陶子の心の窓

今日わたしの心の窓は開いていたかな?あなたはいかがでしたか?

中古本で手に入れました

2018-04-15 06:00:00 | 
先月、BOOK OFFに本を売りに行きました。査定してもらっている間、何気なく売られている本を眺めていると『1Q84』がけっこう売られていました。
『1Q84』は文庫になったのもかなり前ですね。それでも書店では今なおスペースをとって売り出しています。
それに私がようやく気がついて読み始めたというわけです。

BOOK OFFで見つけたときは1~6まですべてそろっていました。1冊108円です。
私はもう4まで書店で購入していましたので、先月は5だけ中古本で買いました。6は1冊しかなく、ちょっとくたびれていたのです。迷いましたが、その時は買いませんでした。

5を読み進み、そろそろ6を用意しておこうかなぁと、街に出たついでに書店に寄るつもりでしたが、ほかの買い物がたくさんあって気力がなくなるし「中古で買えるなら、それでいいや。手放しやすくなるしね」と思い、またBOOK OFFに走ったのでした。

もう売れちゃったかな・・と心配しましたが、まだ残っていました。
そのくたびれた1冊を迷うことなく手に取り、レジへ。

これから出発の荷物にこの本も入れて行き、移動中などに読みたいと思います。
今読んでいる5も、たぶん連れていくことになるかな。
読んだら置いてきます。
今までそういうこと、したことないんです。大人になった気分☆
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語られる内容ではなく、語られなかったことこそが必要な情報だったりする

2018-03-23 11:32:57 | 
新しい生活のための準備をしていく中で痛感していること。

それは
「語られる内容ではなく、語られなかったことこそが必要な情報だったんだ」ということ。

気づいたきっかけは『エッセンシャル思考』という本です。



先日図書館で見つけ、ざっくりと全体を読んできました。

エッセンシャル思考とは、より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方を変えるためのもの、です。
 「やらなくては」ではなく、「やると決める」
 「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」
 「全部できる」ではなく、「全部やらない」
という考え方に変えていく方法が書かれています。
本書には「より少なく、しかしより良く」という言葉が繰り返し出てきました。

この本の中でジャーナリストを例に「情報をフィルタリングする」ことをすすめています。
ここが今の私にとってとても重要な考え方でした。



大人が仕事を辞めて自分の好きなことを始めるということは、おおげさですが道なき道を進むことに似ています。大雑把な地図をたよりに知らない土地を歩いていくみたいに。
必要なものをそろえるのも、一般的に必要と思われるものには適用外だったり、足りなかったりする。
誰に訊いたらいいんだろう・・。まずそこからです。

インターネットで検索すればいい。
そうなんですが、検索にかける言葉がありきたりだとありきたりな検索結果しか出てこない。
以前の仕事で得た知識ですが、世の中のさまざまな企業が「われこそは」と商品やサービスを売り込むため、検索上位にあがるような対策をしているのです。
検索に引っかかったから自分にとってこれがいい、とは限らない。
自分にとって必要なのかそうではないのかを見極めなければなりません。
さらに、自分が問題だと思っていることがほんとに問題としてピントがあっているのか。
そういうことを一人でパソコンに向かって検証していくのはかなりの根気と時間を要します。
ある程度自分が必要としていることの知識をネット情報で得たら、それを踏まえて実際に身近な人やつながりのある協会・組織のひとに問い合わせてみると、もっとポイントが絞られてきます。

問い合わせるときは電話が早くて的確に伝わると思います。
今はほとんどHP上で話が完結するように出来上がっています。でも、問い合わせ番号がわかれば電話したほうがいい(なかなかでなかったりするけど)。
もちろん、「よくある質問」をきちんと見てあてはまるものがないかチェックすることも必要です。
電話をする相手先のHPを開いておいたり、質問することの自分の状況も整理しておくこと、必要書類をそろえておくこと、メモがすぐにとれるようにしておくことも大事。

電話で実際に言葉を交わしていくと、言葉以外の雰囲気もわかるし、新たな気づきや問題点が浮かび上がってきたりします。
こちらがきちんと丁寧に状況を伝え、相談したりお願いしたりすれば、相手も誠意をもって対応してくれます。

