緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

オピオイドの管理って…、ああ、もどかしい

2014-05-16 00:39:49 | ケアの感覚

 以前から、医療用麻薬の管理についてはもどかしさを感じておりました…。

 が、朗報。



 ポンの所属している病院では、使用後のフェンタニルテープを、捨てることができるようになりましたー。




 うれしいけど、物申す。




 不勉強なところがあるから、疑問があるのだと自覚しておりますが、未だに、不勉強なままで、もやもやが消えません。



 


 私は使用後の医療用麻薬の管理については、どこの病院でも同じ=規則が同じだと思っていましたが、場所が変われば…、施設が変われば違うものだということが、病院を変わるたびに感じることでした。




 なんで、こんなに施設によって違うんだろう…。






 聞くところによると、薬局のトップの意向によって変わるとか…。





 ほんと????








 フェンタニルテープだって、使用済みのものを捨ててもいいのなら、捨てる方が絶対に良いと思う。
 だって、使用後のものの員数までも数えなくていいのだから。

 
 たとえば、使用後のフェンタニルテープを薬局に返却するという規則があるとしましょう。
 その使用後のフェンタニルテープを紛失したとして、フェンタニルテープは返却するのが規則なのだから、紛失してしまったのなら、それは規則に反するものなので、アクシデントということになります。


 でも、もやもやするなぁ。



 捨ててもいいものを、保管して、返却できるようにするって、それなりの時間も手間もかかります。
 現場はとても大変だというのに、その手間を強いられているような気がしてなりません。
 以前の職場がそうでしたから。




 
 麻薬の使用についての講習会に参加した時に、大勢の参加者の前で、「うちの病院はオプソの内服した後の『ガラ』を保管して、数まで数えて薬局に返却しているのですが、ほかの病院ではそんなことをしていません、これって、どういうことでしょうか」と尋ねてしまったことがあります。


 ファシリテーターの先生に、あっさりと言われてしまいました。



 「それは、おたくの病院の問題でしょ」


 ってねぇ。


 



 その時に、フェンタニルテープも、使用後のものは廃棄してもよいということを知りました。



 


 実は、オプソやオキノームの『ガラ』は捨ててもいいけれど、フェンタニルテープの使用後のものは保管しないといけないと思っていた私。




 フェンタニルテープは、使用後のものを捨ててもいいのなら、どうして、保管しないといけないの???と疑問がふつふつ…。







 
 オピオイドの適正使用はとても大切なことですが、適正に使用するために、規則で縛りすぎると、かえって適正な使用にならないのではないかと思うことがとても多い。
 
 煩雑な業務の中、オピオイドの員数点検(使用前・使用後を含めて)がどれだけ大変か。



 



 使用後のフェンタニルテープを廃棄できるようになって、本当によかった。。。。

 しかし、今まで、使用後のフェンタニルテープを紛失した時の大騒ぎって、何だったんだ…。



 



 オピオイドの適正使用に関することは、職種によって、言い分はさまざまあるとは思いますが…。


 言わせていただきましたっ。
 




 オピオイドの管理方法については、お手軽に勉強できる方法って、あるのかなぁ????
 看護の文献ではあまりみかけたことがないなぁ(私の不勉強なせいでしょうね)。


 あるのなら、知りたいところですが…。


 


結晶

2013-04-05 22:03:48 | ケアの感覚

 モルヒネとリノロサール(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム)でできてしまった結晶。

 結晶がきれいだったので、撮ってみました。

 もちろん、患者さんには使えませんけどね、
 モルヒネとリノロサールは混ぜてはいけないのですね。
 

お薬の味見

2013-03-23 00:12:24 | ケアの感覚

 お薬はおいしくないものってのは当たり前?なのかもしれませんが、どんなに「まずい」かを自分も(可能なら)身を以て知っておけるものなら、それはそれでいいのではないかな、と思っております。


 患者さんが「こーんなにまずいんだよー」と言われている表現は、興味深いものがあります。
 どうしてもまずーい薬を飲まなければならない患者さんのご苦労を思うと、心が痛みます。


