J Pro Tour西日本ロードクラシック 広島大会
▲優勝した畑中勇介、後ろには好アシストの入部正太朗
2014年6月22日(日)
開催地:広島県中央森林公園147㎞(12.3㎞×12Laps)
出場選手: 畑中勇介、吉田隼人、入部正太朗、野中竜馬、ダレン・ロー、 木村圭佑、横山航太
Jプロツアー第9戦『西日本クラシック広島』にて畑中勇介が少人数スプリントを制し優勝しました。
レースは雨が降る中スタートを切りました。直後、細かい砂が流れ出たコースに突入した集団は、危険を避けスローダウンする選手等の影響で、はやくも大きく分断します。
その中から宇都宮ブリッツェンの阿部嵩之選手がアタック、独走を開始します。吉田隼人も
単独追走の動きを見せますが、後半戦を見据えここは一旦集団に戻ります。これを追うメイングループは高速を維持し、有力選手を含む後方集団はメイングループに合流でき
ません。
シマノレーシングはこのレースのディフェンディングチャンピオンである畑中勇介の他に吉田隼人、野中竜馬、 木村圭佑の4名を40名程のメイングループに送り込みます。そ
の後方ではBSアンカーの有力選手5名が残り先頭で牽引する第2グループが形成され、ここに入部が残りました。
阿部選手 -1分差/メイングループ40名 -2分差/第3グループ、という形はレースの大半を消化しても崩れません。メイングループは主にチーム右京の狩野智也選手等を中心に
ペースが保たれ、安定して進みます。
110㎞過ぎ、スタートから逃げ続けた阿部選手がついに集団に捕えられ、ここからゴールに向けた攻防が始まります。追走を続けていた第2集団からも数名がここに追いつき、
ここに居た入部も重要な場面に間に合いました。他チームの攻撃にシマノレーシングも全員で対応、ラスト2周回の登り区間で、増田選手(宇都宮ブリッツエン)と入部正太朗が抜け出します。
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▲増田選手(宇都宮ブリッツエン)と共に逃げる入部正太朗
ラスト1周、この2名に畑中が単独ジャンプアップ、さらに野中竜馬と鈴木真理選手(宇都宮ブリッツエン)が追い付きゴールまで数キロを残し、シマノレーシング3名対宇都宮ブリッツエン2名の戦いとなります。最後の登り区間で野中が遅れてしまいます、すかさず増田選手がアタック、単独頂上を超えゴール前まで2㎞ほど続く緩い下り区間に入ります。
この動きで入部も若干後退、先頭は増田選手、その後ろ数10メートルで畑中が鈴木選手を従え追走する形となります。追わなくては増田選手の逃げ切り、追いついてもスプリント力のある鈴木選手に有利な展開となり、形勢逆転シマノレーシングは危機に陥りました。しかしここで真価を発揮したのは、トラック競技でナショナルチャンピオンを獲得した実績とスピードを持つ入部でした。
![An7e7390 An7e7390](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/2e/52f91a43e8df9c9ddebcad36e9b2de69.jpg)
▲入部がゴールへ向け小集団をまとめ上げる
緩斜面の下り区間で畑中等に追いつくとそのまま2名の前へ。自らが勝利する可能性を捨て増田選手を捕えるべく強烈に牽引を続けます。
ホームストレートに表れたのは、一つとなったこの4名の小集団でした。鈴木真理選手は怪我からの復調に時間をかけているとはいえ、百戦錬磨の実力者。畑中の力をもってしても勝利は確信できません。入部は畑中を勝たせるため鈴木選手を誘いロングスパートを開始、ゴール前150mで牽引をやめ鈴木選手に先頭を譲ります。
ここから力強く踏み込んだ鈴木選手に畑中が並び、ゴールライン上で一戦に並びます。目測では判断ができない数センチ差の争いでしたが、片手をつき挙げたのは畑中勇介でした。
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▲ゴールライン上で並んだ鈴木真理選手(宇都宮ブリッツエン)と畑中勇介
このレースをチームはあくまで次週に控えた全日本選手権へ向けたステップとしてスタートをきりました。しかしながら、ステップを踏むために何としても好結果を残したい
という選手のモチベーションは高く保たれていたようです。
今回、チームとしてJプロツアーの中でも格式の高いクラシックレースを制覇したことで、
同時に、全日本選手権制覇に向け、名乗りを上げるべく駒を進める事に成功しました。
畑中勇介選手のコメント
『勝つことができてうれしいです。チームメイト全員の動きが良く、最後は彼らの働きがあったからこそ勝利できました。(ゴール前に争った)真理さんの※フェアな走りにも感謝しなくてはいけません。先週まで体調を崩していたが、全日本選手権に向け体調面での不安がとれたことで安心しました。』
※ゴール前、道左側が絞られ狭くなるレイアウトで、畑中は左から抜きにかかり、直線進路はふさがれている状況でした。そのまま進路を締める事も出来たが、鈴木選手はそうせず畑中のスペースを空けた。
レース結果 147.6km
1位 畑中勇介(シマノレーシング)3時間45分21秒
2位 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)
3位 入部正太朗(シマノレーシング)+03秒
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+06秒
5位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)+30秒
6位 佐野淳哉(那須ブラーゼン)+31秒
7位 吉田隼人(シマノレーシング)
8位 リカルド・ガルシア(チーム右京)+32秒
9位 ロイ・デリアック(Team JBCF)+33秒
10位 野中竜馬(シマノレーシング)+37秒
Jプロツアーリーダー リカルド・ガルシア(チーム右京)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
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▲地元広島で好走した野中竜馬
▲終盤の攻防、吉田隼人も最終段階に向け好位置をキープする
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▲レース終盤、自ら積極的に仕掛ける畑中勇介
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▲ 木村圭佑も積極的に展開し重要な役割を果たした
※掲載写真はすべてHideaki TAKAGI:by http://www.cyclowired.jp/
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