この記事は白山 初秋の中宮道を歩く(その⑤ 北弥陀ヶ原~室堂)の続きです。
植物の名前は分かった時点で書き加えています。
(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
室堂に宿泊するのは1年ぶりだった。
近づいてくる台風と雨の予報のため、日曜だというのに泊まり客が少なかった。夕食の時間まで濡れた衣類を乾かしたりして過ごした。
夕食でご飯と味噌汁をおかわりした。食欲旺盛だ。食後は特にすることがないので、歯磨きをして消灯時間の前に眠りについた。
翌朝暗いうちに山頂まで登る団体客の喧噪で目覚めた。雨は降っていなかったが天気予報は曇りで、実際曇っていた。お日の出(白山ではご来光のことをそう呼ぶ)は期待できそうになかった。
結局5時過ぎまで横になって過ごした。
食事は6時からなので、その前に室堂周辺を散策した。
曇ってはいたが山頂がよく見えた。今からでも登れるがお日の出には間に合わない。それに山頂に着いた時に晴れているとは限らない。
後から聞いたところでは、お日の出は雲に隠れて観られなかったそうだ。また北アルプス方面はずっと観られなかったらしい。
いずれにしても6時に食事を食べて、すぐに下山するつもりだったので、散策を6時前に切り上げることにした。
(写真は白山比咩神社奥宮と室堂ビジターセンター)
宿泊棟を出ると目の前にミヤマアキノキリンソウ、ヤマハハコなどが咲いていた。
ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)。
ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)。
ゴマナ(キク科シオン属)。
ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)の残花。
タテヤマアザミ(キク科アザミ属)。
オンタデ(タデ科オンタデ属)の雌株。
ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)。
ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草)。
ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)。
イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)。
ハクサンイチゴツナギ(イネ科イチゴツナギ属)かもしれないが、よく分からなかった。
20分ほど散策して室堂センターに戻ってきた。御前峰にガスがかかり始めていた。
朝食を終え、身支度を調えて6時30分に室堂センターを出た。センターの前にトリカブトの仲間が咲いていた。空はどんより曇っていた。
五葉坂を下っていくと眼下に雨雲が漂って見えた。いずれ雨が降りそうだった。
弥陀ヶ原を足速に通り過ぎた。
そして黒ボコ岩の所でザックから雨具を出し、ザックにレインカバーを着けた。
十二曲りを下り始めると程なくして雨が降ってきた。雨に濡れている石段は滑りやすい。足元に気をつけて下りた。延命水は一口だけ飲んで先を急いだ。
シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)。
ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)。
ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属)。
ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)。
カライトソウ(バラ科バラ亜科ワレモコウ属)。
サラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)。
7時28分、南竜分岐まで下りてきた。眼下に甚ノ助避難小屋が見えていた。
7時45分、甚ノ助避難小屋に到着。中を覗いたら人がいっぱいだった。
この辺りから山地帯に入っていく。次々と登ってくるハイカーとすれ違った。地元ではマイカー規制のない平日に日帰りで登る人が多い。
8時過ぎに雨が上がった。眼下に虹が見えた。
8時21分、別当覗まで下りてきた。観光新道の尾根がくっきり見えていた。
ハクサンカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)。
ノコンギク(キク科シオン属)の仲間。
ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)のように思えた。
キツリフネ(キク科キオン属)。
ツルニンジン(キキョウ科ツルニンジン属)のように思えたが、自信がない。
ソバナ(キキョウ科ツリガネニンジン属)のように思えたが、自信がない。
キオン(キク科キオン属)。
9時に中飯場に到着し、ザックを下ろして休憩した。ここからは概ね歩きやすい道が続いている。
アキギリ(シソ科アキギリ属)の仲間。
