秋惜しむマヒナと吉永小百合とも(『寒い朝』でレコード大賞GP) 秋終る猫とわたしの物語 東京に出て四十年刈田道 文化の日憲法いまだ定まらず スーパームーン十一月の遠ざかる(今年は11月14日) ニーチェにも背教の過去冬隣 十日夜ダークタワーの林立す 秋惜しむらくは豊洲に海がない 秋深しオザキ二世の硝子の眼 寒蝉やマツコ・デラックス絶叫す 敗荷にブローウィン・ザ・ウインド口ずさむ 鶏頭とダークタワーと世の終り 大糸瓜ぬっと顔出す痴呆の人
犬の日と名付けて青し十一月 十一月この泥濘を抜けてゆく 秋深し空缶一個を握りしめ 深秋の雨音は五寸釘のやう フィリピンパブ私はカモメ秋深し 水玉がまたひとつ消ゆ秋の底 ハロウィンこれは声無き声なのか 外れ馬券一枚の自由秋深む 無月なり進撃の巨人迫り来る コスプレの一群に我れ秋の暮 隣人の筋トレ続く夜長かな 単独者と呼ばれて久し秋の空 長き夜や渋谷紛れもなき渋谷 秋暮れて等身大の影を持つ 巨大クレーン闇に溶け込む夜半の秋 ハロウィーン最後の家族といふドラマ
ハロウィーン私は少年だったのか ハロウィーン徒歩一時間を生き通し ハロウィーン一夜明ければ青い空 仮面の告白私はあなたハロウィーン ハロウィーン猫は見ている幸せかい 人間の息吹きハロウィンの夢を見た 天と地と渋谷のすべてハロウィーン 猫と私とこの世の終りハロウィーン DJポリスの絶対自由ハロウィーン 厳然たる青降り注ぐハロウィーン