shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)お花見ハイキング(その③)

2024-07-03 05:30:04 | 山行・旅行
この記事は『四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)お花見ハイキング(その②)』の続きです。

(地図をクリックすると大きくなります。)


中四阿を過ぎると、しばらくオオシラビソの間の道を歩き、やがて新旧二つの道標を見た。
 

地図を照らすと南へ進む道がここで分岐していた。
これまで観られなかったイワカガミ、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナが観られるようになった。中でも岩の間に咲いていたゴゼンタチバナがきれいだった。
・イワカガミ(岩鏡、Schizocodon soldanelloides、イワウメ科イワカガミ属の多年草)


・マイヅルソウ(舞鶴草、Maianthemum dilatatum、キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属の多年草)


・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)




分岐点の標高は2215mほどあり、既に根子岳(標高2207m)の高さを越えていた。眼下に根子岳の緩やかな尾根が見えていた。


さらに15分ほど歩くと根子岳との分岐に着いた。
 

分岐の近くにもたくさんの花が咲いていた。
・コケモモ(苔桃、Vaccinium vitis-idae、ツツジ科スノキ属の常緑小低木)




・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)


・マイヅルソウ(舞鶴草、Maianthemum dilatatum、キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属の多年草)


・イワカガミ(岩鏡、Schizocodon soldanelloides、イワウメ科イワカガミ属の多年草)




ここまで来ると山頂は近い。
あとは深田久弥氏が言う「乳首のような頂上」に向けて「最後の一頑張り」をするだけだった。
5年前に来た時はこの辺りから雪が深くなり、ワカンを装着した。しかし夏道では木段になっているとは意外だった。

木段の途中に右への分岐があり、標柱が立っていた。登る際には見えたのは「植生復元作業をしています。木道から外れた所に踏み込まないで下さい」の表示だったが、下りの際に見ると「鳥居峠7.2km」と記されていた。
この道は「ぐんま県境稜線トレイル」に指定されている、100kmものロングトレイルの一部である。いずれ歩いてみたい道である。
 

さて最後の一頑張りを終えて、9時22分に四阿山の山頂に立った。
手前に信州祠、奥に上州祠の二つの祠があり、その間に山頂の標柱が立っていた。
 

四阿山の名前の由来だが、「日本百名山」には二つの由来が書かれている。
一つは「日本武尊が東征からの帰り、鳥居峠の上に立って東を振り返り、弟橘姫を偲んで「吾妻はや」と嘆かれた。そこで峠のすぐ北にそびえる山を吾妻山と名づけた、と言われる。(中略)上州の吾妻山は信州では四阿山と呼ばれる」。
もう一つは「山の形があずまや(四方の柱だけで、壁がなく、四方葺きおろし屋根の小屋。庭園などの休憩所とする)の屋根に似ているところから、その名が由来したと言われる」と書いている。

天候は下り坂で、先ほどまで見えたいた北アルプスはおろか、戸隠や志賀高原の山々すら見えなくなっていた。
山頂付近ではクロマメノキ、マイヅルソウ、イワカガミ、ツマトリソウが観られた。もう一つたくさん咲いていたのがこの花だった。
・セイヨウタンポポ(西洋蒲公英、、キク科タンポポ属の多年草)
総苞外片は色が淡く、つぼみの時に下方へ反り返る(在来タンポポ類では反り返らない)。


山頂に10分ほどいて、根子岳との分岐まで下って昼食を摂った。この日は保温水筒に入れてきたお湯をガスコンロで沸かして、カップ麺を食べた。
休んでいる間に何組かのハイカーが通過していったが、根子岳から登ってきた人は、概ね疲れた顔に見えた。
先に述べたように、根子岳との間には大隙間(大隙間爆裂火口)と言われる鞍部がある。ここから240mほど下り、170mほど登り直さなければならない。
さあ、頑張ろう。

四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)お花見ハイキング(その④)に続く。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます^^ (attsu1)
2024-07-03 06:55:06
マイヅルソウ、
ホームグラウンドでも見るんですが、日陰で
ひっそりと咲いているイメージなんです。
山で咲いていると、余計可愛く咲いているように見えます。

イワカガミ
私の見るイワカガミは、かたくりの里と言う、
毎年、山野草を見るところで、見るだけなので、
3月に咲く花と覚えてしまっているんですが、
高い山だと今時期咲くんですね。
標高の高さと、気温の低さを感じます。