「語られなかったことこそが必要な情報」。その必要な情報を得るためには質問することだと思います。
質問したことについて本当に理解している人はきちんと答えてくれます。
わからない人は「確認いたしますので、少々お待ちください」と確認してくれます。
お役所はいろいろ制限があるのか、そこでは回答してもらえず「こちらへ問い合わせてみてください」と電話番号を教えてもらえました。


・・・話が長くなってしまいました。
私が調べたかったことは、海外渡航にかかわる保険についてです。
海外旅行保険、種類はいろいろありますが、今回の私の場合には当てはまるものがなかったのです。
そこで
1)そもそも「健康保険」でも対応しているみたい、ということがネット検索でわかったけれど・・?
2)ボランティア活動が主な場合の保険はどうしているんだろう・・?
という2点で方々に電話で問い合わせしていった、というわけです。

調べてみて、とても大雑把な言い方ですが、
よくある保険会社の保険だけがすべてではない、と思いました。
とくに、健康保険で補償してもらえることには目からうろこでした。
「海外旅行療養費申請」という手続きがあるんです。
保険料って毎月お給料からひかれています。たまにHPを見てどんな補償があるのか見ておいたほうがいいなと思いました。

以上、話がきれいにまとまらないまま失礼いたします。
読んでくださって、ありがとうございました。



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着々と

2018-03-21 05:48:06 | 
『1Q84』は着々と読み進んでいます。

ストーリーとして面白いのはもちろんですが、読みやすいのです。

二人の登場人物が別々の場所で別々の人生を歩んでいる。実はそれぞれの人生が実は交差している時期もあって、読者はそれに気づくまでの”予感”を楽しめるし、「あーやっぱりね☆」といううれしさも楽しめる。

それから、物語の核となる事実をいろんな人に語らせているのが、読者にとってストーリーを理解するのに一役買っていると思うのです。



物語の中に出てくる『平均律クラヴィーア曲集』をグレン・グールドのピアノで聞いています。
これは4枚組のCDで、1枚だいたい55分前後です。

・・・なんだか音のつらなりが数列のように思えてきます。

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自分比3倍

2018-03-16 08:59:03 | 
仕事を離れて時間があるから当たり前だけど読書量が前とは比べ物にならないほど増えました。

以前は通勤電車の中、休憩時間に、寝る前にくらいであまり捗らなかったのです。
長編小説は挫折してしまい、その結果細切れ時間で読み終えられるようなものばかり読んでいました。

・・集中力ないなー、私。

と嘆かわしく思っていました。

ところが、時間に余裕ができると気持ちにもゆとりができるのでしょう、ゆっくり椅子に座って本を読む、ということができるようになったんです。
何気ないことなのに、それができるようになってすごくうれしい☆

文庫本の『1Q84 BOOK1』、『永遠の夫』は読み終えました。

『永遠の夫』はドストエフスキーの中編小説なんですが、独特の言い回しやストーリー展開もなんとか乗り越えました。
このタイトルから「妻に寄り添う愛情深い夫」といったよいイメージを抱いてしまいますが、まったく違いました。
そもそも「永遠の」という言葉の意味合いがちがうんですね、きっと。
日本だったら良いイメージで使いますけどね。
「永遠の妖精 オードリー・ヘップバーン」みたいに。
この『永遠の夫』、読み終わった私がタイトルを付け直すとしたら『濡れ落ち葉な男』です。こんなタイトルじゃ売れないか。

文豪にも世の中から評価される作品もあれば、そうでないのもある。
私はなぜか後者にひかれることが多いのです。
本音が隠されているような気がして。

『永遠の夫』に出てくるヴェリチャーニノフとトルソーツキーのやりとりのなかでも、人としてどうふるまうべきか、など「ふむふむ・・」と興味深いのです。

そして、シベリアの収容所に入れられたドストエフスキー、賭け事にはまったドストエフスキー本人の心理がこの二人に投影されているのかな、という描写。
ここに思いが及ぶのは昨年シベリアのオムスクという街に行き、ドストエフスキー博物館を訪れたことが大きいです。
展示物を見たり、実際に手に取ったりしながら彼の生涯を知ることができました。


