4.やはり秋なわけで
秋田は高校を卒業して、大田区のチョコレート工場に就職した。
チョコレートメーカーだけあり、女性の登用を積極的に行なっていて、工場の向いに立つ本社には女性が多かった。
秋田は女を知らない。
興味がないわけではなかった。
スパンキーを率いていた高校時代に何人かに想いを告げられ、その後に付き合うこともあったが、それまでだった。
簡単な話だ。
入社後、秋田が最初に惹かれたのは、自身を含めたその年の人事採用担当をしていた福島恭子だった。
恭子は大卒4年目なので、7年年上になる。
恭子はモデル体型のロングヘアーで、かつ知的な雰囲気を兼ね備えていて、その存在に男性社員、いやこの世の男性のほとんどが虜となった。
スパンキー時代のツレの山形が言っていた。
「何ちゃらは3日で飽きるけど、美人は飽きねえよ。」
しかし、入社以来、恭子とは接点がまるでない。
ある時工場で噂を耳にした。
「恭子さんは営業部のエースと言われる男と結婚を前提に付き合っている。」
秋田はその噂を耳にすると、その衝撃に呆然となった…わけはなく、やはり恭子への想いが成層圏に達する程弾けては消えた。
秋田に失恋などない。
何とも簡単な話だ。
時は流れ、入社して半年経った頃だった。その日の業務終了後、秋田が工場を出ると、小走りで秋田に近づいて来る女に声を掛けられた。
「秋田くんだよね。久しぶり。同じ会社なのになかなか会えないよね。」
女の事は知っていた。
同期入社で、福島恭子と同じ人事部に配属された角館莉緒(かくのだてRio)だ。
大卒なので秋田の4年年上になる。
確かポルトガル人とのハーフで、秋田の印象では美人というよりチャーミングだ。
年上だが人懐こい。
「莉緒さんっすね。久しぶりです。」
必死に笑顔を製造した。その笑顔はおそらく仕損品だった。
莉緒がすかさず続いた。、
「同期なんだから莉緒でいいよ。よし、今日は飲みに行こう。」
「はあ。」
秋田は莉緒の勢いに負けた。喧嘩は強いが、女には弱いらしい。
2人は意気投合し、あくまでも莉緒の印象だが、それでもその夜秋田は莉緒を抱いた。
それでも秋田は秋田だ。
積極的に奉仕をする莉緒の中で何度か折れた。緊張ではない。
そして、マウントポジションをとる莉緒の下で、思い通りに、独りよがりに爆ぜた。
勿体ないが簡単な話だ。
その後、秋田はチョコレート工場を退職した。
それは簡単な話だ。
出雲に出かけてしまい、神がいない月の事だった。
いつかにつづく
長くてすみません。
秋田は高校を卒業して、大田区のチョコレート工場に就職した。
チョコレートメーカーだけあり、女性の登用を積極的に行なっていて、工場の向いに立つ本社には女性が多かった。
秋田は女を知らない。
興味がないわけではなかった。
スパンキーを率いていた高校時代に何人かに想いを告げられ、その後に付き合うこともあったが、それまでだった。
簡単な話だ。
入社後、秋田が最初に惹かれたのは、自身を含めたその年の人事採用担当をしていた福島恭子だった。
恭子は大卒4年目なので、7年年上になる。
恭子はモデル体型のロングヘアーで、かつ知的な雰囲気を兼ね備えていて、その存在に男性社員、いやこの世の男性のほとんどが虜となった。
スパンキー時代のツレの山形が言っていた。
「何ちゃらは3日で飽きるけど、美人は飽きねえよ。」
しかし、入社以来、恭子とは接点がまるでない。
ある時工場で噂を耳にした。
「恭子さんは営業部のエースと言われる男と結婚を前提に付き合っている。」
秋田はその噂を耳にすると、その衝撃に呆然となった…わけはなく、やはり恭子への想いが成層圏に達する程弾けては消えた。
秋田に失恋などない。
何とも簡単な話だ。
時は流れ、入社して半年経った頃だった。その日の業務終了後、秋田が工場を出ると、小走りで秋田に近づいて来る女に声を掛けられた。
「秋田くんだよね。久しぶり。同じ会社なのになかなか会えないよね。」
女の事は知っていた。
同期入社で、福島恭子と同じ人事部に配属された角館莉緒(かくのだてRio)だ。
大卒なので秋田の4年年上になる。
確かポルトガル人とのハーフで、秋田の印象では美人というよりチャーミングだ。
年上だが人懐こい。
「莉緒さんっすね。久しぶりです。」
必死に笑顔を製造した。その笑顔はおそらく仕損品だった。
莉緒がすかさず続いた。、
「同期なんだから莉緒でいいよ。よし、今日は飲みに行こう。」
「はあ。」
秋田は莉緒の勢いに負けた。喧嘩は強いが、女には弱いらしい。
2人は意気投合し、あくまでも莉緒の印象だが、それでもその夜秋田は莉緒を抱いた。
それでも秋田は秋田だ。
積極的に奉仕をする莉緒の中で何度か折れた。緊張ではない。
そして、マウントポジションをとる莉緒の下で、思い通りに、独りよがりに爆ぜた。
勿体ないが簡単な話だ。
その後、秋田はチョコレート工場を退職した。
それは簡単な話だ。
出雲に出かけてしまい、神がいない月の事だった。
いつかにつづく
長くてすみません。