先日探していた『エチカ』。
図書館に行って探してみたらありました。上下2冊ずつ。
さすが、図書館です^^
中をパラパラと見てみると今どきの大きな活字仕様ではありませんが、2009年に再版されているのでほどほどに行間もあるので読みにくいことはありません。トライしてみることにしました。
『エチカ』を知ったのは、NHKの「100分de名著」の放送です。
本でも、音楽でも、映画でも、なんでもそうですが、私は自分が知る前に人の評価やうんちくなど、あまり読んだり聞いたりしないようにしています。先入観なしに受け入れたい。
でも、そればっかりだと知りえないこともあります。
その番組もたまに見るともなしに見ることがあって、おかげで背中を押されたように読めた名著もあります。
今回の『エチカ』もその部類に入りそうです。
番組で紹介されていたように、『エチカ』は最初から読んでも挫折しそうです^^;
全体は5部構成になっています。
第一部 神について
第二部 精神の本性および起源について
第三部 感情の起源および本性について
第四部 人間の隷属あるいは感情の力について
第五部 知性の能力あるいは人間の自由について
どこから読むのがおススメかと言うと、第四部 人間の隷属あるいは感情の力について からだそう。下巻からです。
それではと、素直に第四部から読み始めました。
これまで哲学本はボチボチ・・としか読んでいません。ニーチェの語録とか、ショーペンハウアーくらい。友人に借りたライプニッツのモナドロジーはまったく歯がたちませんでした
でも、『エチカ』はわりとわかりやすいほうです。ちょっと無理してる?…う~んちょっと難しい、正直。。
でも難しいけど、とっかかりがないわけではない。こんな私でもね。
序言があり、言葉の定義がされ、細かく定理が提示されてそれに対する証明が記されています。
こういう形式だと、何か気になるキーワードが見つかったらそこから読み始めてもいいと思うんですよ。
何か行き詰った感覚に陥った時に辞書的に引いて読んでもいい。そんな構成になっています。
スピノザは『エチカ』で善と悪について次のように定義しています。
・善とは、それが我々に有益であることを我々が確知するものと解する
・これに反して、悪とは、我々がある善を所有するのに妨げとなることを我々が確知するものと解する
この「有益であること」、何を思い浮かべますかね。
私は「自分がやりたいこと」「自分が好きなこと」としました。なぜなら、自分がやりたいこと、好きなことにかかわっている時間は自分にとって幸せな時間です。前向きな考え方ができているでしょう?
そう考えると、人のやりたいこと、好きなことを妨げるのは悪です。もちろん、自分の好きなことを自分が妨げるのも悪です。
だから、やりたいこと、好きなことを堂々とやればいいんだ!と思える。そして、人のやりたいことを邪魔しようなんて思わない。
この善悪の定義がしっかり理解できただけでも『エチカ』を読む意義はありますね☆
番組でも言われていましたが、善悪の定義って「していいこと・悪いこと」ととらえがちです。
だけど、それは親や先生、周りからの刷り込みに過ぎない。周りの価値観を頼りにしていると、自分がいつまでも表に出てこられない。
しかも、周りの価値観っていうのも定義のしようがないような。。
そんなふうに人生過ぎていくのってもったいなくないかな。
だから、スピノザ先生がバシッと善悪についてこうですよと言っていることにノッてみるとちょっとものごとの見え方が変わってくるというかね^^
哲学って面白いです。
ちまたには生き方に関するハウツー本がたくさんありますが結局のところ、原石は哲学にあるんでしょうね~。
手元に置いておきたい本です。本屋さんで取り寄せちゃおっかな☆