0:03.78
9位 石橋 学 チームブリヂストンサイクリング +0:05.16
10位 小石 祐馬 チーム右京 +0:12.51
12位 黒枝 咲哉 シマノレーシング +0:28.30
84位 小山 貴大 シマノレーシング +2:15.10
94位 湊 諒 シマノレーシング +4:56.21
97位 入部 正太朗 シマノレーシング +5:08.81
100位 木村 圭佑 シマノレーシング +6:00.28
103位 秋田 拓磨 シマノレーシング +6:26.14
105位 横山 航太 シマノレーシング +7:08.05
106位 中田 拓也 シマノレーシング +7:08.27
■シマノ鈴鹿内のイベントにシマノレーシングの選手たちが登場
大会2日間に渡り、レース以外にも様々なイベントが行われたシマノ鈴鹿。シマノレーシングの選手たちも各イベントに登場し、参加者との交流や盛り上げに一役を買った。
ブラッキー中島さん主催の自転車教室「ウィーラースクール」。19日朝の部には、湊諒、秋田拓磨、黒枝咲哉の3選手と野寺秀徳監督が、先生役として参加。ロードレースでは欠かすことのできない集団走行を子どもたちと一緒に練習。1列2~4人ずつ並んで走りながら、周りの選手との間合いなどを確認した。レース後は即席のサイン会も行われ、元気な子どもたちとのふれあいを楽しんだ。
▲朝のウィーラースクールではこども達と交流しながら、走行技術と安全を学んだ photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
管理栄養士・河南こころさんによる「知っ得講座・食事でコンディションを整える 健康のため、勝利のため~」19日午前の部には、木村圭佑、横山航太、小山貴大、中田拓也と野寺秀徳監督が登場。
過去にシマノレーシングの栄養サポートを行っていた河南さんと一緒に、選手たちは普段の食事やレース中の補給食の内容を振り返った。河南さんは「炭水化物を効率よくエネルギーに変えるためにも、ビタミンなどの栄養素は必要」と野菜を交えたバランスのよい食事を勧めていた。
▲河南こころ栄養士とシマノレーシング選手が栄養に関する話を披露 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
入部正太朗は、シマノが全国100以上の自転車ショップに導入しているバイクフィッティングの実演にモデルとして参加。ペダリングの動きをモーションキャプチャーで分析し、その人に適したサドルやハンドルなどのポジションを導き出すシステムで、ペダリングの左右差や効率なども分析可能。最新のフィッティングシステムに多くのサイクリストが熱い視線を注いでいた。
▲バイクフィッティングの実演に参加する入部正太朗 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)