この階段で転びそうになった。何でもないところでも油断できない。
再びキツリフネ。
吊り橋が見えてきた。最後まで慎重に歩こう。
その吊り橋を渡ってゴールだ。
深く一礼して鳥居をくぐった。
9時47分、別当出合に到着した。
その後、10時発のバスで市ノ瀬まで移動。市ノ瀬では陽射しが出ていて暑かった。市ノ瀬ビジターセンターに立ち寄り、レンジャーの方に中宮道の情報を伝えた。
11時20分、白山温泉永井旅館で3日ぶりにお風呂をいただいた。市ノ瀬休憩所でカップ麺を食べて、再びビジターセンターに入り時間を潰した。
13時30分、金沢駅行きのバスに乗車。東京から来ていた高校の登山部の一行と一緒だった。金沢駅でIRいしかわ鉄道に乗り換え小松で下車。17時前に予約していた駅前のホテルにチェックインした。
(小松空港から観た白山)
翌朝ネットで配信されたニュースを見て驚いた。
下山した同じ日に、白山から下山中の64歳の男性が滑落して死亡したとのこと。場所は平瀬道の標高2200m付近というから、カンクラ雪渓をトラバースする辺りだと思った。今の時期に雪はないが傾斜が急な斜面を渡ることに変わりはない。8人パーティーだったとのこと。
ご冥福をお祈り申し上げる。
白山 初秋の中宮道を歩く(完)
植物の名前は分かった時点で書き加えています。
(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
室堂に宿泊するのは1年ぶりだった。
近づいてくる台風と雨の予報のため、日曜だというのに泊まり客が少なかった。夕食の時間まで濡れた衣類を乾かしたりして過ごした。
夕食でご飯と味噌汁をおかわりした。食欲旺盛だ。食後は特にすることがないので、歯磨きをして消灯時間の前に眠りについた。
翌朝暗いうちに山頂まで登る団体客の喧噪で目覚めた。雨は降っていなかったが天気予報は曇りで、実際曇っていた。お日の出(白山ではご来光のことをそう呼ぶ)は期待できそうになかった。
結局5時過ぎまで横になって過ごした。
食事は6時からなので、その前に室堂周辺を散策した。
曇ってはいたが山頂がよく見えた。今からでも登れるがお日の出には間に合わない。それに山頂に着いた時に晴れているとは限らない。
後から聞いたところでは、お日の出は雲に隠れて観られなかったそうだ。また北アルプス方面はずっと観られなかったらしい。
いずれにしても6時に食事を食べて、すぐに下山するつもりだったので、散策を6時前に切り上げることにした。
(写真は白山比咩神社奥宮と室堂ビジターセンター)
宿泊棟を出ると目の前にミヤマアキノキリンソウ、ヤマハハコなどが咲いていた。
ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)。
ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)。
ゴマナ(キク科シオン属)。
ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)の残花。
タテヤマアザミ(キク科アザミ属)。
オンタデ(タデ科オンタデ属)の雌株。
ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)。
ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草)。
ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)。
イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)。
ハクサンイチゴツナギ(イネ科イチゴツナギ属)かもしれないが、よく分からなかった。
20分ほど散策して室堂センターに戻ってきた。御前峰にガスがかかり始めていた。
朝食を終え、身支度を調えて6時30分に室堂センターを出た。センターの前にトリカブトの仲間が咲いていた。空はどんより曇っていた。
五葉坂を下っていくと眼下に雨雲が漂って見えた。いずれ雨が降りそうだった。
弥陀ヶ原を足速に通り過ぎた。
そして黒ボコ岩の所でザックから雨具を出し、ザックにレインカバーを着けた。
十二曲りを下り始めると程なくして雨が降ってきた。雨に濡れている石段は滑りやすい。足元に気をつけて下りた。延命水は一口だけ飲んで先を急いだ。
シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)。
ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)。
ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属)。
ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)。
カライトソウ(バラ科バラ亜科ワレモコウ属)。
サラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)。
