とにかく日記

とにかく何でもいいから書く日記。3人の子へは仕送り、更新頻度は下がり、書き続けられるのか?(コメント等は承認制です)

子供の入院を振り返って

2006-03-23 01:20:19 | 子供の入院
7日間の入院後、子供が退院した。
最終的には「肺炎」という病名だったようだ。

無事に退院したところで、今回の入院で感じたことを書き留めておきたい。

注:自分の職場である病院に子供が入院し付き添った、というかなり特殊な
 経験であることを前提に、以下の文を読んで下さい。

6泊7日の入院期間。夜はすべて私が子供と一緒に泊まった。
昼は一時的に亭主などに代わってもらっていたが、仕事は休んだ。
「子供の病気休暇」を利用した休みで、先延ばしできる仕事はすべて先延ばし。
どうしても今、という仕事だけは病室に連絡をもらって、子供をベビーカーに
のせて連れて行って対応したりした。

子供の入院も、これで6回目。
(2番目と3番目の子が、それぞれ3回ずつ入院している。)
いつも病名は肺炎や喘息、気管支炎というまぁ、ありふれたもの。
入院時となった場合の対処(仕事を休む段取りの付け方など)も、かなり慣れた。
「こんなに子供が病弱なんだもの、仕事を辞めたら?」
・・・という魔のささやきも再び心の中で聞こえるが、努力して、無視。

入院当初の数日は点滴。これもまぁ、いつも通り。
熱が下がり下痢もなく水分や食事がとれるようになった3日目で点滴がはずれ、
ヘパリンロックした留置針から一日に数回、抗生剤を投与するだけになる。
点滴がはずれるだけで、子供の身動きはだいぶ楽になる。
病棟に2台しかない、点滴棒つきのベビーカーが空いているかどうかを院内散歩
に出る前に確かめなくてもよくなるし。
寝る時も点滴ラインを気にしなくてよくなるので、添い寝する親も楽になる。

病棟のスタッフは同僚として顔見知りが多く、気を遣ってくれたと思う。
4人部屋で、他の子供に付き添っているお母さんたちの手前、職員だというのを
明らかにしたくない私に、普通の接し方をしてくれた。

それでも、入院は辛かった。
点滴が入っている間は、始終その状態を気にしなくてはならない。
子供の左手に点滴が入っているので、ベッドで寝る(添い寝する)時は必ず子供の右側。
添い寝させてもらえるだけでもありがたいといえばまぁ、そうなのだが。
(付き添いが寝る場所としては他にベッドの横のソファロッカーがあるが・・・
 固いしギシギシ音をたてるので、あれはちょっと勘弁して欲しい。)
子供用のベッドは狭いので寝返りは子供をちょっと向こうに押しのけないとできない。
でも子供の側を向くため、ほとんど常に左向きになって寝ていた。
・・・おかげで、左肩の肩こりがひどくなった。子供も抱っこをせがむし。
(教訓。入院した子供に添い寝する場合は、時々は敢えて子供に背を向けて寝ること。)
夜の病室は物音も多く(持続吸入している子がいる場合は、その音とか)
一晩中枕もとの蛍光灯をつけている子もいるので、安眠する環境としてはかなり悪い。

子供が病気で苦しんでいるのだ。一番、つらいのは子供本人。
快適な入院(付き添い)生活なんて、あるわけない、と思いつつも・・・
この病院で働いている一人としては、もう少し何とかできないものだろうか、
と思わずにいられない。

少し話はずれる。
同じ部屋の子供に付き添っているお母さんとも、いろいろ話をしていた。
ある時(私がいなかった間)、ナースステーションに背広ネクタイの男の人たちが
数人来て、スタッフも全員集められていたらしい。
「医療ミスがあったのかしら?弁護士さんだったみたいよ!」という。
小気味よさげに興奮した話し方が、気に障った。

福島の県立病院での産婦人科医逮捕事件の直後である。
心穏やかに聞ける話ではない。
でも、そんなことは一般の人は知らず、関心もないのだろう。
まったくの興味本位で話をするそのお母さんに、私は何を言えばよいのだろう。
医療提供者と、医療を受ける側の溝が深いことを改めて感じた。

・・・が、やはり言わずにはいられなかった。

「医療ミスがあっては困りますが・・・それを全部、訴えて弁護士を呼んで
いると、この病院のお医者さん、みんな辞めてどこかに行ってしまいますよ。」

ここは、たくさんの病院がある都会ではない。はっきり言って田舎、僻地である。
小児科の救急・急性期入院施設は、近隣ではこの病院だけ。
産婦人科は医師がいなくなり、休診中。
小児科医は今はいるが、常に忙しく、過労ぎみ。体調不良で辞めた医師もいる。

この病院に小児科医がいなくなったら・・・。
私も、そのお母さんも、同じ症状の子供を入院させるのに数十キロの距離を移動しなくてはならない。
遠くの病院では、入院した子供に付き添うのはますます大変だ。
・・・押し付けがましくならないように、そんな話をした。

もう一つだけ。
「医療提供者と、医療を受ける側の溝が深い」と上に書いたが。
子供の入院に付き添うと、患者家族として、医療を受ける側になる。

仕事の上では同僚、医学上の知識はある私でさえ、医師のちょっとした一言で
過剰な期待を持ってしまったり、看護師さんの声の調子が気になったりする。
ましてや他の患者さんは、どれだけの複雑な思いを抱えていることだろう。

そんなことを思った子供の入院だった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 入院中のマジレンジャー | トップ | 病児保育(小児デイケア)体験記 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

子供の入院」カテゴリの最新記事