これはオムスクの通りに建っているドストエフスキーの銅像。

ちょっと知る機会があると食わず嫌いを乗り越えられるような気がします。

話は前後しますが、『1Q84』。
これは出版当初、あまりにも騒がれ過ぎてスルーしてしまったのですが、文庫本になって初めて手に取ってみたところ今頃ようやく面白いと気が付いたという、お粗末な私です。

この作品はたしか単行本で3冊に及ぶ長編だったと思います。文庫本1冊目はまだまだ導入部ですが、1冊目を読み終えて思うことは、ちょっとセックスのくだりが多すぎない??ということですね(苦笑)。
青豆も天吾もごく健康的な一般人ですよということを伝えるためなのか、1980年代の風俗を書き記すためなのか・・。
さらっと描かれているのでイヤらしくはないですけどね。読んでて正直ちょっと辟易しました~。最初だけかな。

二人の登場人物が別々のところでそれぞれの生活をしている。そこで何か違和感を感じ始めて・・。読者にはきな臭い事件が絡んでいることがわかってきたところで文庫本1冊目は終了です。
やっぱり気になる!2冊目が読みたくなる!!
うまいわ、新潮文庫さん。
文庫も3冊構成で良かったかもしれないけど、あえていいところで半分こ。

「あなた、今頃なに言ってるの~?」と呆れられそうですね。

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たとえば翻訳できたなら・・

2018-03-06 21:00:07 | 
江國香織著『神様のボート』を読み終えました。
この作品を読むきっかけとなったのは、よく知っている人がロシア語に翻訳したと聞いたから。
ノボシビルスクにあるシベリア北海道センターのイリーナ・プーリックさんがロシア語に翻訳したのです。
イリーナさんは以前、札幌にも住んでいたことがあり日本語が堪能です。

翻訳ってただ単に言語を入れ替えればいいってもんじゃない。語学力と言葉のセンスが必要だし、物語の背景をよく知らないとうまい訳にはならないと思うのです。作品によっては時代背景、宗教、その国の伝統なども熟知していることも必要でしょう。

私が読んだのはもちろん日本語のほう。ロシア語に翻訳されたほうも次回ロシアに行ったらぜひ拝読したいと思っています。
この『神様のボート』って映画化されて宮沢りえさんが演じていたのではなかったでしょうか。
テレビで偶然見た記憶があります。

もし、私もロシア語がもっと上達して、もっとロシアのことを知ることができたらロシアの小説やエッセイを日本語に訳してみたいなぁ。
日本語に訳されている海外文学はまだまだ偏りがありますね。
ロシア文学ももっと今ロシアの若者に好まれている作品が日本でも読めたらいいのに。
わかりやすい文章で書かれていながら、いい作品って必ずあります。
そんな作品を見つけて原作で読んでみたい。



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本の衝動買い

2018-03-05 06:25:46 | 
気温がぐっと上がって春めいてきたせいか、無性に本が読みたくなりました。
といっても今読んでいる本はあります。
だから、正確に言うと「新しい本で新しい刺激が欲しくなった」ということ。

時間があるから・・とちょっと立ち寄った本屋さんで女性雑誌のコーナーを10秒ですり抜け、文庫本のコーナーへ。
ちなみに、女性雑誌は表紙を見ているだけでもう頭の中がいっぱいになる感じです。思うに雑誌は『ご提案』なので、自分の中に芽生えるかもしれない、まだ形にならないアメーバー級のオリジナリティをそいでしまうのです。そんな気がします。

さておき、文庫本のコーナーでは背表紙を眺めているだけでも楽しい。読んだことのある作家の読んだことのないタイトルとか、いつもこうやって背表紙を眺めて十分知っているけどまだ読んだことのない作家の本。内田百閒さんは背表紙閲覧でよく知っていたのですが、読むまでには至らず。でも北海道新聞の卓上四季で『第一阿房列車』の一部が載っていてツボにはまり読んでみた、ということがあります。読んでみて食わず嫌いとはこのことと反省しました。百閒さんいい!

