shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

白山 初秋の中宮道を歩く(その④ ゴマ平避難小屋~北弥陀ヶ原)

2024-09-03 05:30:00 | 山行・旅行
この記事は白山 初秋の中宮道を歩く(その③ シナノキ平避難小屋~ゴマ平避難小屋)の続きです。
植物の名前は分かった時点で書き加えています。


(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
          

山行2日目(8月25日)の朝は4時頃に目が覚めた。どんなふうにして目覚めたかというと、寝返りを打とうとして左脚の太股がつって目が覚めた。
幸いその後の痛みがなかったので、明るくなるのを待ってゆっくり起き上がった。

朝食に石焼き釜で焼いたクルミパンを食べた。喉に少し痛みがあったため葛根湯と、太股の痙攣を防ぐため芍薬甘草湯を飲んだ。ビタミン剤も服用した。情けないことに、最近は山へ出かけるごとに持参する薬が増えている。単独行なのでやむを得ないと納得する。

出かける前に水を汲みにいった。顔もそこで洗った。今度はカメラを持参した。


付近に背丈が1mを越えるセリ科の花や、アザミの仲間が咲いていた。
 

小屋の中を掃除して、戸締まりを確認し、ドアをしっかり閉めて6時12分に小屋を出た。空は曇っていて風はなかった。
 

小屋を出てしばらく、等高線の混み具合通りの急登が続いた。写真を撮りながらゆっくり登った。
アザミが多く観られた。種名は分からない。総苞片が長いのでハクサンアザミではなさそうだった。


カニコウモリ(キク科コウモリソウ属)が観られた。先に観たオオカニコウモリとは葉の形が違う。


こちらはコミヤマカタバミ(カタバミ科カタバミ属)だ。白い花が咲くのは6~7月なので、今は葉が茂っているだけだった。


こちらはサラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)だ。この後も何度か観られた。
 

ウメバチソウ(ニシキギ科ウメバチソウ属)が咲いていた。この花は初秋に咲き始める。これから数が増えていくだろう。
 

トリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)の仲間も観られた。この花も秋の花だ。
 

ゴマナ(キク科シオン属)も咲いていた。やはり秋に観られる。白山では主に山地帯の花だ。


アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)は広い範囲で咲いていた。


この小さな花はヤマムグラ(アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属)に似ているが、花期が違う。名前が分からなかった。
⇒山歩きさんからエゾノヨツバムグラではないかと示唆いただきました。調べたところそのように思われました。山歩きさんありがとうございました。
 

30分ほどかけて急登を登り終えた。するとアキノキリンソウに虫こぶが付いていた。この付近で観られたアキノキリンソウのうち、およそ3割に虫こぶが観られた。


前方の山に雲がかかってきていた。雨になりそうな気配がしたので、ザックにカバーを掛けた。朝露で濡れるのを防ぐため、レインパンツは小屋を出る前に履いてきた。後はレインジャケットを着ればオーケーだ。ジャケットはザックカバーに挟んでいつでも取り出せるようにしておいた。


道は傾斜が緩やかで歩きやすい。斜面に生えたダケカンバが傾いていて、積雪が多いことが分かる。
 

その後空が明るくなってきた。雨に打たれずに済んだ。正面に見える山は剣ヶ峰(2677m)のようだ。


ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)がたくさん咲いていた。
 

綿毛になっているのは、ミヤマコウゾリナ(キク科コウゾリナ属)のように思えた。
 

オヤマリンドウもたくさん咲いていた。
 

このセリ科の花はミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)のように思ったが、未だセリ科は自信がない。
⇒モウズイカさんからイブキゼリモドキだと教えていただきました。モウズイカさんありがとうございました。
 

