長女の小学校で今年から「読み聞かせボランティア」が始まった。
先生たちの会議の時間にクラスに入り、15分間、子供たち相手に本を読むという
わかりやすいボランティア。
部分休業で出勤が遅い私にとって、可能な時間帯だったので早速申し込んだ。
で、初めての読み聞かせボランティア活動。
自分の子供がいるクラスに入りたかったのだが、そのクラスを希望する人が他にも
いたので譲り、同じ1年生の別のクラスに入ることになった。
初めてだし、ちゃんと準備をした。
読み聞かせにおいて最も大切な準備とは、本の選択だと思う。
日曜に図書館に行き、絵本を選んだ。
小学1年生向けで、私が読んでもおもしろい内容で、声に出して読みやすいもの。
それも、できれば鬼とか悪魔とか化け物とかが出てくる話。
(大勢の子相手に読むんだったら、やっぱりそういう絵本が楽しいじゃないですか。)
借りてきた本は「パンのかけらとちいさなあくま」という。
リトアニアの民話だそうだ。
冒頭部分のあらすじは、以下の通り。
貧しいきこりのパンのかけらを、ちいさな悪魔(といっても異様な姿ではなく、
いたずらっこの男の子のような絵で描かれている)が盗んだ。
得意満面で悪魔たちのすみかに戻ったちいさな悪魔。
ところが、大きな悪魔たちはそろって厳しくちいさな悪魔を叱った。
お詫びとしてきこりの役に立ってこい、それまで帰ってきてはならない、と追い出されてしまう。
ちいさな悪魔はしょんぼり。きこりの所に戻ってパンを返して謝った。
きこりは笑って許したが、許してもらっても、ちいさな悪魔は帰る訳にいかない。
何か自分にできることはないか、させて下さい、と泣き出してしまう。
そこで、貧しいきこりが頼んだのは・・・
この続きを知りたければ、ご自分で読んでください(笑)
先がどうなるのか容易にはわからない、ページをめくるワクワク感もいっぱいの本です。
いたずら好きのちいさな悪魔。
子供たちにとって感情移入しやすい、分身のような存在となるだろう。
そして、悪魔といえどもルールがある。悪魔社会の掟(おきて)というべきか。
貧乏人のなけなしの物を盗んではならない。
掟を破ったら、原状回復(この場合はパンを戻すこと)だけではなく
お詫びとして力を尽くして償わなくてはならない。
異国の民話にある教訓が、子供の心に響くことを期待した。
そしてむかえた、読み聞かせの本番。
先生がいない教室に入り、席についていた子供たちを前に集めて座らせた。
子供たちは目を輝かせてこちらを見ている。
もともと芝居っけたっぷりに本を読む方なので、いろんな声を使い分けつつ、
途中で前のページの絵と比較したり、余計な言葉もはさみながら、読んだ。
・・・読み聞かせは、絵本を媒体としたコミュニケーション、なのだから。
子供たちは静かに一心に聞いていた。
途中で「ハエつかまえた!つかまえた!」と関係ないことで大声をあげた男の子が
一人だけいたが、私は無視して読み続けた。
・・・無視というと言葉は悪いが、たかがハエ、そのために本を読むのを中断する
ほどの大事ではない、と放置することにしたのだ。
他の子供たちにたしなめられ、その子は黙って一人でティッシュをとりに行った。
読み終わったら、15分の持ち時間のほとんどが終わっていた。
チャイムはまだ鳴らなかったので、あと1分だけ、と「おとうさん」という詩を読んだ。
父の日も近いことだし。
しかし詩よりも、物語の方がやはり子供の関心を集めるには向いている。
チャイムが鳴り、担任の先生が来てからも子供たちが寄ってくる。
「どろぼうしちゃいけないんだよね。人殺しも、人さらいも、いけないんだよね」
と感想を言ってくる子がいたり、自己紹介してくる子がいたり。
楽しい。
このボランティアはぜひ、続けたい。
6月13日(火)追記:
4年生のクラスでも同じ本を使った。少し大きな子供だとどういう反応だろう?