 で。
 今回はモニラックシロップ(ラクツロース)を飲んでみた。
 これ、うちの緩和ケア病棟では便秘の患者さんに結構用いられております(以前の緩和ケア病棟ではあまり使っていなかった)。
 モニラックが苦手だーという人は、これを20ml飲むのに500mlくらい水を飲まないと飲めない…というくらい、飲みづらいと聞いたから飲んでみました。

 なるほど、糖尿病の患者さんは慎重投与とあって、むっちゃくちゃ甘いっ。
 ガムシロップを飲んでいるのか?(飲んだことありません)と思うくらい。
 こりゃ、つらいわ…。
 それがポンの感想でした。

 
 ああ。
 これで一つ、患者さんの気持ちに近づけたかな…。
 (まだまだ甘いかなぁ…。)


 もう一つ。
 ブスコパン(ブチルスコポラミン)の舌下は拷問であると主張したポン。
 ひっどい苦さだからね。
 今でも、口に入れた途端、瞬時に広がるあの苦さ、忘れられません。

 で、アンプルにちょっぴり残ったブスコパンをドクターに味見してもらった。

 その反応は、であったー。
 ほれほれ、患者さんの気持ち、わかったでしょ??と、どや顔のポン…

 ちなみに、ハイスコ(スコポラミン)は苦くなかった。
 同じスコポラミン系でも違うのね。
 注射製剤は口に入れると苦く感じられるものじゃないか?と思っていましたが、そうでもないものがあるのだ…、とお勉強しました。
 ドルミカム(ミダゾラム)も苦いと聞いたことがあるけど…。
 今度、舐めてみるかな。

 

 

体験してもらった

2012-05-28 21:02:39 | ケアの感覚

 鎮静中の患者さんがいらっしゃいます。


 このところ、息をするたびに、ごろごろ…と音をたてて、口腔~咽頭での分泌液が増えていました。


 で、でました、「ブスコパンの舌下」の指示。


 幸い、患者さんは鎮静で、穏やかに眠られておられますが、あまり分泌物を吸引する機会が増えますと、休息が阻害されます。
 そこで、この時期の患者さんだからこその、指示、ブスコパンの舌下。


 以前、ブスコパンの舌下をさせていただいた患者さんがいらっしゃったので、ポンは自分でブスコパンを舐めてみました。
 この恐ろしいほどの苦みときたらっ。筆舌もんですぞなもしっ。


 ・・・そんなありがたい経験がありましたので、ブスコパン0.2ml舌下と指示を出した、緩和ケア医と、そのブスコパンをいよいよ舌下しようとしていた受け持ち看護師に、ブスコパンをごくわずかではありますが、一滴、舐めてみるように伝えました。



 反応は。
 予想通り。

 苦くて、「ぎょえ~~~~~っ」でした。


 
 しめしめ←ポンの反応



 この手法が間違っているとは思いませんが、実際にはどんな感じなのかを体感しておくこともいい経験なのではないかと思いました。

 鎮静中の患者さんとはいえ、いくら反応がないとはいえ、やっぱり、苦いものを口に入れないといけない時には、苦いものを舌下しようとしているということの自覚は、医療者には必要かと思います。
 自覚することで、患者さんを気遣う声かけをしながら、今までよりもよりいっそう、気遣いをしながら、舌下することができるのだと思います。


 
 ということで、ブスコパンを舐めてみた体験のおかげで、緩和ケア医からの指示は、
 ブスコパン0.2ml舌下から、
 ブスコパン0.1ml舌下、という指示に変更になりました。
 (ほんまは、0.1ml舌下されるだけでも相当な量なのですがぁ


 
 こうやって指示が変わっただけでも、収穫です。
 0.1mlでも、分泌物は抑えることができていましたし。




 きっと。
 ハイスコを舌下した時も、とんでもない味なんだろうな…。

 