目の前の山は巻いていく2077mのピークのようだ。稜線の西側に高い樹が見られるが、東側は笹原になっている。亜高山帯に入ったと言ってよさそうだ。


右(西)の方に仙人谷を挟んで火の御子峰(標高2004m)から続く峰が見えたきた。白山の中でもっとも荒々しいところだ。手前の樹はアオモリトドマツのように見えた。
 

刈り払いされている登山道の脇には陽が当たるので、様々な植物だ観られた。
シラタマノキ(ツツジ科シラタマノキ属)が実をつけていた。


オヤマリンドウがたくさん咲いていた。写真もたくさん撮ってしまった。
 

こちらはオンタデ(タデ科オンタデ属)の雌株。雄株の写真はここでは撮り忘れた。
 

ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)。


ムシカリの赤い実。


草が伸びているが平坦な道が続いた。東側には幻想的な景色が広がっていた。
 

目の前に間名古の頭(標高2134m)が見えてきた。山頂は通らず西側を巻いていく。


この先三俣峠までの間に、たくさんの種類の花が咲いていた。
ヒトツバヨモギ(キク科ヨモギ属)は、晩夏から初秋に咲く。


このアザミの仲間は今が盛期のようだ。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)は盛夏の花だ。そろそろ花期が終わる。。


カライトソウ(バラ科バラ亜科ワレモコウ属)も盛夏の花だ。


イワショウブ(チシマゼキショウ科イワショウブ属)は晩夏に咲く花だ。これまで白山であまり観ていなかったので嬉しかった。
 

7時56分に三俣峠を通過した。室堂まで残り8kmだ。この様子なら時間に余裕が持てそうだった。


間名古の頭は巻いていくのでたいした登りはない。その先うぐいす平までが登りとなる。
 

途中でゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属)がきれいな実をつけていた。


こちらはサラシナショウマとヒトツバヨモギ。


ゼンテイカ(別名ニッコウキスゲ、ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)の果実のようだ。たくさん観られた。


オヤマリンドウとヤマハハコ。
 

巻き道は時々足場が悪いところがあった。


下ばかり気をつけていると、頭を打つ(実際にぶつけた)。


先ほどはオンタデの雌株をご覧いただいたが、こちらは雄株。


うぐいす平への登りはずっと草に被われていた。しかしそれほど苦にならなかった。
 

ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)の残花を観た。


途中この辺りがうぐいす平かと思うところでザックを下ろし休憩した。その後すぐにこの標柱が現れた。室堂まで6.3kmとなった。


うぐいす平で休憩したので、次の休憩は北弥陀ヶ原になる。
さて、クイズのようで恐縮だが、この赤い実は何だろう?


次の2つの写真をご覧になると、お分かりの方も多いのではないだろうか。
 

オオバタケシマラン(ユリ科タケシマラン属)のように思ったが、実のところ写真でしか見ていないので自信はない。葉が茎を抱くのが特徴だ。
白山に自生しているのは確かだが、まだ花を観ていない。今度はぜひ花を観たいものだ。

続いてはマイヅルソウの果実で、ここでもまだ赤くなっていなかった。


地獄覗は間近に荒々しい火の御子峰が観られる場所だが、ガスで何も見えなかった。うぐいす平から100m進んだので、室堂まで6.2kmになっていた。


このイチゴはノウゴウイチゴ(バラ科オランダイチゴ属)かもしれない。


ずっと陽当りのよい斜面で、お花畑の跡が続いていた。


葉縁に黒点があるので、シナノオトギリ(オトギリソウ科オトギリソウ属)のようだった。


花が頭頂にまとめてついているので、ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)と言えそうだ。
 

アザミの仲間。


目の前の稜線にガスがかかり始めた。今度こそ雨になるかもしれない。


ハクサンフウロの残花。


クロマメノキ(ツツジ科スノキ属)の果実。葉も色付き始めていた。


シラタマノキの果実。


アカモノ(ツツジ科シラタマノキ属)の果実。
 

ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)。


この辺りでは他に、ヤマハハコ、ミヤマセンキュウ?、ミヤマキンポウゲ、ヒトツバヨモギの花がたくさん観られた。また花が終わったノギラン、コバイケイソウなどの群落も観られた。
花の最盛期に来たら、さぞかし素晴しいお花畑が観られることだろう。7月にぜひとも歩いてみたいと思った。
 

 

そろそろ弥陀ヶ原にさしかかる所で、サンカヨウ(メギ科サンカヨウ属)の果実が観られた。


ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)が赤い実をたくさんつけていた。


10時35分に北弥陀ヶ原に到着した。誰もいないので木道の上にザックを下ろした。ここまで雨に打たれずに来られてラッキーだった。
 

白山 初秋の中宮道を歩く(その⑤ 北弥陀ヶ原~室堂) に続く。
コメント (12)
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