新婦人創立50年の歴史と運動 8
「子どもの医療費無料の拡充を求めて」
渡部則子県本部副会長
「子どもの医療費6歳まで無料になるといいね」―2001年3月、県本部は乳幼児医療費無料化を拡大する署名運動に本腰を入れて取り組みました。
「子どもがアレルギーなので、3歳過ぎてもお金がかかるのよね」
「家賃も高いし、これから教育費もかかるし大変」
新婦人は、1968年から全国で乳幼児医療費無料化の運動に取り組んできました。少子化がすすむなか、2000年から01年にかけて、対象年齢の拡大が全国的流れになったものの、愛媛では他県のような所得制限もなく実施されているなどの理由で拡大の予定がありませんでした。
2001年、親子リズム小組の若いお母さんたちの声に、当時3歳未満までの助成を6歳(就学前)まで拡大しようと9月県議会に向け、全県で2万筆を目標に署名運動をスタート。
産婦人科、小児科、幼稚園、保育園や育児サークル、友好団体・女性団体、県内の女性議員など、あらゆるつながりを求め、訪問または郵送で署名への協力をお願いしました。
子どもの健診会場や公園・児童館などへ行ったり、「6」のつく日に該当での宣伝署名行動を組んだり、愛媛中央メーデーでは、当時流行っていた『とっとこハム太郎』の曲に合わせてアピールし、デコレーション部門で最優秀賞をいただくなど、新婦人らしく、楽しく取り組みました。
「用紙が足りないので持ってきて」という小児科からの電話や、小学校の個別懇談の教室前に置いていただいたPTA会長さんなどたくさんのみなさんの協力を得ました。そして会員・読者があちこち走り回り、全支部・県直班から署名が集まり、目標を大きくクリアすることができました。
9月16日、2万7102筆の署名を持って、30名のお母さんと子どもたちで県議会議長と懇談。継続審議となったものの、要請運動を続け、入院のみ就学前までの拡充が実現。その後の私たちのねばり強い運動で、2009年4月には通院も就学前までになり、県が拡充されたこどで県内各自治体も助成を広げています。
いま私たちは、中学校卒業までの医療費無料化の拡充や、国の制度創設を求めています。また、原発事故による福島の子どもたちへの健康不安に対し、18歳以下の子どもの医療費無料化を求める運動にも取り組んでいます。 「子どもの医療費の問題では新婦人」と言われるなか、さらに運動をすすめていきます。 (2012年5月13日付愛媛民報 寄稿)