夜の紫陽花銅の時代の続きをり 妻なき我れ紫陽花寺に吸い込まれ 紫陽花展稲畑汀子の菩薩顔 紫陽花に愛はあったか無かったか 紫陽花日記ガンとは悪魔の王とあり まず濡れて陽の当たりたる濃あじさい 紫陽花や人間は無罪と言い切れぬ 紫陽花は片道切符で見に行くもの この人を見よ紫陽花寺の放火犯 濃あじさい無呼吸症候群我れも 紫陽花をしかと見据えて母逝けり 紫陽花や俳人は廃人として去ぬべし 濃あじさいニュートラルといふ死のことば 紫陽花の偏在この世の明け初むる 午後二時のミネヤは紫陽花フリークなり
壁を叩けばあちらも叩く太宰の忌 津軽弁生涯抜けず太宰の忌 ブルジョアの暮らしは捨てよ太宰の忌 心中などしてまる裸太宰の忌 競馬好き太宰も好きと桜桃忌 AKB48の良き眺めあり桜桃忌 山口少年やっぱり来たか桜桃忌 北乃きいに誰かをかさね桜桃忌 少年のままでよかった太宰の忌 スマートホンで心中は無理太宰の忌 老犬が好きだったはず太宰の忌 フリードリヒ・ニーチェの「この人を見よ」太宰の忌 三島由紀夫にもう止めておけ太宰の忌 ファーストステージ胸撫で下ろす桜桃忌