SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう〜アカナ

2019-07-12 23:48:02 | ドッグフード原材料シリーズ
お待たせしました。
今回のドッグフード原材料シリーズは、リクエストは頂いていないのですがアカナです。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が16のブランドを「犬の拡張型心筋症に関連している可能性」として
公表し、そこで筆頭に挙げられたフードだからです。

ちなみにアカナとオリジンのメーカーであるチャンピオン・ペットフーズ社はこのリスト公表に対して
「科学的な根拠やデータを全く示さず、極めて不公平」と抗議しています。
まったくだよ、無責任にもほどがある。

「おかーさん、この話を始めるとすごく怒り出すのよ
怒りながらあちこちに色々書いてるの 変よねー」
  
では、ベーシックなアダルトフードを例にとってまいります
 

新鮮鶏肉(11%)、鶏肉ミール(10%)、七面鳥肉ミール(10%)、赤レンズ豆

丸ごとグリンピース(9%)、そら豆(8%)、新鮮鶏臓器(レバー、ハツ、腎臓)(6%)

ニシンミール(5%)、鶏脂肪(5%)、緑レンズ豆(5%)、丸ごとイエローピース(4%)

新鮮全卵(4%)、新鮮丸ごとカレイ(4%)、ニシン油(3%)、日干しアルファルファ(3%)

エンドウ豆繊維、新鮮鶏軟骨(2%)、乾燥ブラウンケルプ、新鮮丸ごとカボチャ

新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ、新鮮丸ごとパースニップ、新鮮ケール

新鮮ほうれん草、新鮮カラシ菜、新鮮カブラ菜、新鮮丸ごとニンジン

新鮮レッドデリシャスリンゴ、新鮮バートレット梨、フリーズドライ鶏レバー

フリーズドライ七面鳥レバー、新鮮丸ごとクランベリー、新鮮丸ごとブルーベリー

チコリー根、ターメリック、オオアザミ、ゴボウ、ラベンダー、マシュマロルート、ローズヒップ

ビタミンEとローズマリーで天然保存、添加栄養素(1kg中):亜鉛キレート:100 mg、

畜産学的添加物: 腸球菌フェシウム

以前にオリジンのフードの原材料を見ていった時に書きましたが
それぞれの原材料に「新鮮」とか「丸ごと」という言葉が付いているのは
決してただのキャッチコピーではありません。

新鮮=Freshですが、これは冷凍していないとか加工していないという意味でもあります。
つまり新鮮と付いている原材料は全部生の状態で原材料として加えられています。
他のフードで単にトマトとかチキンとか書いていても、乾燥させた繊維のみとか
実は加工したチキンミールであるという例はたっくさんありますから
そういうものから一線を画す意味で付けられている言葉です。

一番最初の原材料は新鮮鶏肉=生の鶏肉ですね。
重量基準で一番多く使われている材料です。
ただし生の肉は水分を多く含むので、加工後に水分が飛んだ状態では
この製品の実質の一番多く使われている原材料は2番目と3番目の
鶏肉ミールと七面鳥ミールです。

家禽のミールは肉、皮、骨を加熱して脂を搾り、乾燥させて粉に挽いたものです。

赤レンズ豆は炭水化物源でもありますが、食物繊維も多く含むので
血糖値の上昇が緩やかな低GIの食べ物です。又タンパク質も多く含みます。

丸ごとグリーンピースの丸ごとというのは、グリーンピースの粒をそのまま使っているということです。
他のフードではグリーンピース(エンドウ豆)の繊維だけ、タンパク質だけという
加工品が使われることが多いので、そこを区別しています。
良質な低GIの炭水化物、タンパク質、食物繊維を多く含みます。

そら豆もグリーンピースと同様の特徴の栄養を含む他、ミネラルやビタミンB群も含んでいます。

生の鶏の臓器、レバーとハツ(心臓)腎臓、これだけ内臓肉が使われていれば
鉄やセレンなど微量元素やビタミン類もしっかり摂取できます。
ちょっと前後しますが、後半3分の1あたりにフリーズドライ鶏レバーと
フリーズドライ七面鳥レバーという記載があります。
フリーズドライで水分が飛んでいるので重量が軽くなって後半の記載ですが
レバーの成分は相当しっかり含んでいるはずです。
このフードの添加サプリメントが亜鉛のみなのは、原材料に含まれるビタミンや
ミネラル類で必要量が摂取できるからです。

