このごろは、夜中に起きるのがルーティンになっています。
それもそのはず、眠たくなるのが夜の9時前なのだから。
だいたい8時を過ぎると、テレビの音が煩わしくなって寝室に向かいます。そして読書。3,40分もすれば眠たくなり、消灯です。
そんなに早く就寝すれば、その5~6時間後に目が覚めるのは当然ですね。
起き出して、シンクに洗い物があればそれを片づけ、お湯をわかし、その間に翌日(もう当日か)分のお米を研いでおきます。
それから、寝る前に読んでいた本の続きを読んだりするわけです。目覚めた後は、頭がスッキリしているので読書も進みます。
寝る前に読んでいたところがイマイチよく飲み込めなかったときは、思いっきりキリのいいところまで戻って読み直しますが、スッキリ状態のおかげでよく理解できるのです。
最近読んでいる本は、ルソー著『孤独な散歩者の夢想』です。
ルソーと言えば、わたしは高校時代の倫理で習いました。「自然に帰れ」ですね。
私の頭の中には「自然に帰れ byルソー」の刻印しかなかったのですが、何年も前に図書館で手にしてパラパラしてみたところ、あまりにも人間味あふれる文章が連なっていたので驚愕。借りて読みふけったものでした。
それから何年も経って、先月ふと「ルソーさんの、あの本は・・?」と思い出したのです。けれどタイトルが思い出せないっ!!
読書好きの友人に尋ねてみると「ああ、『孤独な散歩者の夢想』ね」。…さすがです☆
友人に感謝し、さっそく書店でタイトルを検索。本って油断していると絶版になってしまうことも多いようなので、気になる本は手元に置きたいと思うようになりました。
ですが、さすがはルソーさん。ありました。
(青柳瑞穂 訳/新潮文庫)
図書館で借りたのとは表紙が違うと思いましたが、まあいいかと即購入。読み始めたのでした。
ところが、何かが違うのです。
内容は、ルソーさんが悩み、傷ついてそれに対するネガティブな心象風景を書き連ねているのは記憶しているままではあるのですが、その表現がカタい。図書館で借りたのは、もっと現代の私にもそれほど考えなくても届くような直截的な言い回しだったはず。
そこで、本のタイトルをインターネットで検索してみました。すると、出てきました。これでした。
(永田千奈 訳/光文社古典新訳文庫)
そうそう、こっちこっち。
こちらの方が、断然わかりやすかったです。その分、新潮文庫よりもページ数多めだったような気がします。
新潮文庫の方は読み終わったので、近々光文社の方も再読しようと思っています。
ルソーさんは思想家であり、作家でした。ネタバレになりますが、自分の子供を孤児院に入れたことで世間から非難されていたそうです。それで、辛く感じることが多々あり、思いを記していったのがこの本と言うわけです。
第一の散歩から第十の散歩までありますが、いじめや人のうわさ話など、それぞれのテーマが現代にも通じるものがあって共感することも多いです。
そして、弱音を吐露するだけではなく、その辛さを自身でどう昇華させていったかまでが書かれています。
全ての人間を俯瞰して書かれたものではなく、世間から非難されたルソーさんの独断と偏見が多々ちりばめられてはいますが、真をついているものも多いと思いました。
SNSで誹謗中傷されて傷ついている人にぜひ読んでほしいです。
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夜9時なんてまだまだ宵の口なのに、眠たくなっちゃって夜中に起き出して。
そんな変な生活スタイルですが、実は楽しんでもいます。