7時28分、南竜分岐まで下りてきた。眼下に甚ノ助避難小屋が見えていた。
7時45分、甚ノ助避難小屋に到着。中を覗いたら人がいっぱいだった。
この辺りから山地帯に入っていく。次々と登ってくるハイカーとすれ違った。地元ではマイカー規制のない平日に日帰りで登る人が多い。
8時過ぎに雨が上がった。眼下に虹が見えた。
8時21分、別当覗まで下りてきた。観光新道の尾根がくっきり見えていた。
ハクサンカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)。
ノコンギク(キク科シオン属)の仲間。
ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)のように思えた。
キツリフネ(キク科キオン属)。
ツルニンジン(キキョウ科ツルニンジン属)のように思えたが、自信がない。
ソバナ(キキョウ科ツリガネニンジン属)のように思えたが、自信がない。
キオン(キク科キオン属)。
9時に中飯場に到着し、ザックを下ろして休憩した。ここからは概ね歩きやすい道が続いている。
アキギリ(シソ科アキギリ属)の仲間。
この階段で転びそうになった。何でもないところでも油断できない。
再びキツリフネ。
吊り橋が見えてきた。最後まで慎重に歩こう。
その吊り橋を渡ってゴールだ。
深く一礼して鳥居をくぐった。
9時47分、別当出合に到着した。
その後、10時発のバスで市ノ瀬まで移動。市ノ瀬では陽射しが出ていて暑かった。市ノ瀬ビジターセンターに立ち寄り、レンジャーの方に中宮道の情報を伝えた。
11時20分、白山温泉永井旅館で3日ぶりにお風呂をいただいた。市ノ瀬休憩所でカップ麺を食べて、再びビジターセンターに入り時間を潰した。
13時30分、金沢駅行きのバスに乗車。東京から来ていた高校の登山部の一行と一緒だった。金沢駅でIRいしかわ鉄道に乗り換え小松で下車。17時前に予約していた駅前のホテルにチェックインした。
(小松空港から観た白山)
翌朝ネットで配信されたニュースを見て驚いた。
下山した同じ日に、白山から下山中の64歳の男性が滑落して死亡したとのこと。場所は平瀬道の標高2200m付近というから、カンクラ雪渓をトラバースする辺りだと思った。今の時期に雪はないが傾斜が急な斜面を渡ることに変わりはない。8人パーティーだったとのこと。
ご冥福をお祈り申し上げる。
白山 初秋の中宮道を歩く(完)
御日の出が望めないなら山頂はパスする。何度も登られており、今後も登り続ける方の余裕ですね。折角来たのだから雨も降っていないから登ってみよう、と思うのが一般的かと思います。
下山は砂防新道かと思われます。2019年7月13日~14日の山行で覚えている地名、弥陀ヶ原、黒ボコ岩、一二曲り、甚之助小屋、中飯場・・・懐かしいです。砂防工事の際実際に飯場があったとか。その砂防工事はダムなど大規模なものらしいですね。
室堂センター発6時30分、別当出合着9時47分なので3時間17分ですね。参考までにと、私の足取りを調べたところ、10時から14時までの丁度4時間でした。それほどの鈍足ではないですが、5年前のことですから今は歩けるかどうかです。
下山して温泉で汗を流し、ビールかと思いきやカップ麺でしたか。IRいしかわ鉄道とは、北陸新幹線延伸に伴い民営化された、元北陸本線のことかと思います。新幹線開通前の北陸本線は特急列車がバンバン走る、鉄道好きにはたまらない路線でした。私もその一員です。
マイカー利用ですと往復する必要がありますが、バス・電車などを使えれば行動範囲がぐっと広がりますし、途中での飲酒も楽しめますね。
ブログの執筆が室堂に到着した後進まず、間が空いてしまいました。このままではいけないと思い、今早朝に何とか仕上げた次第です。
今回の山行は中宮道を歩くのが主目的でした。それでも室堂に着く前に御前峰を登っておけばよかったと、後から思いました。
室堂に着いた後は登るのが億劫になり、だらだら時間を過ごしていました。
空荷だったら1時間あまりで往復できたと思います。行ってもよかったかもしれません。
それと、帰りのバスの時刻を勘違いしていました。12時30分発の金沢駅行きがあると思っていました。
12時30分発は8月13日で終わっていました。だったら朝に登ることも十分できました。
下りは別当出合を10時に出るバスに合わせていました。乗り遅れれば10時30分発があるので、それでもお風呂に入る時間は十分あると思っていました。
市ノ瀬に食堂はありません。食事は自分で用意するしかないのです。それでカップ麺を持参しました。
後から知ったのですが、永井旅館でカップ麺を売っていました。何も持っていく必要はありませんでした。
IRいしかわ鉄道に乗るのは初めてで、JR時代より駅の数が増えたように思います。
山歩きさんは鉄道ファンでしたか。知りませんでした。
ビールを飲むのは夕食まで我慢しました。
雨に合わなくても濃霧で衣服が濡れる経験は私もあります。
『濡れた衣類を乾かしたりした』とありますが、山荘では、ストーブが焚かれて居たのですか?