 可能な範囲で、患者さんと同じ経験をするというのは、大切なことですね。
 

医療用麻薬の管理について

2012-01-28 04:21:14 | ケアの感覚

前回の記事で、オプソ(モルヒネ塩酸塩の速放製剤)の空包の処理はどうしているのか、という質問を投げかけさせていただきました。

実は、これに関しては、ずっと感じていたことがありまして。



医療用麻薬の管理は、非常に、非常に厳密さを要求されているところです。
緩和ケア病棟のように、大量に医療用麻薬を扱う部署では、管理の方法は手馴れているところがある一面、
緊張感に欠けてしまうときがあり、トラブルを起こすと、ぞくぞくっとするくらい、怖さを感じるところがあります。


医療用麻薬の管理については、これまで、いくつかの病院に勤務してきましたが、病院の決まりごと(実際は、薬局または薬剤部の決まりごとなのでしょうか)に従ってきました。


ところが、
今の病院に来て、疑問に思うことがでてきました。

それが、
オプソの管理です。


前病院では、オプソの空包は廃棄していました。
つまり、使用が終わると、ゴミ箱に「ぽいっ」していたのです。

今の病院では、オプソの空包は、医療用麻薬の空アンプルのように厳密に扱われていて、空包まで置いておいて、数を合わせて薬剤部に返却しないといけないのです。
ですから、空包が足りないと、「事故届」を提出することになります。


でも、
事故届が必要なくらい重大なことなのに、どうして施設間で違いがあるの?という疑問をずっと持っていました。



私は、これまでずっと、自治体によって医療用麻薬の管理は違いがあるのだと思っていました。


それが勘違いだったと気が付いたのは、厚生労働省と自治体が主催する講習会に参加した時のことでした。


厚生労働省のお役人さんと、県の薬務課のお役人さんがいらっしゃる場でしたので、率直に質問させていただきました。
どうして、オプソの管理が施設によって違うのか、それは、自治体によって違うものか、と。




そしたら。
モルヒネ塩酸塩のような空アンプルについては、返却は絶対ですが、オプソの空包については、返却しないといけないという規則はない、とのことでした。
座長さんからいただいたコメントとしては、
「それは、薬剤部のやり方によるものでしょう」とのことでした。



あららーーーー。
私の不勉強。



そうなんやーーーー。
それって、薬剤部のやり方だったのだーーーー。


座長さんの気配りで、会場の参加者のみなさんに、オプソの空包を返却しているか、廃棄しているかを挙手してもらうように質問してもらえました。
ざっと見積もって、
返却しているが30%くらい、廃棄しているが70%くらいだったでしょうか。







ここで、オプソの管理について思うことを挙げてみます。

1)オプソの空包は捨ててもよいものなのに、保管しておかないといけないと厳密に管理することは現場に必要以上の緊張感と負担感を強いる。
2)捨ててもよいものなのに、保管できていないことによって、「事故届」を求められることによって、管理できていないという烙印を押されるような気持ちになる=医療用麻薬の事故は、事故を起こした者にとっては「超・へこむ」できごとです。
3)捨ててもよいものは捨てて、医療用麻薬の保管の規則に則って、保管しないといけないものに対する労力を注ぐべきではないか。
4)オプソの空包の管理(=勤務帯ごとに員数点検すること)の時間と手間がかかる(これは現場の看護師が一切を負っています)=本来は必要ないことに労力を注ぐことになる
5)オプソの空包を保管しておくと、空包に残った薬液が保管の容器に漏れ出して、容器がべとべとになったり、夏場はカビが生えていた=非常に不清潔
6)空包の数を数えるときに、手に薬液が付着して、べとべとになる。


以上のことは、自分が思う問題点ばかり挙げましたが、さらに思うことがありまして。
オプソの管理については、病院によって違いがあるとはいえ、決まりは決まりなので、決まりを守れないこと自体に問題があるのではないか、ということも気になるところです。

実際に、当病棟では残念ながら、医療用麻薬の事故がちらほら起こっています。



リスクマネジメントの観点から、事故を起こさないために規則を厳しくして、事故を起こした時には厳密に処理されることによって、抑止力を働かせて事故を防ぐといったことも、方法のひとつかもしれません。



