全日本選手権ロード・レース エリート男子
期日:6月26 日(日)【個人ロードレース 男子エリート】
【個人ロードレース】 大島西海岸コース
エリート男子個人ロード154.7 km (11.9 km×13 周)
出走選手:入部正太朗・木村圭祐・秋丸湧哉・湊諒
2016年、ナショナルチャンピオンを決する全日本選手権で木村圭祐選手が3位となり、ポディウムの一角に立ちました。
全日本選手権は年にただ一度、日本籍の選手によりナショナルチャンピオンを争う特別なレース。
全ての国内選手が目指すタイトルだけあり、毎年独特の張りつめた空気の中でのレースとなります。
今年レースが開催された伊豆大島のコースは、1月にアジア選手権が開催されたものの殆どの選手が初めてレースを走るコースとなり、レース展開を予想するに難しいものとなりました。
シマノレーシングはどんな場面でも対応できる入部キャプテンと、好調の木村選手をエースとし、湊選手、秋丸選手がそれをサポートする事を確認しスタートラインに並びました。
スタート直後から集団は落ち着かず、各チーム主導権を握るためアタックをかけますが中々決まりません。
攻防が続く中、アイサンレーシング中根選手がアタック、これに宇都宮ブリッツェン鈴木譲選手が追いつき2名での逃げが決まります。
この動きに同調する選手が出るかと思われましたが、次の一手を牽制しあう集団は沈静化、2名の逃げを容認し力ある選手を揃えるBSアンカーの牽引で進んでいきました。
しかしながら、この大島のコースの登り区間はきつく、追い風となったことにより集団内にいるメリットが少なくなり集団から遅れる選手が続出、徐々に集団は小さくなります。
シマノレーシングから出場した4名はしっかり集団内にとどまり後半へ。
残り3周回、前を走っていた2名が集団に戻ると一気に攻撃がかかり始めます、ここで好調を維持しこの全日本に入った木村圭祐も自らアタックを繰り出し先手を打ちます。
上りで区間で有力選手だけとなっては、下りで数十名に追いつかれる展開が続きます。
攻防が続く中レースは最終周回へ、各チームのエースが登り区間で全力でアタックを繰り返してゆきます、この動きに木村、湊諒がしっかり対応、入部も苦しそうな表情を見せながら食らいつきます。
コースピークを過ぎ、木村含む7名ほどが先行、峠を下りきったところ残り7㎞ほどで、後方から集団が追い付くタイミングで木村が全てを賭けた渾身のアタックを開始します。
この動きに同調したのがBSアンカーの初山選手、後方からBSアンカー西薗選手も追い上げ3名の逃げが決まりました。
2対1と木村にとって不利な状況ながら、逃げ切りを決めるべく3名は協力しローテーションしゴールを目指し後続との差を広げます。
3名はそのまま後続を振り切りゴールスプリントへ。
木村はスプリントで先行し、BSアンカー2選手に交わされ3位となりました。
優勝はBSアンカーの初山選手、2位に西薗選手、木村は3位。
『チームはうまく機能していた。湊も最終局面で先頭でレースによく対応してくれた。ラスト3周から他チームのエースのアタックに反応してゆき、自らもアタックを繰り返しました。もし自分の攻撃が失敗に終わっても後続には入部さんがいるので思いっきり行くことができました。3位は悔しい気持ちもありますが、今の自分にとっては大きな進歩です。』
木村選手の言葉には戦い抜いた自信と共に、チームとして走ったことによる感謝が込められていました。
3位敗退、決して勝ったわけではありません。
しかしながら、ここまでトレーニング段階から試行錯誤し過去にないほど集中力を高め、厳しい鍛練と節制に耐えてきた木村選手。
結果は敗退ではなく、自ら勝ち取った3位と言っても良いのではないでしょうか。
ゴール後、涙する木村選手の表情には悔しさと共に、自らに課した重圧から解放された安堵があったに違いありません。
若いチーム編成でチャレンジを繰り返すチームにとって、この結果はさらなる高みへ導く鍵となる予感すらあります。
来年、このレースはタイトルの奪取をより明確に誓い臨むことになりそうです。
シマノレーシングへの多大なるご声援ありがとうございました。
詳しくはシクロワイアードの記事、選手のブログ等をご覧ください。
木村圭祐選手、公式ブログ(レース状況が詳細に記されています)
入部正太朗選手、公式ブログ
湊諒選手、公式ブログ
秋丸湧哉選手、公式ブログ
*****結果 http://www.cyclowired.jp/news/node/202915 より*****
全日本選手権ロードレース 男子エリート リザルト
1位 初山翔(チームブリヂストン・アンカー) 4h14'57
2位 西薗良太(チームブリヂストン・アンカー)
3位 木村圭佑(シマノレーシング) +00'02
4位 石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) +00'42
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +00'43
6位 鈴木龍(チームブリヂストン・アンカー)
7位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +00'44
8位 平井栄一(チーム右京)
9位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
10位 山下貴宏(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDA)
・
12位 湊諒(シマノレーシング) +00'44
16位 入部正太朗(シマノレーシング) +00'46
45位 秋丸湧哉(シマノレーシング) +09'36
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▲photo:Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/) 集団内で走る入部キャプテン
▲photo:Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/) 集団内でチームをサポートした秋丸湧哉
▲photo:Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/) 後半登り区間、有力選手がアタックを繰り返し人数が絞られる
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/) この日好走を見せた湊は集団の攻撃にしっかり対応していた
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/) レースは中盤牽制状態に
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/)
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/) 最終局面で渾身のアタックを繰り出す木村にBSアンカー初山選手が反応
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/) 後方からBSアンカー西薗選手が単独で合流する
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/) ゴールまで逃げた3名が高速を維持
▲photo:Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/) ゴール手前、木村は力尽き3位フィニッシュ
▲photo:Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/) 優勝はBSアンカー初山選手が初の栄冠に輝いた
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/) すべてを出し切って3位でフィニッシュする木村圭祐
▲photo:Hideaki TAKAGI(http://www.cyclowired.jp/) 表彰式、右から木村圭祐、初山翔選手(BSアンカー)、西薗良太選手(BSアンカー)
▲photo:Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/) 銅メダルを掲げる木村圭祐選手
▲photo:Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/) 走り終えた湊諒&入部正太朗キャプテン(左から)
▲photo:Hideaki TAKAGI&Makoto Ayano(http://www.cyclowired.jp/)