・・・話がずれました。
背表紙閲覧で村上春樹さんのコーナーに『1Q84』を発見。「へえ~、文庫になったんだ☆」。この本はあまりにも話題になりすぎて、スルーしてました。気恥ずかしくて平積みの山も避けるようにしていたなぁ。今はひっそりと新旧の作品と一緒に棚におさまっています。手に取ってパラパラ見てみると、あら、おもしろそう。読んでみよう!
1冊だけ買うのはさみしいから・・と勢いに乗って気になった本を3冊ピックアップ。合計4冊を携えてレジへ向かいました。
私にとって読書とはテレビでドラマを見たり映画を観るのと同じです。違う本をとっかえひっかえ読み進めます。途中で進捗状況にばらつきが出てきますが、おかまいなしに。きっちり1冊ずつではもう時間が足りない(苦笑)。

久しぶりに本の衝動買い。早くはやく読みたいよぉ~!といそいそと家路につきました。

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レシートは必ずもらいましょう

2017-12-13 06:33:45 | 
書店で本を買いました。
ある書店の商品券があったので、ひさしぶりに本を買おうかなという気になったのです。

早速、帰りの電車の中で読もうと袋から出してみると。

ひゃ!血がついている!!

本のこぐちに血がついているんです。本の上下ではなく、無意識に親指をかける長い辺の部分です。
本を選ぶとき、手に取った時はついていませんでした。
何気なく見たときに白いはずのところに汚れがあったらすぐに気が付きますよね。
たぶん、店員さんの指が紙で切れたのかもしれません。
お会計の時、商品券と不足分のお金を出している間に店員さんが手早くビニル袋に入れてくれたので、手渡された段階ではわかりませんでした。
どうしようかなぁ・・このくらい受け容れちゃおうかな・・と思いながら数ページ読みましたが、けっこう目について気になります。
こういうプチストレスを抱えたままにしておくのは良くないね。と一念発起。
レシートを頼りにお店に電話してみました。
店員さんに「先ほどそちらで本を購入した者ですが、本のこぐちに血がついていたんですよね」と言いますと、すぐに「失礼いたしました!」という返事。
その後、書籍名、出版社を訊かれ、在庫があるか確認して担当者から折り返します、と電話が切れました。
そして1時間しないうちに折り返しの電話をいただき、本が汚れていたことのお詫びときれいなものと交換するので近々お店の近くに来ることはあるかどうか聞かれました。
私は早く本が読みたかったので、明日にでも行けます、と言いました。
本の交換にはレシートも必要です。

最近はお買い物をして「レシートはお使いになりますか?」と聞かれたり、こちらが言わなければレシートをくれないお店もたまにあります。
でも、お金と商品のやり取りが発生したときは、どんなに少額でもレシートは渡すべき、と思います。
お店とお客、両方にとって大事なことです。
たぶん、「レシートをお使いになりますか?」というフレーズが出てくるのは、レシートを受け取らないお客さんが増えたせいもあるでしょう。わざわざ捨てるものを渡すのは迷惑かも・・と思う店員さんもいるかもしれません。でも、そこまで考えずに、会計業務の一連の動作としてレシートは渡すのが正解、と思います。
私はレシートはほぼ必ず受け取ります☆

また、蛇足ですが、汚れのついた本を在庫を調べてきれいなものに交換してくれる、お詫びの一言がある、というのは日本ならではかもしれないな、とも思いました。
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使えば使うほど増えていく・・なあに?

2017-08-25 05:10:10 | 
先月本を5冊まとめ買いして、今月はさらに3冊。読書欲を解放して、どんどん読み進めます。
こんなに貪欲に読書したいと思うのは人生初のことかもしれません。学生時代は本を読むことが何かしらの目的を果たすためだったから、目的に適うための本選びがありました。でも今は心のアンテナに引っ掛かったものを買って帰ります。これぞ「大人買い」!
本と出会う場所は、本屋、図書館。本屋と図書館では置いてある本の傾向が全くと言っていいほど違います。読みたい本を図書館で読もうとしても自分にとってのちょうどいいタイミングでは読めないことが多いです。私は図書館で予約をしたことはありません。読みたいと狙っている本よりも、目の前にある気になった本に手が伸びるので。獅子文六さんと出会って全集の中から『ある美人の一生』という短編を見つけて「なんか面白そう☆』と借りたこともありました。それはそれでよかった。でも、そういう出会いばかりでは偏ってしまいます。

そう、「今」を知りたい!