ニシンミール、通常のフィッシュミールは人間の食用にはなりにくい小魚を
丸ごと加熱乾燥して挽いて粉にしているのですが、ニシンの場合はどうなんだろう?
探してみたけれど、ニシンミールについての詳細が見つかりませんでした。
アメリカ産のフィッシュミールにはエトキシキンの使用が義務付けられている件は
今までにも何度も書いている通りですが、カナダでは義務では無いんですよね。
魚のミールは酸化しやすいので、酸化防止剤は必須なのですがEUなどでは
効果的でエトキシキンよりも安全性の高い酸化防止剤が使用されています。
この辺りがちょっと曖昧で申し訳ありません。
ニシンミールは魚のタンパク質なのでタンパク源としては頼もしい存在ですが
加工の過程でオメガ3脂肪酸などはあまり期待できない状態になっています。

鶏脂肪はオメガ6脂肪酸であるリノール酸の他、コレステロールを低下させるオレイン酸も豊富です。

緑レンズ豆は赤レンズ豆と栄養面の特徴はほぼ同じです。
丸ごとイエローピースもグリーンピースの色違い。

新鮮全卵、卵はタンパク質だけでなく、各種微量栄養素が摂取できるので心強い食材です。
新鮮丸ごとカレイ、これは生のカレイが頭から内臓まで全部使われているという意味です。
ビタミンやミネラル類がバランス良く摂取できますね。
ニシン油はフィッシュオイル の中でもタラやサーモンと並んで良質なオイルです。
オメガ3脂肪酸の摂取源として理想的です。

日干しアルファルファ、ウマゴヤシとも呼ばれる栄養豊富な野菜です。
草食動物の飼料によく使われるのですが、最近はドッグフードでも良く見かける名前です。

エンドウ豆繊維はエンドウ豆の皮を乾燥させて挽いたものです。
ドライフードではつなぎの役割も果たしています。

鶏軟骨が使われているフードは珍しいですね。
チキン副産物の中に含まれているフードはあるでしょうが、独立した食材としては珍しい。
コラーゲンを含むので、関節炎のサポートに最適です。

その後はずらりと野菜や果物が並んでいますね。
ちょっと珍しい名前はパースニップくらいでしょうか。
パースニップは白っぽいニンジンと言った感じの根菜です。
ビタミンB群が豊富で、加熱すると甘みが強くなります。

下から3行目は全てハーブです。
注意事項はオリジンと同じ。オオアザミ(ミルクシスル)のような長期間摂取しない方が
良いハーブも含まれていますので、他のブランドのフードとローテーションをお勧めします。

添加サプリメントは亜鉛とプロバイオティクスの腸球菌フェシウムのみですね。
昨年末から続いているビタミンD過剰添加の事故のことなどを考えると
可能な限り食品から栄養素を摂取するというのは理想的だと思います。


「それでどうなの?FDAはあんなこと言ってるけど良いフードなの?」

うん、どこからどう見ても良いフードだと思う。
オリジンのフードでは使っていないミールが入っている分、栄養の保存や吸収の点では
ちょっとだけ落ちるけれど、その分価格も少し安いし、少量のトッピングで補える範囲です。
他社の製品で言えばNOWフレッシュとGO!のような位置付けですね。

FDAの警告ではエンドウ豆やレンズ豆が含まれているフードが対象になっています。
アカナのフードにもエンドウ豆やレンズ豆が使われていますが、豆類の他に動物性の
タンパク質もしっかり含まれているから、必須アミノ酸が不足しているとも思えません。

食物繊維も粗繊維5%以下ということで、それほど多いわけでもありません。

ものすごーく強いて言うならば、他のフードでよく見られるタウリンの添加がありません。
アカナのフードを利用されていて、今回のFDAの発表が気になってしまうけれど
色々な理由で他のフードに変えたくないという場合は、タウリンのサプリをプラスするか
少量のお肉を茹でてトッピングするというのも一手です。

アカナのフードは最近レシピがリニューアルされたんですね。
以前のレシピよりもミールの割合が少なくなって、品質がアップしています。
原材料一覧を見ているだけで、企業として努力していることが感じられるフードです。

ピュリナワンやヒルズ、ロイヤルカナンの原材料を見ていて感じる腹立たしさや嘆きに
比べて雲泥の差ですよ。

チャンピオン・ペットフーズ社、なんとか乗り切って欲しいと心から思います。

コメント (7)
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