『クアトロ・ラガッツィ ー天正少年使節と世界帝国ー』
集英社文庫の上下巻で読みました。
なかなかのボリューム!!
作者の若桑みどりさんは西洋美術史の教授だった方で、
この作品は第31回大佛次郎賞受賞作。
というわけで、小説ではないです念のため。
(大佛次郎賞はたまに小説も受賞するけど
ほぼほぼ歴史や評伝系の賞って感じですよね)
西洋の歴史に詳しい作者ならではの、
西洋側に残された史料を踏まえて眺めた16世紀前後の日本です。
私は天正少年使節の4人に興味を持って読み始めたんですが、
上巻3分の2くらいまで(400ページ以上!)は登場しません。
戦国時代の日本に宣教師たちが如何にしてやってきたか、
当時を学ぶパートです。
長い!
ちょっとくじけそうになった笑
ざっくりでも登場人物表とかあったらよくないですか?
ザビエル:
1549年に来日した最初の宣教師。
スペイン・ポルトガルのお家芸「布教→征服」は、
日本では得策ではないと報告した。ありがとう。
とはいえ、本当は中国に行きたかったのでさっさと退場する。
アルメイダ:
最初期にやってきたポルトガル人宣教師。
いいひと。
病院や学校つくりたい!そのためにお金必要!
ということで医学の才に加えて商才を爆発させる。
ルイス・フロイス:
1563年の来日から死ぬまでの36年を日本で過ごす。
その割に、日本人を見下している言動が多いんだけど。
ポルトガル人。
報告魔。手紙魔。
カブラル:
最初期のイエズス会布教長で、非常に征服者的思考の人。
権力者を改宗させて領民一気にキリスト教化!という垂直型布教スタイル。
日本の言語風習に興味がなく、「高度な」自分たちの文化に
合わせることを強要する人。日本語も話せない(学ばない)。
何しに来たの?
ヴァリニャーノ:
超いいひと。イタリア人。巡察使として来日。
スペイン・ポルトガル人が何かと征服的なのに対して、
イタリア人は文化教養的な傾向がある。
だからルネッサンスが花開いたんでしょうね。
この5人の性格と、
信長怖いよねイケイケだよね!というあの時代の雰囲気を
掴めれば、長い導入もいける気がします。
そしたら天正少年使節の4人が登場するよ!
メディチさんにもフェリペ国王にも、
もちろん教皇にも会えちゃうし舞踏会にも出ちゃうよ!!
そして後半、帰国後にさらに苛烈になっている禁教令。
秀吉の情緒不安定でヒステリックっぷりも怖いけど、
家康の「断固」感も超怖い。
弾圧や拷問が過酷になるのは家康の時代になってからってのが
怖さマックスですよ。
若桑さんは学術の人なので、
想像ではなく史料に基づく事実を書くと明言していますが、
ラストは、ちょっと物語的な描写です。
(というかちょこちょこと想像や解釈が入ってますが)
と思っても、やっぱり涙なしには読めないラスト!!!
ジュリアン!!!
歴史において無名だろうがなんだろうが、
強い意志をもって自らの人生をまっとうした人は
その人生においてヒーローなのである。と。
4人それぞれの人生が、当時を生きた全ての民衆の人生が、
まっすぐに肯定されていると思う。
途中でくじけそうになったのも忘れて感動した。
集英社文庫の上下巻で読みました。
なかなかのボリューム!!
作者の若桑みどりさんは西洋美術史の教授だった方で、
この作品は第31回大佛次郎賞受賞作。
というわけで、小説ではないです念のため。
(大佛次郎賞はたまに小説も受賞するけど
ほぼほぼ歴史や評伝系の賞って感じですよね)
西洋の歴史に詳しい作者ならではの、
西洋側に残された史料を踏まえて眺めた16世紀前後の日本です。
私は天正少年使節の4人に興味を持って読み始めたんですが、
上巻3分の2くらいまで(400ページ以上!)は登場しません。
戦国時代の日本に宣教師たちが如何にしてやってきたか、
当時を学ぶパートです。
長い!
ちょっとくじけそうになった笑
ざっくりでも登場人物表とかあったらよくないですか?
ザビエル:
1549年に来日した最初の宣教師。
スペイン・ポルトガルのお家芸「布教→征服」は、
日本では得策ではないと報告した。ありがとう。
とはいえ、本当は中国に行きたかったのでさっさと退場する。
アルメイダ:
最初期にやってきたポルトガル人宣教師。
いいひと。
病院や学校つくりたい!そのためにお金必要!
ということで医学の才に加えて商才を爆発させる。
ルイス・フロイス:
1563年の来日から死ぬまでの36年を日本で過ごす。
その割に、日本人を見下している言動が多いんだけど。
ポルトガル人。
報告魔。手紙魔。
カブラル:
最初期のイエズス会布教長で、非常に征服者的思考の人。
権力者を改宗させて領民一気にキリスト教化!という垂直型布教スタイル。
日本の言語風習に興味がなく、「高度な」自分たちの文化に
合わせることを強要する人。日本語も話せない(学ばない)。
何しに来たの?
ヴァリニャーノ:
超いいひと。イタリア人。巡察使として来日。
スペイン・ポルトガル人が何かと征服的なのに対して、
イタリア人は文化教養的な傾向がある。
だからルネッサンスが花開いたんでしょうね。
この5人の性格と、
信長怖いよねイケイケだよね!というあの時代の雰囲気を
掴めれば、長い導入もいける気がします。
そしたら天正少年使節の4人が登場するよ!
メディチさんにもフェリペ国王にも、
もちろん教皇にも会えちゃうし舞踏会にも出ちゃうよ!!
そして後半、帰国後にさらに苛烈になっている禁教令。
秀吉の情緒不安定でヒステリックっぷりも怖いけど、
家康の「断固」感も超怖い。
弾圧や拷問が過酷になるのは家康の時代になってからってのが
怖さマックスですよ。
若桑さんは学術の人なので、
想像ではなく史料に基づく事実を書くと明言していますが、
ラストは、ちょっと物語的な描写です。
(というかちょこちょこと想像や解釈が入ってますが)
と思っても、やっぱり涙なしには読めないラスト!!!
ジュリアン!!!
歴史において無名だろうがなんだろうが、
強い意志をもって自らの人生をまっとうした人は
その人生においてヒーローなのである。と。
4人それぞれの人生が、当時を生きた全ての民衆の人生が、
まっすぐに肯定されていると思う。
途中でくじけそうになったのも忘れて感動した。