緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

こりゃ、まずいわ

2016-09-10 14:37:27 | 患者さん

財津さん(仮名)とのお別れがありました。

私の担当の患者さんではなかったのですが、看取りを自分がすることになったので、ご家族といろいろとお話をする中で、思い出せることがたくさんあった患者さんでした。


財津さんは嚥下がうまくできない状態でしたので、食事はペースト状のものを食べておられました。

そして、高次脳機能障害のある方でしたが、ポイント、ポイントでの喜怒哀楽の表現に、すごーくインパクトがありましたので、とても楽しくお付き合いさせていただいてました。


忘れられないのは、食事の介助をしている時。

ペーストの食事って、食べ物の形がなくなっているので、パッと見ではそのメニューが何なのか、わからないんですね。

ペーストになっちゃうと、臭いを嗅いでも何かわからないことが多くて…。

だから、メニュー表をしっかりとみて、「〇〇だよ」って声をかけながら介助してました。



時々、財津さんは、口の中に食べ物が入ると、びっくりするくらいの変顔で「それはいらん!!!」という表現をされることがありました。

この顔がすごすぎて。

そのまま、金剛力士像にでもなりますか?ってくらいの顔でして…。

その顔を見ると、私も「うぎゃーーーっ」って表現をして、めいいっぱい、「そんなに、まずいか、すまんな、すまんな」のお返しをしてました。

最初は、その財津さんの反応をみると、その食べ物をあっさりと諦めてました。

何度かその反応に遭遇した後、私も、その「それはいらん!!!」的おかずを口にするようにしました。



どれどれ…。


栄養士さんや調理師さんには申し訳ありませんが、食べてみると、「これはくそまずいわ」というものもありました。

そんな時には、財津さんも、そりゃ、そうやろってな反応をされておりました。




食事介助でこんなにインパクトのある患者さんって、久しぶりやなぁ。

何より、あの、まずい!!の顔を見るのが、財津さんには申し訳ありませんが、ちょっと、楽しく感じていたりして…。



お別れはさみしいけど、出会いと思い出に感謝です。






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