以前に、患者さんの付き添いが長くなっているご家族のことが心配だーという記事を書きました。
付き添いが長くなるということは、患者さんの病状が思わしくないために、そばを離れることができない状態であることがほとんどです。
ご家族が、患者さんとともに病院で生活されることもあります。
当院では、付き添いの方に有料ですが、付き添い食を提供することもできますし、夜にはお風呂にも入っていただくことができます。そして、付き添いの方がごろんと横になれるベッドも各部屋に用意してますので、一般の病棟に比べれば、幾分快適に過ごしていただけるのではないかと思います…。
カンファレンスで、付き添いが長くなっているご家族がいたので、ポンから受け持ち看護師に聞いてみました。
「奥さんって、家のこととか、生活はどないなってんかな。あれだけ病院にいて、大丈夫かな。ちょっと、奥さんに聞いてみた方がええんちゃうかなー。」
そこで、カンファレンスに参加していたメンバーから一言。
「それって、大きなお世話ちゃいますん。」


察するに、他人の家のことなど、首をつっこむもんとちゃう、ということだと思いました。
正直にいうと、そう言われたことが結構、ショックだったー。


果たして、本当に大きなお世話なのだろうか。
これは、冷静に考えねばなりません。
私たち看護師が、ご家族の生活を心配することは余計なことなのだろうか。
確かに、私たちが心配したところで、ご家族が患者さん中心の生活を変更することが可能とは言い切れません。
そこは、私たちにできることには限界があるということをよく、認識しないといけないことだと思います。
でも、何か、できることはないかな?と考えることはとても大切だと思います。
ご家族のお手伝いができることは、ゼロではないと思います。
たぶん、ご家族から、ご家族の生活のことを心配して、それをご家族が「大きなお世話」と捉えたとしたら、それは、私たちとご家族の信頼関係が不十分か、心配に思う気持ちが普段から、態度ででも伝えきれていないのが原因ではないかと思います。
逆にいうと、ご家族と信頼関係が築けていて、普段からご家族を思う気持ちを言葉だけでなく、何らかのメッセージを送れていたら、「大きなお世話」と捉えられることはないのではないかと思います。
相手にとって、「負担」「大きなお世話」ということに重きを置いて、患者さんやご家族のお手伝いをしていると、かえってお手伝いできないことがあるのではないかと思います。
私は患者さんやご家族のケアをさせていただくときには、ニーズを探るために、「ぶっちゃけ」で聞いてみることも大切だと思っている人です…。
もしも、本当にご家族にとって大きなお世話となってしまったら、そこんとこは素直に謝るなり、自分のかかわり方を振り返るなりすればいいのでは…、と思っています。
自分以外のスタッフが同じように、ご家族に大きなお世話と不快感を与えてしまったなら。
そのスタッフが心配している気持ちがあるのなら。
私は喜んで、そのスタッフのフォローをしたいと思います。
とまあ。
実は、「大きなお世話ちゃいますん。」と言われたことがショックだったので、この記事には私の「感情」がぎゅぎゅっと詰まってしまっています。
ああ。私の未熟さを露呈しました。

大きなお世話という意見をいただきましたが、受け持ち看護師はちゃんとご家族の生活のことを気にかけて、ご家族に話を聞いてくれました。
もやもやは残っていますけど…。
このもやもやにどう対処したらいいのかが、私の課題です。