テレビやインターネットでお手軽に目に飛び込んでくるニュースではなくて、今の考え方って何なんだろう。
獅子文六さんもいいけど、最近出版された新しい本を読んでみよう。と思い立ったのです。

今月買った本、加藤諦三著『行動してみることで人生は開ける まずできることからやってみる」は、背中を押される1冊です。

・興味を持ったらやってみなさい
・そんなのくだらない、と思っていたらなにもかもつまらなくなるよ
・ペットは可愛いから飼うのではなく、飼っているうちに可愛くなるものだ。物事を始めるときも面白さを求めるのではなく、まずやってみる。そうしているうちに面白さややりがいがついてくる

物事をくだらないと思う人は自分から周囲に壁を作ってしまうのだ、というのはわかります。
くだらないと否定しちゃいけませんね。そりゃ人間だれしも時間は限られていますから、なんでもかんでもは出来ませんが、何もかも否定してしまうと自分がつまらなくなってしまうのはわかります。
本の中で、人間のエネルギーは使えば使うほど増えると書かれています。本日の記事のタイトルの答えです。お金は使えばなくなるけど、人間の体は使わなければ衰える。どんどん使いましょう、と。

自分のやりたいことを見つけたら、実行にうつしていいんだ!と思えてくる本です。

そして、脳内革命がおこりそうな、千葉雅也著『勉強の哲学 来るべきバカのために』。
この本は先月のまとめ買いから外していたのですが、今月本屋でまた気になってしまったので購入。買ってよかった!すごく面白いです。
著者の千葉氏は東大を卒業後、フランスでも勉学を積まれた方で、この本もフランス哲学が織り込まれています。それを「ノリ」とか「ツッコミ」「ボケ」といったわかりやすい言葉を使って話を進めてくれるのです。勉強するってどういうこと?どういう過程をたどるの?ということが哲学的に説明されている本です。「哲学」って馴染めない感じですが、馴染めないなら馴染めばよいのだし、そんな感じがするならほんとにそうなのかやってみればよいのです。「感じ」に騙されてはいけません。

エイヤっと思い切って本のまとめ買いをすると、積ん読はもったいないからガシガシ読むし、そうすると脳が働き始める感覚があります。
人は生きていくために食べ物を食べます。食料品の買い出しはけっこうな量になりますよね。ならば、脳に新鮮な栄養を与えるためには本の買い出しもアリでしょう!と強く思うのです。人は思考する動物なのだから。
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子どもの名前の付け方

2017-08-20 06:49:56 | 
ロシア語のレッスンは「かでる2.7」という建物の会議室でやっているのですが、レッスンまでの時間は同じ建物内の北海道立女性プラザの図書スペースで過ごすことが多いです。一見すると何気ない図書館かと思いますが、ここには女性にまつわる図書がたくさんあります。「樋口一葉」とか「平塚雷鳥」などの背表紙がずらりと並び、妊娠・出産・子育て・更年期にかかわる本などもあります。

その中で私が気になったのは「家庭雑誌」。これはなんと、明治時代の雑誌です。不二出版から出ています。手に取ったケースのひとまとまりには明治36年4月~12月の各号が入っていました。
雑誌のタイトル「家庭雑誌」というくらいですから、家事に関することかと思いきや、そればかりでもありません。「お酒に対する私の考え方」とか「イソップ物語」などもあって、老若男女、家族のだれもがどこか一つくらいは興味を持ちそうな記事が盛り込まれています。
たとえば、子どもの名前の付け方についての小さなコラムもあります。明治時代はどんな考えで子供に名前を付けていたんでしょう?意外とかわいらしい名前があったりしますよね。
コラムは十数行と短いので全文を載せてみます。歴史的仮名遣いにワクワク。

「小供の名の附方」
小供を産んだ時、我家の先祖、又は父親などの名を一字なり二字なり貰って命名するのが、日本在来の家庭に其例を多く見た。
これは家と云ふ事を重んじた結果と、それから其人の品格名誉なぞをあやからうと云ふ心であらうが、明治の家庭では多少その命名法も変わってきた。
記者の知己の一人は此間可愛い女児のもうけたが、その父親が当年三十四であるから「みよ子」と附けた。これは年から割出したのである。又他の一人は初めて男児を産みそれに「以一」と命名したる理由を聞いてみると慓軽な話。即ち一番最初に自分の家庭を訪れたのであるから「イの一」即ち料理屋で用いる下駄札番号から考へ付いたのであった。


