かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

私の心象風景(岐阜大学跡)

2007-11-03 | ありふれた日常

 実家のすぐ隣に昭和57年頃まで岐阜大学農学部・工学部(旧岐阜高等農林学校)のキャンパスがありました。跡地は現在、各務原市の市民公園になっていますが、大正期に建てられた木造校舎はすべて取り壊され、かつてここに大学が存在した痕跡は何一つ残っていません。  
 大学のキャンパスは、子どもにとっては格好の遊び場で、古い木造校舎を探検をしたり、広い芝生の洋風庭園や池で毎日のように遊んでいました。またどこへ行くにも大学構内を抜けると都合が良かったので、私にとって大学は通学路や遊び場として、非常に身近な当たり前の存在でした。思えば少年時代に見慣れた大学の木造校舎が、心象風景として強く心に焼き付けられ、近代建築への思いを培ったようで、いつの間にか明治~昭和に建てられた古い建築の持つ独特の雰囲気が大好きになっていました。
 秋の連休の一日、私の近代建築への興味の出発点になった思い出の場所を改めて訪ねてみました。

    

 ●公園の片隅に建てられた学園跡碑

        

●昭和9年当時のキャンパスの全景
 私が遊んでいた頃(昭和40年代)の建物の配置とほとんど変わりません。中央のコの字型の建物が本館で、左側の講堂とつながっています。手前右隅が洋風庭園で、築山や池を配した日本風庭園もありました。

 ●よく遊んだ洋風庭園跡  石畳と階段は当時のままです。石畳の奥は本館へと続いていました。(写真左)  現在はモニュメントが建っていますが、かつての庭園の配置が残っています。(写真右)

 ●右奥の木立の辺りが築山の跡。芝生で野球をしたり、かくれんぼをして遊びました。

●本館のあった辺り。樹木はほとんど当時のまま残され、緑に囲まれた気持ちのよい公園になっています。