SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう〜オリジン

2019-01-13 23:53:46 | ドッグフード原材料シリーズ
去年から「書く書く詐欺」状態になっていたドッグフードの原材料一覧を銘柄別に一つ一つ見ていきましょうと言う企画。
ようやく手をつけましたよ!第一弾はプレミアムフードの代表選手「オリジン」です。

「ごはんの話?ニコにも関係ある?」

いや、無い。悪いね。

オリジンは8種類のドライフードがありますが、ここでは「オリジナル」を取り上げます。
メインのタンパク質以外はよく似た内容ですので、他の種類を利用している方も参考になさってください。


Orijen(オリジン) ドッグフード オリジナル 2KG

チャンピオンペットフーズ (Champion Petfoods)



こちらがオリジン・オリジナルの原材料一覧。
ペットフードの原材料は重量を基準にして多く含まれている順番に記載されています。
この『重量を基準にして』と言う部分はポイントになるので覚えておいてください。

新鮮鶏肉、新鮮七面鳥肉、新鮮イエローテイルカレイ、新鮮全卵、

新鮮丸ごと大西洋サバ、新鮮鶏レバー、新鮮七面鳥レバー、

 新鮮鶏心臓、新鮮七面鳥心臓、新鮮丸ごと大西洋ニシン、ディハイドレート鶏肉、

ディハイドレート七面鳥肉、ディハイドレート丸ごとサバ、

 ディハイドレート鶏レバー、ディハイドレート七面鳥レバー、

丸ごとグリーンピース、丸ごとシロインゲン豆、赤レンズ豆、

 新鮮チキンネック、新鮮鶏腎臓、ピント豆、ヒヨコ豆、グリーンレンズ豆、

鶏肉脂肪、天然鶏肉風味、ニシン油、粉砕鶏骨、鶏軟骨、

 七面鳥軟骨、ドライケルプ、フリーズドライ鶏レバー、フリーズドライ七面鳥レバー

新鮮丸ごとカボチャ、新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ、新鮮ケール

新鮮ホウレン草、新鮮カラシ菜、新鮮コラードグリーン、新鮮カブラ菜、

 新鮮丸ごとニンジン、新鮮丸ごとリンゴ、新鮮丸ごと梨、カボチャの種

ヒマワリの種、亜鉛タンパク化合物、ミックストコフェロール(天然酸化防止剤)

チコリー根、ターメリック、サルサ根、アルテア根、ローズヒップ、ジュニパーベリー、

 乾燥ラクトバチルスアシドフィルス菌発酵生成物、乾燥プロバイオティクス発酵生成物、乾燥ラクトバチルスカゼイ発酵生成物


上記のようにほとんどの材料に「新鮮」とか「丸ごと」という言葉が付いていてちょっとくどい感じですね(笑)
しかしこれは日本法人の訳し方にやや問題があります。

元々はカナダの会社ですから原材料一覧も元々は英語で書かれているものを日本語にしています。
元は新鮮=Freshと書かれています。Freshは「冷凍していない」「加工していない」という意味です。
つまりここで新鮮と書かれているものは全て、未加工の生の材料を使っているということですね。

もう一つよく登場する「丸ごと」はWholeです。
これは魚なら頭から尻尾まで内臓も含めて全部使っているという意味です。

野菜ならカボチャやスクワッシュの種や皮、ニンジンの葉っぱなども全部使っているということですね。


さて、それではいよいよ原材料を順番に見ていきます。

「新鮮鶏肉」から10番目の「新鮮丸ごと大西洋ニシン」までは、前述した新鮮と丸ごとの定義をご参照ください。
よく「原材料の一番最初がチキン、ビーフなど動物性タンパク質であること」が良いフードの条件に挙げられますが
よくあるのは2番目3番目4番目に穀物がずらりと並ぶというもの。
また生の原材料は水分量が多いため重量を基準にした順番では当然上位に来るので、
実際に加工した後では水分が飛んで、ミールや植物性のものの方が割合が多いというのも
「なんちゃってプレミアムフードあるある」です。
それが10番目までが良質な動物性タンパク質であるというのは、さすがはオリジンという感じです。

さらに生の原材料の後に続く「ディハイドレート鶏肉」から「ディハイドレート七面鳥レバー」までの5品目。
ディハイドレートというのは摂氏90度で乾燥させた原材料です。
高温処理をしていないので、この時点ではアミノ酸など栄養分の減少や変質が起こっていません。
これはちょっと他のフードではなかなか見られないすごいことです。