原文で使われていた字で現在使っていないもの、たとえば番号の「号」という字はへんが号でつくりが虎という字が使われていましたが、現在の漢字を使いました。雰囲気を味わっていただければ、と思います。

明治の人にはなかなかお茶目で洒落のきいた方がいたんですね。ただ、みよ子さんの場合は、子供が産まれた年ではなくて、父親の年齢というところや、料理屋の下駄札番号というのも、父親が呑み助さんだったのかな~なんて父親の存在が大きいですね。これも時代の香りです。
現代のキラキラネームも、後世の人から見るとその時代の名前ということになるのでしょうか。
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知らなかった!直木賞作家・木内昇(きうち・のぼり)さん

2017-08-02 05:41:04 | 
先日、文庫本を5冊まとめ買いしました。その後けっこういいペースで読み進めております。
先日2冊目を読了。『みちくさ道中』というエッセイです。
本の帯に
直木賞作家の新たな一面を知る初エッセイ集。とあります。
本屋で見つけたときは「へー、直木賞作家。木内昇さんってどんな人?」という、世間知らずな私。
帯にはさらに、「時代小説界を牽引する」と小さな文字もありました。
「時代小説は気分じゃないし・・。」といったんはその場を通り過ぎたものの、なぜか気になり、「エッセイだもんね」と読んでみることにしました。
タイトルも『みちくさ道中』というのがいい。旅好きな私はみちくさに憧れてしまうのです。

"まっすぐ働く"、"ひっそり暮らす"というカテゴリーで、木内さんがどんな人かがだんだんわかってきます。
私なんぞはじめのうち、木内さんは名前の雰囲気で男性かしら?と思っていたんですが、文章がどことなくまるく、まずは性別判断をするべく読み進んでいったのです。
途中で、女性なのでは・・?と思う割合が多くなってきたので、インターネットで確認してみたところ、やはり女性でした。
女の子らしい遊びをした、とかおしゃれが好き、という表現は皆無といってもよく、物心がついた幼いころから果てしない想像力と激しい好奇心とあくなき読書欲、本に対する愛情がつづられています。
文章の雰囲気・テンポも私にはちょうどよく、惹き込まれました。

面白かったです。

時代小説はかなり昔、宇江佐真理さんの作品を読んで以来手に取ることもありませんでしたが、木内さんの作品を読んでみたくなりました。
木内さんは、ご自身がスーパーでトマトを購入するときパッケージに貼ってある写真を見て、穏やかそうな顔の人のトマトを選んでいたそうです。
ところが、あるときはたと気づきます。
穏やかそうな顔の人が必ずしもいい仕事をするとは限らない、農業を営んでいる人=穏やかそうな人、というのはあまりにも短絡的ではないか。
仮に気難しそうな顔をしている人であってもおそろしく旨いトマトを作っていればそれこそスペシャリストというもの。
そしてこう続けていました。
これを本の世界に置き換えてみると、本を買う人が書店で本の帯など著者の顔を見てどの本を買うか判断するのはぞっとする・・と。

木内昇様。私はこれと真逆の方法であなたに出会いました。

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シンプル志向の私がまず読んだ『人生をシンプルにする禅の言葉』

2017-07-27 19:00:27 | 
本日は休みでしたが、新しいシステムの導入に伴う説明を受けなければならなくて、午前中出勤いたしました。
説明してくれる方が東京から来てくださっているので、休んでいる場合ではないのです。
操作の説明に私のパソコンを使うということで、私が担当する業務に関する説明が終わっても、私はパソコンがないので通常の業務ができないのです。
だから、今日は説明だけ受けて、簡単な事務処理をした後、早々に退社いたしました。

