地下鉄駅の上屋で、ここまで凝った意匠を施した様式建築は他には見当たりません。石貼りの外壁に国会議事堂を思わせるピラミッド風の段状屋根、軒廻りの古典系装飾、出入り口の両脇のオーダー(円柱)など、小さな駅舎ながら見どころいっぱいです。
たかが小さな地下鉄の駅舎にここまで入念なデザインが施されたのは、駅舎の敷地が当時宮内庁の管轄下にあったためで、御料地の下を通る地下鉄の駅舎には、それ相応の威厳と格式が求められたというわけです。
平成9年(1997)京成博物館動物園駅廃止にともない出入り口も閉鎖されたため、内部のパンテオン神殿風ドームが見られらないのは残念ですが、列車通過の際にはかつての駅の様子を垣間見ることができます。
■国会議事堂と並び、石造りの「東京二大墓石建築」と言われています
■旧京成博物館動物園駅/台東区上野公園13
竣工:昭和8年(1933)
設計:中川俊二
施工:不詳
構造:RC造平屋
撮影:2017/08/12
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