緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

まだまだへなちょこライダー

2008-09-30 23:39:04 | offの日

 今日は、お休みを取りました。といっても、公休です…。

 台風のおかげで、外は雨。最近、休みの日の行動の手段は、ほぼバイクになっているので、雨だと何だかブルーです。

 通勤にもバイクを利用することがあるのですが、へなちょこライダーとしましては、雨の日、そして雨が降る確率の高い時にはバイクは利用せず、車で通勤しております。
 
 しかし。
 今日は雨でしたが、思い切ってバイクででかけることにしてみました。これは、私にとって、かなりのチャレンジ!!!

 まず、ヘルメットの…、えっと、えっと、えーーーっと、なんていうんだ??視界の部分に、水を弾く「ガラコ」ちゃんを塗布しまして…。よっこらしょとレインウエアを装着!
 完璧!と思ったのですが…。

 目的地は複数。ガソリンを入れて、そろそろバイク屋さんにいってオイル交換をしてもらって、銀行にいって、スーパーに寄って、エトセトラ。
 
 走り出した途端、ガラコちゃんを塗布したのに、うまく水滴が弾かれない!しかも、曇る、曇る。視界は不良になる、なる!!
 ガソリンスタンドで給油したまではよかったけど、そのとき、気がつきました。バイクで移動するのはいいけど、バイクを置いた後、歩いて移動するときの傘がない…。この雨の中でも、レインウエアを着たまま、歩く勇気のない私…。
 
 結局、ガソリンを給油した後、すぐさま自宅に戻り、車で用事を済ませることにしたのでありました。
 そして、バイク屋さんでのオイル交換はまたの機会に、ということになってしまいました。

 教訓?!
 ちゃんと「ガラコ」ちゃんを塗布すること。
 ヘルメットに曇り止めを使うこと。
 雨の日は傘を携帯すること。
 
 何より、無理して雨の日にバイクに乗らないこと!

 ああ。やっぱり私はへなちょこライダー。
 
 嗚呼。いつかは、雨の日だってバイクを利用することが平気!ってライダー魂を持ちたい…。ぼそっ…。
 

 

その人なりの気遣い

2008-09-23 21:36:50 | 患者さん
 
 患者さんに教えられることって、本当に多々あります。

 大原さん(仮称)は、50歳代の女性。がんが脊椎に転移してしまい、思うように動けない上、感染症にかかってしまい、下痢を繰り返していました。
 食べたい。でも、食べると出る、でもでも、食べないわけにもいかない。

 自分のことは何でも自分でやってきたという大原さんにとって、動くという自由を奪われてしまい、トイレにいけないということはとてつもない苦痛です。その上、おむつをつけることを余儀なくされます。そして、他者から下の世話を受けること。これはとてつもない苦痛の上塗りのような苦痛だと思います。

 日中もそうですが、夜間になると、大原さんは看護師に対してとても気を遣われます。

 「ごめんよー。汚いのに。」
 「あー、もう、こんなん、最低。」
 「すんません、すんません…。忙しいのに。」

 1日に多いときは6~7回も下痢していらしたので、それはそれは、気を遣いっ放しといってもいいと思います。

 看護師は大原さんのつらい気持ちを慮って、気を遣わなくていいんだよというメッセージを送り続けました。
 私も、そのメッセージを送り続けました。

 下痢がみられていた期間が長くなり、「ごめんよ、なんて、いらないよ。気を遣わなくていいよ。」のメッセージは、大原さんから看護師に思わぬメッセージを発信させました。

 「看護師は、みんな、私からごめんよ、とか、気を遣う言葉を奪おうとしている!」

 この大原さんのメッセージは、師長から間接的に耳にしました。
 私の心境はというと…。
  
 「がーーーーーーーん。」

 看護師はみな、患者さんが遠慮せずに、いろいろなことを依頼したり、委ねられるように精一杯の配慮をしています。しかし、大原さんにはこの配慮は返って苦痛となってしまいました。

 私は、2点のことを考えました。

1.「気を遣わなくていいよ」のメッセージを言語化して大原さんに伝えすぎていたこと。
 言葉はそこそこに、言葉以外の態度で、精一杯「気を遣わなくていいよ」のメッセージを送るべきでした。思い遣りとは、過不足があってはなりません。今回のような言葉の多用は、大原さんにとって「ありがた迷惑」だったのです。
 言葉以外の態度とは、大原さんがこうしてもらいたいと思うことを、大原さんが看護師に言葉で依頼する前に、先んじてやらせていただくといったことがあると思います。

2.大原さんの状況があまりにもつらいものだったので、そんな状況におかれながら、看護師に気を遣わなくてはならないことをつらく思っていたのは、実は、看護師の方だったこと。
 大原さんのつらい状況を何とかしたいと思うあまり、言葉を多用することで、自分達は「何とかできている」という手ごたえのようなものを欲していたのではないかと考えました。

 勿論、大原さんの気持ちが、万人に共通するものだとは思いません。「気を遣わなくていいよ」という言葉のメッセージがあるほうが安心する方もいらっしゃると思います。
 
 今回のことで身に染みたのは、患者さんにもそこそこ、医療者に対して気を遣わせてあげることも、その人らしさとなる、ということでした。
 
 ああ。またひとつ、教えられた。
 
 ありがとう。

役割

2008-09-14 20:07:32 | 患者さん

 1人の患者さんには、いろんなスタッフがかかわりを持たせていただきながらケアをしています。いわゆる、チーム医療です。

 チームのスタッフにはいろいろな職種がいます。看護師というひとつの職種をとってみても、複数のスタッフが存在しています。
 それぞれのスタッフは、「身体的なつらさの担当」「精神的なつらさの担当」と明確に区別されているわけではなく、それぞれの職種の持ち味を生かして、患者さんのケアにあたっています。

 患者さんのケアの方針を立てたり、ケアを実際に行うためには、患者さんとよーく、よく、お話をしなくてはなりません。
 治療やこれからの病状のお話、残された仕事をどうするかなどなど、患者さんに残された時間に合わせて、ゆっくりと急いで話を進めていきます。
 治療や余命のお話はとても大切な内容です。

 が。

 いつもいつも、患者さんと医療者は病気の話ばかりしているわけではありません。

 コミュニケーションは、「無駄話」にも及びます。患者さんの人となりを知るには、他愛もない話も大切です。
 患者さんもスタッフによって、話す内容を使い分けて下さっているようです(勿論、これは無意識のことです)。
 
 ある患者さんは、私をがん看護の専門家としてみてくださる一方、私を「娘」として見てくださっています。
 ですから、私も娘役を引き受けています。患者さんはにこにこしながら、「もう、うちの娘は何をしとんのやら!」と声をかけてくれます。ですから、私も「おかんはもっと肩の力を抜かんと!」などと答えます。

 いろんなお話を患者さんとできるようになると、1人の患者さんに対して同じ看護師であっても、いろんな役割があるようです。
 そうやって、共有してもいいこと、共有すべきことは、スタッフで情報としてシェアしております。

 今、かかわっている患者さん、これがほんまに、うちのおかんと性格がそっくりなんだな
 
 患者さんにいい役割を頂いてます。