かねてより自分の中の懸案事項「とにかく本を読む」を遂行する絶好のチャンス!
本屋さんに行きました。
夏休みということで、“新潮文庫の100冊”など、文庫本で名作が装丁もリニューアルされて平積みになっていたり、新刊が並んでいたりと表紙を見ているだけでお腹いっぱいになりそうです。
いい本を読もう、なんて見返りを求めずに気になるものをサクサク選んで、レジへ向かいました。文庫本だけ5冊購入。

帰りのJRの中や帰宅後も読んで、1冊目読了。
それは、『人生をシンプルにする禅の言葉』枡野俊明(ますの・しゅんみょう)氏、曹洞宗徳雄山建功寺の住職でいらっしゃる方の著書です。
枡野氏は著書多数で、売り場でちょっと迷いましたが、読みやすさでこの本を選びました。
見開で一つのお話しが読めるようになっています。左側のページに「一志不退(いっしふたい)」などという禅語とその読み方・意味があり、右側のページに身近な例をひきながら分かり易い説明が書かれています。

例えば「以心伝心」。これも禅語なんですね。
そうとは知らずに、言葉を使わなくても相手に伝わる!わたしたち分かりあってる!みたいな感覚で使っていましたが、ちょっと違うようです。

相手のことを全人格をかけて信じること、お互いに信頼することで絆がうまれるのですよ。親子だから絆があって当然、というのは間違い。
他人であっても絆を得ることは出来ます。
絆はもともとあるものではなく、生きていく中でお互いに育んでいくものというとらえ方をすること、なんだそうです。

ふむふむ・・と、読んでいるときは分かったとおもっていましたが、こうやって第三者に伝えるように分かり易く書くのは案外難しいですね。
きっと、文章が分かり易くて、見開き2ページで完結してしまうから次々読んでいくうちに、読み終えてしまった~というだけこと。

やさしい言葉ほど奥が深くて、自分の行動に伴うまでになるのは時間がかかりそうです。



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本を読まなくちゃ

2017-07-25 07:07:54 | 
うっかりすると、読書から遠ざかってしまいます。
新聞、DM、ロシア語のテキスト、クラシックコンサートの情報誌・・ブログなどのインターネットもそう。本じゃなくても読むことは日常茶飯事です。

それでも、本は別格だと思うのです。
著者が文章を書いて、それを校正して1冊の本にして世に送り出す。本の装丁はどうする?とか、こまごました仕事が織り込まれています。
このブログのように、一個人が思うことをつらつらと書いているだけとは違います。

きちんとした裏付けのある文章を読んで、きちんと考える人にならなければ。
思考の筋肉を鍛えたい。

いままでの読書歴をご破算にして(といっても、好みは消せないのだろうけど)、何でも読みたい。いえ、読まなくちゃと思うのです。

本を読むということは、たとえるならその本の著者と二人で会っていて、私は一方的に著者の話を聞いているということ。私は自分の考えをわきに追いやって、我慢強く聞いている、ということ。
一通り聞き終わったら(読み終わったら)、なぜ賛成なのか、反対なのか、代替案はあるか・・と自問自答してみる。
そういう読書をしなくちゃ、と思います。

○○賞受賞作品、ベストセラー作家・・。本屋に平積みにされているものはあえて避けてきた私ですが、それらにもチャレンジしてみます☆

読書の夏、です。
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賢者の贈り物、とは。

2017-07-21 06:39:55 | 
ロシア語のレッスンであるテキストを読みました。
以下あらすじです。

海辺にひとりの若い女性がいました。
岸に船が近づいてきて泊まりました。
船から水夫たちが降りてきて、海辺や街に出かけて行きました。

水夫の中の一人の男性が海辺にいた女性に近づき、二人は知り合いになりました。

その後、2年間二人は文通をして、お互いに好きなのだと気がつきました。

あるとき、水夫はクリスマスに女性に会いに行くよと手紙を書きました。
女性はとても喜んで、クリスマスには、ガチョウの丸焼きとアップルパイを用意しようと決めました。

でも、女性はあまり裕福な暮らしをしておりませんでした。
そこで、彼女は自分の母親からプレゼントされた小さな金の指輪を宝石店に売りに行きました。
指輪はそれほど高い金額では売れませんでした。(それでもクリスマスのごちそうは準備できたでしょうね)


クリスマスの日、水夫は彼女の住む街にやってきました。
街の宝石店で水夫は小さな金の指輪を見つけました。その指輪は高価なものではありませんでした。水夫はその指輪を彼女のために買いました。