宿泊棟付近は初秋の高山植物で、お花畑の様ですネ。
ヤマハハコの下の花はゴマナですか?
ツルニンジンにはバアソブとジイソブが在りますネ。
少し小ぶりのツルニンジン・バアソブは霧ヶ峰高原で良く見かけました。
蕾のうちは判りずらいですネ。
久しぶりに懐かしい高山の植物を沢山拝見出来て楽しかったです。
登山は天候が悪かったり、足場が悪かったりすると思いがけない事故に繋がり
山岳を熟知して居ても注意は必要ですネ。
今回は初日、2日目、3日目共に雨に遭いました。一番困るのが靴が濡れることですね。
室堂には乾燥室があります。そこに干しておくと数時間で乾きます。
ヤマハハコの次の花はゴマナです。弥陀ヶ原の花もゴマナです。
名前を書き忘れましたので、書き加えました。
ツルニンジンのことは詳しくありません。
ウィキペディアを見ると、別名としてジイソブが挙げられていました。
それ以上のことが分からないので、申し訳ありません。
このところ遭難のニュースを相次いで見ています。
遭難された方は50代、60代ばかりでした。
山のことを知るのは勿論ですが、それ以前に自分の力量を知ることが肝要だと思いました。
台風が近づいていたので心配しましたが、大雨にも遭わず下山されて良かったです。
さすが、天候の判断が適切でいらっしゃいますね!
それでも下山途中で見られた花を丁寧に撮られていて、感服いたします。
今回の白山、高山から低山に咲く色々な花たちを見せてくださってありがとうございました。
SHUの白山花図鑑にされることをお勧めします!
>最後まで花がいっぱい... への返信
コメントありがとうございます。
3日間とも雨に打たれましたが、いずれも短時間で済んでよかったです。
予め決めていた日程でしたので、ある意味運がよかったようにも思います。
これが台風の最中だったりしたら、予定をキャンセルしていました。
今回使ったカメラは完全防水なので、雨の心配が要りませんでした。
何枚かはレンズが曇って撮り直しました。雨の日の撮影はやはり億劫です。
今回撮った写真をもとに『白山花日記』を再編集します。
昨日から作業に取りかかりました。
図鑑にはなりませんが、撮影場所、撮影日時を入れてますので、どなたかの山行計画のお役に立てれば幸いです。
ハクサンフウロ、タテヤマアザミ、ミヤマセンキュウ、ハクサンカメバヒキオコシetc・・・
麓では見ないような名前が多いのを感じます。
撮られた花の種類、相当な数なのでは
室堂
立山を思い浮かべるんですが、白山にもあるんですね。
地形的に同じような場所なのでしょうか?
山の遭難、
shuさん、単独で行かれることが多いので、
気を付けてくださいね。
私の小さな話ですが、頭の手術以来、駅の階段など、
掴まれるように端をあるいています。
>おはようございます^^... への返信
コメントありがとうございます。
今回撮った写真は、飛行機から撮ったものを含めて900枚あまりありました。
その半分以上がお花の写真でした。
これからさらに整理して、『白山花紀行』に使っていこうと思います。
室堂は、もともとの意味が修験者が宿泊したり祈祷を行ったりする堂のことです。
現在名前が残っているのは、立山と白山の他に、福井県に2ヶ所あるようです。
堂を建てるためには平坦な地形の方がよいので、立山室堂も白山室堂も平らな地形にあります。
その平らな所を室堂平と呼ぶようになったのは自然なことでしょう。
ですから、立山にも白山にも室堂平があります。
面白いのは両者の標高です。立山室堂、白山室堂共に標高が2450mのところにあります。
そこから立山の場合は雄山まで2時間ほどかかり、白山の場合は御前峰まで1時間足らずで行けます。
街中でも段差があったり、冬だったら凍結していたりして危険がありますよね。
気をつけることに越したことはありません。
安全第一ですね。
お疲れさまでした。
>下山... への返信
コメントありがとうございます。
無事に下山できました。
砂防新道はよく整備されていて歩きやすいですが、雨に濡れた石段が滑るので注意して歩きました。
以前転倒してメガネを壊したことがあります。