山で食べるカップ麺は、家で食べるより、
美味しそうです^^
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attsu1さん おはようございます (shu)
2024-07-03 08:24:34
コメントありがとうございます。
四阿山の名前の由来を書いておきました。
どちらが本当か分かりませんが、日本武尊の東征にまつわる地名は多いですね。

マイヅルソウがホームセンターでも売っているのですか。
山野草を自宅で育てるのは難しいように思います。
山道でよく見かけますが、冷涼な場所ばかりです。

イワカガミは雪解け直後に咲く花なので、雪解けの時期によって咲く時期が違いますね。
遅いところでは8月に咲き出しています。

カップ麺を家で食べるのは稀です。あまり記憶がありません。
最近は保温水筒に熱湯を入れていき、コンロを使わないことが多いです。
今回は自宅から遠かったので、コンロでお湯を温めました。
と言っても数十秒で沸騰してしまいました。
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Unknown (山歩き)
2024-07-03 08:43:24
shuさんこんにちは。私はタンポポに対し、外来種という悪いイメージが強く、写すことは殆どありません。綺麗だと思って写してもブログに載せたことはありません。
東北地方で見られる在来種は、主にエゾタンポポのようです。総苞の違いで区別出来ると分かりましたので、調べてみようと思います。

いよいよ根子岳ですね。私のブログが多少影響しているとのこと。嬉しい限りです。根子岳山頂で休んでいるとき、これから四阿山に向かうという親子4人を思い出します。
鞍部からの標高差をみても、根子岳➡️鞍部➡️四阿山のほうが厳しそうですね。
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1-3 話 (takan32)
2024-07-03 09:26:21
shuさんへ、雨の降らない日を狙ったようにお出かけですね。(^^)
いろんな高山植物が見られてよかったですね。
私はその近くの志賀高原に行ったことがあります。志賀山に登りました。
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山歩きさん こんにちは (shu)
2024-07-03 14:35:29
コメントありがとうございます。
四阿山の山頂で観たタンポポは、ミヤマタンポポではないかと期待したのですが、違うようでした。
2300mを越え、冬はマイナス20℃にもなるような場所でもセイヨウタンポポは生きていけるのですね。
不思議なのは登山口からここまでの間でまったくタンポポを観なかったことです。
どなたかがザックの中に種を入れて運んでこられたのかもしれませんね。

次報では根子岳の様子をご覧いただきます。
ご期待と違うかもしれませんが、悪しからずです。
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takan32さん こんにちは (shu)
2024-07-03 14:39:58
コメントありがとうございます。
梅雨の晴れ間を狙っての山行でしたが、とても蒸し暑かったです。
雨に降られないで良かったです。

志賀高原から近いので、観られる植物も似ているように思います。
四阿山だけなら比較的簡単に登れます。
八ヶ岳よりも楽だと思います。
次の山をお考えの方に参考になれば幸いです。
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日頃見る事のできない植物 (ninbu)
2024-07-03 17:48:53
shuさん、こんにちは。

今回も私が日頃見る事のできない植物、イワカガミ、マイヅ
ルソウ、ゴゼンタチバナ、コケモモなどを楽しませていただ
きました。

マイヅルソウは今年の5月に、つくば実験植物園で見たことが
あります。また、実も昨年10月につくば実験植物園で見てい
ます。
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attsu1さん 失礼しました (shu)
2024-07-03 20:09:33
マイヅルソウをホームグラウンドでご覧になったのですね。
ホームセンターで売っていると、早とちりしてしまいました。
大変失礼いたしました。
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ninbuさん こんばんは (shu)
2024-07-03 20:15:15
コメントありがとうございます。
マイヅルソウはつくば実験植物園でもご覧になったのですね。
つくば実験植物園のことは、いつもninbuさんの記事を拝見して気になっていました。
来年のよい時期に見学させていただこうと思います。
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Unknown (なつみかん)
2024-07-04 05:44:10
おはようございます。
今回も、ツマトリソウ始め、沢山の花が。
季節を巻き戻した感じですね!
花登山の醍醐味ですね。

今回、へぇ!と思ったのが四阿山の由来です。
ここで日本武尊の名前が出てくるとは思いませんでした。
この伝説は読んだことがあり、こんな遠くまで遠征してたんだなぁと思いました。
それと、セイヨウタンポポの逞しさにもへぇ!でしたら(笑)
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