二人は再会し、水夫は彼女に小さな金の指輪をプレゼントしました。
すると彼女は少し微笑んでたずねました。

「あなたはこの指輪をどこで手に入れたの?」
「僕はこの指輪を君のために買ったんだ」 と水夫は答えました。

という内容です。
貧しいカップルがお互いのためにクリスマスの贈り物をする・・・思い出すのがO.ヘンリーの「賢者の贈り物」です。
あのおはなしはたしか、夫が長い髪の女性のために、自分が大切にしている懐中時計を売って得たお金で櫛を買い、女性は髪の毛を売って懐中時計の鎖を買った・・のだったでしょうか。
せっかくお互いのためを思って買ったのに、その「もの」はもうない。

でも、このロシア語のテキストで出会った物語は、彼女の金の指輪がうまく幸せをもたらしていますよね。
男性のためにクリスマスのごちそうの用意ができて、男性は知らないうちに女性の大切な指輪を買って、また彼女の元にかえすことができたのですから。さらにいえば、宝石店の店主もわずかながら商売できた。

O.ヘンリーの方は相手を思うがための自己犠牲、を感じて胸がキュンとしますが、こちらのロシアのお話はちょっとニッコリします。ハッピーエンドですね。
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読書はお手軽な気分転換ツール

2015-06-29 02:58:20 | 

ストレス解消の方法として、読書が一番お手軽に効率が良いということをある心理学者の方のブログで知りました。
たしかに。
ストレスを感じて、考えたくない、忘れたい、もっと楽しいことを考えよう!と思っても、なかなか気持ちが切り替えられないことってあります。
そういう時は、何でもよいから本を読む。映画好きな方なら映画でも☆ほんとに、何でもよいっていうスタンスでいいと思うのです。
何かためになるものを・・なんて欲張らずに、そのとき気になったものを素直に。



そうやって今の自分とは違う考えや、置かれている状況とは違うストーリーに没頭してみれば、かなり気分転換になりますよね。
その心理学者は同時に本を何冊も読むそうです。私も複数読み進めて、結局読み散らかしていることになっていますが、それもありですよね。
とにかく、自分の身の周りだけで世の中動いてるわけじゃない。そんな当たり前のことに気が付けば見方も変わる。
それに、巧い文章に出会えると、ほんと嬉しい。「ああ、よくぞ表現してくれました」ってね。
そんな表現にたくさん出会って自分の感じ方の抽斗を増やすことも読書の楽しみでもあります。
 

 

 

 

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妙なるテンポ ヴァレリー・アファナシエフ

2015-03-06 06:34:58 | 

先日図書館で借りた本、2冊目は『妙なるテンポ』です。作者はヴァレリー・アファナシエフさん。
ロシアのかただ☆どんなお話しだろう!と短編集でもあることだし、読んでみようと思ったのです。

ナメ川コーイチさんのねこをモチーフにしたイラストも洒脱な雰囲気で大人のユーモアを感じます。

さて、この作品。
短編、というよりはショートショートのようで、2~3ページ、せいぜい4ページで完結しています。
何かの比喩(揶揄?)なのか、人生の断片なのか・・・。
読み終わった後に「何を言いたかったのだろう」と真意を探りにまた読み返してしまいました。

ところで、作者のヴァレリー・アファナシエフさんは、ピアニストです。
現在は指揮活動も行っており、小説・詩なども書いておられます。
すごい才能の持ち主ですね~!

ピアノ演奏が聴きたくて、さっそくamazonで注文してしまいました^^;
ブラームス、シューベルトのピアノソナタです。
どちらも訥々と聴くものに語りかけるような、心にしみわたってくる演奏です。
『妙なるテンポ』の軽妙さ、皮肉っぽさは感じられません。
人はいろんな面をもっているものですからね。

ちなみにコンサートで日本にもよく訪れているようです。
今年は6月に東京でコンサートがあるとのこと。首都圏に住んでいたら、きっと聴きに行ったと思います。

この本を返しに行ったら、『天空の沈黙 音楽とは何か』という エッセイもありますので、そちらも借りてこようと思っています。

 

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