とちょっと心配したが、最後まで静かに聞き入ってくれた。
途中で遅刻してきた子(笑)も静かに加わったりして。
読み終えたらみんなで拍手してくれて、読み手としては大変、嬉しかった。
先生たちの会議の時間にクラスに入り、15分間、子供たち相手に本を読むという
わかりやすいボランティア。
部分休業で出勤が遅い私にとって、可能な時間帯だったので早速申し込んだ。
で、初めての読み聞かせボランティア活動。
自分の子供がいるクラスに入りたかったのだが、そのクラスを希望する人が他にも
いたので譲り、同じ1年生の別のクラスに入ることになった。
初めてだし、ちゃんと準備をした。
読み聞かせにおいて最も大切な準備とは、本の選択だと思う。
日曜に図書館に行き、絵本を選んだ。
小学1年生向けで、私が読んでもおもしろい内容で、声に出して読みやすいもの。
それも、できれば鬼とか悪魔とか化け物とかが出てくる話。
(大勢の子相手に読むんだったら、やっぱりそういう絵本が楽しいじゃないですか。)
借りてきた本は「パンのかけらとちいさなあくま」という。
リトアニアの民話だそうだ。
冒頭部分のあらすじは、以下の通り。
貧しいきこりのパンのかけらを、ちいさな悪魔(といっても異様な姿ではなく、
いたずらっこの男の子のような絵で描かれている)が盗んだ。
得意満面で悪魔たちのすみかに戻ったちいさな悪魔。
ところが、大きな悪魔たちはそろって厳しくちいさな悪魔を叱った。
お詫びとしてきこりの役に立ってこい、それまで帰ってきてはならない、と追い出されてしまう。
ちいさな悪魔はしょんぼり。きこりの所に戻ってパンを返して謝った。
きこりは笑って許したが、許してもらっても、ちいさな悪魔は帰る訳にいかない。
何か自分にできることはないか、させて下さい、と泣き出してしまう。
そこで、貧しいきこりが頼んだのは・・・
この続きを知りたければ、ご自分で読んでください(笑)
先がどうなるのか容易にはわからない、ページをめくるワクワク感もいっぱいの本です。
いたずら好きのちいさな悪魔。
子供たちにとって感情移入しやすい、分身のような存在となるだろう。
そして、悪魔といえどもルールがある。悪魔社会の掟(おきて)というべきか。
貧乏人のなけなしの物を盗んではならない。
掟を破ったら、原状回復(この場合はパンを戻すこと)だけではなく
お詫びとして力を尽くして償わなくてはならない。
異国の民話にある教訓が、子供の心に響くことを期待した。
そしてむかえた、読み聞かせの本番。
先生がいない教室に入り、席についていた子供たちを前に集めて座らせた。
子供たちは目を輝かせてこちらを見ている。
もともと芝居っけたっぷりに本を読む方なので、いろんな声を使い分けつつ、
途中で前のページの絵と比較したり、余計な言葉もはさみながら、読んだ。
・・・読み聞かせは、絵本を媒体としたコミュニケーション、なのだから。
子供たちは静かに一心に聞いていた。
途中で「ハエつかまえた!つかまえた!」と関係ないことで大声をあげた男の子が
一人だけいたが、私は無視して読み続けた。
・・・無視というと言葉は悪いが、たかがハエ、そのために本を読むのを中断する
ほどの大事ではない、と放置することにしたのだ。
他の子供たちにたしなめられ、その子は黙って一人でティッシュをとりに行った。
読み終わったら、15分の持ち時間のほとんどが終わっていた。
チャイムはまだ鳴らなかったので、あと1分だけ、と「おとうさん」という詩を読んだ。
父の日も近いことだし。
しかし詩よりも、物語の方がやはり子供の関心を集めるには向いている。
チャイムが鳴り、担任の先生が来てからも子供たちが寄ってくる。
「どろぼうしちゃいけないんだよね。人殺しも、人さらいも、いけないんだよね」
と感想を言ってくる子がいたり、自己紹介してくる子がいたり。
楽しい。
このボランティアはぜひ、続けたい。
6月13日(火)追記:
4年生のクラスでも同じ本を使った。少し大きな子供だとどういう反応だろう?
とちょっと心配したが、最後まで静かに聞き入ってくれた。
途中で遅刻してきた子(笑)も静かに加わったりして。
読み終えたらみんなで拍手してくれて、読み手としては大変、嬉しかった。