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財津さん(仮名)とのお別れがありました。
私の担当の患者さんではなかったのですが、看取りを自分がすることになったので、ご家族といろいろとお話をする中で、思い出せることがたくさんあった患者さんでした。
財津さんは嚥下がうまくできない状態でしたので、食事はペースト状のものを食べておられました。
そして、高次脳機能障害のある方でしたが、ポイント、ポイントでの喜怒哀楽の表現に、すごーくインパクトがありましたので、とても楽しくお付き合いさせていただいてました。
忘れられないのは、食事の介助をしている時。
ペーストの食事って、食べ物の形がなくなっているので、パッと見ではそのメニューが何なのか、わからないんですね。
ペーストになっちゃうと、臭いを嗅いでも何かわからないことが多くて…。
だから、メニュー表をしっかりとみて、「〇〇だよ」って声をかけながら介助してました。
時々、財津さんは、口の中に食べ物が入ると、びっくりするくらいの変顔で「それはいらん!!!」という表現をされることがありました。
この顔がすごすぎて。
そのまま、金剛力士像にでもなりますか?ってくらいの顔でして…。
その顔を見ると、私も「うぎゃーーーっ」って表現をして、めいいっぱい、「そんなに、まずいか、すまんな、すまんな」のお返しをしてました。
最初は、その財津さんの反応をみると、その食べ物をあっさりと諦めてました。
何度かその反応に遭遇した後、私も、その「それはいらん!!!」的おかずを口にするようにしました。
どれどれ…。
栄養士さんや調理師さんには申し訳ありませんが、食べてみると、「これはくそまずいわ」というものもありました。
そんな時には、財津さんも、そりゃ、そうやろってな反応をされておりました。
食事介助でこんなにインパクトのある患者さんって、久しぶりやなぁ。
何より、あの、まずい!!の顔を見るのが、財津さんには申し訳ありませんが、ちょっと、楽しく感じていたりして…。
お別れはさみしいけど、出会いと思い出に感謝です。
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