」また、末っ子とわたしと二人の週末だ。
なにする?
海に行こう!
伊東のマリンタウンという道の駅を目指す。
前日に某量販店にて、末っ子のTシャツを買うことに。
これにした。と、持ってきたのが、さっきまで、いいなぁと見ていたのと違う。
しかも、末っ子の趣味とはちょっと違う感じのなので、本当にこれでいいの?
と聞くと、
うん。こっちのほうが安いから。
との返事。
見てみると、こっち500円。本当にほしいやつ700円。
本当にほしいやつを買おう!!
と、言うと目が輝いた。
そんな事件があっての、マリンタウンである。
伊東マリンタウンは道の駅でもあり海の駅でもあるので、ヨットも出入りし遊覧船もある。
昼くらいに到着し、ラーメンを食べた。
遊覧船に乗りたいと末っ子が言う。
えー!と、看板を見ると大人1600円子供800円。
箱根の海賊船や足こぎアヒルボートの値段に比べたらべらぼうに安く感じて、
乗ろう!!
いきなり昨日のTシャツ事件から、本当にやりたいことをやるんだという英才教育月間の開始である。
えいや!と乗り込んだけど、お日さまはピカピカで波はゆったりとして、カモメの大群が手から餌を食べるし、ものすごく気持ち良かった。
まわりを見渡すと、家族連ればかりである。
母と子二人だけの旅人なんてあんまりいない。
いきなり脳裏に浮かぶのは、最後の贅沢旅行というシチュエーション。やりたいことをやりつくて、親子心中した親子。
そのやりたいことが700円のTシャツとラーメンと伊東の遊覧船
というシナリオが浮かび、自分で涙が出そうになる。
そう見ると、スタッフのお兄さんのカラ元気的能天気な観光案内アナウンスさえ胸に染み入る。
オヨヨヨ。
小さな女の子が、ペットボトルでジュースを飲んでいる。
お父さんとお母さんと二人がかりで、
はい。もう終わり。全部飲むとなくなっちゃうから。なくなっちゃうんだよ!
と、声をかけている。
おい、好きなだけ飲まさせておやりなさいよ。ジュースなんてわたしが買ってやってもいいぜ。
あんまり、ないないって言いなさんな!
もうすぐ、心中するつもりの母キャラクターの心の声が鳴り響く。
などと、思っている間に着岸。
アナウンス上手でしたよ。
と、下船の時にお兄さんに声をかけると、
いやー、適当っす!!
とデリカシーのない答え。
プンプン。いいもんね。
私らも心中ごっこは終わり。
さぁ!かーえろぅ!