しかし、事故防止のために、抑止力を強めて、単にそれに従うといった方法は、よい方法とは思えません。



実のところ、私は医療用麻薬の管理については、不当に負担感を負わされているといった感覚があります。
そこのところは、自分の考え方と、薬剤部や部署のスタッフとの感覚のずれがあります。
このことについて、深く考えている看護師は全くいません。
医療用麻薬の取り扱いについては、病棟独自のマニュアルを作っていつでも確認できるように、ファイルも作成しました。
事故が起こらないように、注意を喚起する意味で、迷った時に、いつでも思い返せるように、ファイルを作成しました。

そして、医療用麻薬の管理について、トラブルが起こると話し合いを持つようにお願いをしましたが、そのお願いに対する反応がありません。
ファイルを見てくれる看護師は皆無です。
(ほぼ、関心ゼロ)
とほほーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ。







医療用麻薬の管理が十分に行われていないところは、そこが問題だと思っています。


ですから、
自分の部署での医療用麻薬管理について思うところは。

1)薬剤部が現場での医療用麻薬の管理方法について現場任せにせずに、薬剤部も実際的に参加すること。
2)看護師は医療用麻薬の管理について病院の規則に単に従うだけではなく、規則の「根拠」、医療用麻薬の管理方法そのものに関心を払うこと。






できるだけ客観的に、医療用麻薬、つまりオプソの管理について記載したつもりですが、実際には施設全体の体制の問題が根本にありまして、うまくいかないのは避けられないと思っています。
(きっと、自分がどう働こうが、うまくいかないということ)


この類のことって、「うちの病院の信じられないこと」はどこの病院にもあることと思っています。


病院という組織は、医療用麻薬の管理に限ったことではなく、人の命、人の人生を扱う非常に繊細な組織であるにもかかわらず、そこのところに非常に無頓着な、非情なものが存在します。




あれ。
ちょっと、本題とずれてしまいましたね。




ぼそっ…と、
私の言いたいことというのは、医療用麻薬の管理は、病院の医療用麻薬管理に関する責任者とスタッフの考えによって、管理の方法が違うので、そこのところをまずは把握しておこう、というところでしょうか。




臭化ブチルスコポラミン(ブスコパン)の舌下

2011-10-23 19:05:32 | ケアの感覚

 胃がんで幽門側狭窄がみられている患者さんに、「ブスコパン、舌下、0.3ml」という指示がでました。

 周期的に、髪の毛がどっちゃーーーっと濡れるくらいの嘔吐がみられていて、患者さんがとても気の毒なくらいでした。
 意識はもうろうとされていたのですが、これが意識がしっかりしていたらどうなっていたか…。


 
 そして、指示通り、ブスコパンを舌下ーっ。


 しかーし。
 

 意識がもうろうとしていた患者さんが…。


 「にっがーーーーーーいっ」と悶絶されておりました。



 えええ?そんなに苦いの?そうなん?そうなん?
 


 そこで、ポンは、舌下に使った残りのブスコパンのほんの一滴を指に垂らして舐めてみました。





 うぉぉぉぉおおおおおおおおおっ~~~っ、にっがーーーーーーーーーーーーー~~~~~~~いっ。
 

 


 ほんの一滴ですが、舐めたとたん、口の中に苦みが速攻で…、さささささーーーっと広がりました。
 
 こりゃ、あかんわ…。


 結局、気の毒だったけど、鼻から胃までチューブを入れてドレナージすることにしました。
 ああ。あのブスコパンを0.3mlも口に入れるって、地獄に近い苦さだったろうに…。

 
 ある症例研究で、ドルミカムの舌下っちゅうのを読んだことがありますが、おそらく。
 注射製剤は注射製剤であるからにして、口に入れてはならん味がするのではないかと推測いたしました。
 注射製剤の舌下の難点は「苦み」ってことでしょうけど、その苦みって、その3文字で表すには足りんくらい、苦いですぞよ…。
 


 
 よく、学生さんに伝えています。患者さんのお薬の残りがあれば、それが少量くらい口にしても問題のないものなら、ちょっと試しに口にしてみたらいい、患者さんの気持ちになれますよーーーって。

 これは相当、いい経験になりました。
 患者さんにはとても申し訳なかったです。

 ところで、死前喘鳴の時にはスコポラミンが舌下されることがありますが、こちらのお味はいかがなものなのでしょうか…。