(チキンミールやフィッシュミールは高温加工されているので、その時点で既にメイラード反応物質が発生しています。
 メイラード反応物質については こちら をご参照ください。)

その後に続く豆類。これがオリジンフードではちょっと要注意な点です。
(シロインゲン豆は黄色いサヤインゲンのことで、豆部分よりサヤがメインだから野菜扱いとします)
グリーンピース、赤レンズ豆、ピント豆、ヒヨコ豆、グリーンレンズ豆、これらは全部良質のタンパク質と炭水化物を含みます。
オリジンの売りのひとつがグレインフリーなので、穀類の代わりに炭水化物として豆を使っているとも言えます。
ただ、豆類は不溶性の食物繊維がとても豊富な食べ物です。
豆類は原材料一覧の真ん中あたりに位置していますが、全部で5種類もあるので完成したフードの結構な部分を占めると思われます。
豆類の食物繊維は摂取し過ぎるとミネラル類やアミノ酸の吸収を邪魔することがあるので、ちょっと心に留めておいてください。

豆類の間に登場するチキンネックや鶏腎臓、粉砕鶏骨、フリーズドライレバーなどは大きな安心材料ですね。
ミネラル類についてはこれだけ豊富な摂取源があれば、多少の食物繊維の摂取は心配ないかもしれません。

次に続く野菜類も特に問題はないですね。
ここで使われているカボチャというのはハロウィンのオレンジ色のあのパンプキンです。
水分が多く種が少ないので、日本人が思い浮かべるカボチャとはかなり趣が違います。
後の方でカボチャの種が出てきて「丸ごとカボチャで種も入っているはずなのに?」と思われるかもしれませんが
カボ種の恩恵を考えると、生のカボチャに含まれる種だけではやや心もとないのでしょう。

そして、もうひとつ要注意な点が下から2行目のハーブ類です。
簡単に効能を説明しますと
チコリー根 ー  利尿、消炎、肝臓や腎臓をサポートしてデトックス
ターメリック ー 抗炎症、抗腫瘍、抗酸化、肝臓サポート
サルサ根  ー  抗炎症、強壮、発汗、利尿、肝臓サポート
アルテア根 ー  粘膜保護、抗炎症、利尿、別名マシュマロウ
ローズヒップ ー 消化促進、抗酸化、ビタミンC補給
ジュニパーベリー ー 消化促進、利尿、発汗

どれも良さそうな気はしますが、ハーブは基本的に5日摂ったら2日休みたいもの。
もし私が毎日ドッグフードを利用するなら、ハーブ類は入っていない方が使い勝手がいいなあと感じます。

それとカモミールやネトルくらいのマイルドなハーブなら良いのですが
上記には割と作用の強いハーブも含まれます。
特にサルサ根(別名サルサパリラ)は腎臓疾患の犬には禁忌のハーブですのでご注意ください。
ジュニパーベリーも1ヶ月以上連続して摂取しない方が良いハーブです。

メーカーが考え抜いて作っているという感じが伝わってくるフードなので
副作用の出るようなハーブの配合はしていないと思うのですが
念のために知っておいた方が良いと思う点です。

最後の行は全てプロバイオティクスと呼ばれる乳酸菌などの微生物群ですね。
ドライフードは最終的には高温で焼き上げて製造されているので
これらの微生物がどのくらい生き残って有効に働くかはちょっと疑問なところです。
きっとメーカーも工夫をしていると思うのですが、後からプロバイオティクスのサプリを
与える方が、私の場合は使い勝手がいいように思います。

「なんだか最後の方でケチつけてるけど大丈夫?」


ケチつけたわけじゃないんだけど、他のドッグフード解説サイトなんかでは
この辺りに触れてるところがほとんど無いのよ。
でも知っておいた方が良いことだと思うからね。

とは言え、全体的にタンパク質のクオリティなどは素晴らしいと思います。

もし私がニコニヤのためにオリジンフードを利用するなら、ハーブなどのことを考えて
1ヶ月ずつ別の銘柄とローテーションで使うと思います。
原材料の魚の割合が高いので酸化のリスクも高くなるため開封後は1ヶ月以内に使い切るのがベストです。


コメント (16)
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