SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう クプレラ

2020-01-17 20:44:08 | ドッグフード原材料シリーズ
2020年最初のドッグフード原材料シリーズです。

「いつも更新が遅くてほんとすみません うちのおかーさんが」

今回はクプレラ。 これもキアオラナチュラルハーベスト のような日本企画で海外生産の製品です。
 

鹿肉、サツマイモ、燕麦、魚類(ギンヒラス、シロギス、豪州真ダイ)、カノラオイル、フラックスシード、

藻類(昆布)、アマランサス、 モンモリロナイト、ユッカ、リンゴ、ブルーベリー、白菜、アルファルファ、

タウリン、珊瑚ミネラル、チコリ、 活性酵素、プロバイオティクス(好酸性乳酸桿菌、機能性酵母、陽性桿菌)

 多糖類、必須アミノ酸( アルギニン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、
メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン)

ビタミン&キレートミネラル(カロテン、塩化コリン、 炭酸カルシウム、 ビタミンE、鉄、ビタミンA、
亜鉛、ナイアシン、葉酸、チアミン、ビタミンB6、マンガン、 ビタミンK群、ヨウ素)

一番最初に鹿肉が記載されています。
オーストラリアの農場で成長ホルモンや抗生剤不使用の餌で飼育された鹿の肉だそうです。
原料として生の状態で使われているので、重量のうち水分が占める割合が多い点は考慮しておきましょう。

サツマイモと書かれていますが、原料の原産国はアメリカとオーストラリアだということなので
これは正確にはスイートポテトという違う種類のものですね。
炭水化物源ですが、βカロチンや食物繊維も豊富に含みます。

燕麦は別名オーツ麦、オートミールの原料ですね。
食物繊維やビタミンミネラル類を多く含んでいます。
麦の一種ですが小麦グルテンとは違う種類のアミノ酸を含んでいます。

魚類と記載された3種の魚はどれも白身の魚です。
ギンヒラスはスズキの仲間で日本では切り身でよく売られている比較的安価な魚です。
シロギスはキスの一種です。これは高級魚なので多分市場に出ない小さすぎる物が使われているのだと思います。
豪州真ダイは日本の真鯛と非常によく似た鯛です。
これらも鹿肉同様、重量のうち水分が占める割合が多い点を考慮してください。
つまり2つの動物性タンパク質源は調理後は水分が飛んで正味量が少なくなる状態で含まれており
その2つの間に調理後もあまり重量が変わらないと思われるイモと穀類が記載されているということは
調理後の状態でこのフードのうち最も多く含まれるのはイモと穀類である可能性が高いということです。
この製品の粗タンパク質が20%以上と書かれていて、このクラスとしては低めである点からもそれが伺えます。

カノラオイルはキャノーラとも表記されますね。
菜種から採った油ですが従来の菜種油と違うのは品種改良によってエルシン酸とグルコシノレートを
含まない品種から採油されています。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をバランスよく含むオイルですが、犬の場合は植物性のオメガ3は
体内で有効な形に変換することができない個体が多いので、オメガ3摂取源としては期待できません。
カノラは遺伝子組換え作物の代表でもあり、その点でカノラオイルを避ける人も多いです。

フラックスシード 、日本語では亜麻仁です。
大型の胡麻のような感じの見た目ですが、食物繊維、抗酸化物質を多く含みます。
植物性のオメガ3脂肪酸を含む食品の代表ですが、犬の場合にはオメガ3摂取源としては期待薄です。

藻類(昆布)ヨード源としてフードの原料に使用されます。
ただ、原材料一覧の比較的上位に記載されている=使用量が多いのに、一覧の最後の方に
ミネラル添加物としてのヨウ素の記載もあり、疑問を感じる点です。

アマランサスは穀物の一種で、見た目はヒエやキヌアとよく似た小さい粒粒です。
ビタミンB群やミネラル類を豊富に含みます。

モンモリロナイトはクレイ(粘土)の一種です。
ドッグフードの原材料としてはとても珍しいですね。
飼料の添加物として認められているもので、ミネラル類を豊富に含みます。
以前にニコがお腹を下した時に処方されたクレイも同じ種類のものです。(こちら

ユッカはリュウゼツラン科の植物の地下茎で海老芋に似たイモのような形状の作物です。
抗炎症作用があり、関節炎のサプリなどにも使用されます。

りんごはビタミンC、カリウム、食物繊維源として最適です。
ブルーベリーはビタミン類の他アントシアニンと呼ばれる抗酸化物質を多く含みます。
白菜は食物繊維、ビタミン類の摂取源としてニュートラルで使いやすい食材です。
アルファルファは和名ウマゴヤシとも呼ばれるほど栄養豊富。ビタミンミネラル類を多く含みます。

タウリン、肉類や魚類に含まれるアミノ酸の一種で、各臓器や筋肉内で重要な役割を果たしています。
犬の場合、必須アミノ酸の一つであるメチオニンをしっかりと摂取していれば体内で合成することができるので
必須アミノ酸ではありませんが、調理の段階などで吸収率が低下したりするため添加されているフードが多いです。

珊瑚ミネラル 海底などに落ちた珊瑚のカケラには炭酸カルシウムを始め多くのミネラルが含まれます。
人間用のサプリメントとしても珊瑚ミネラルは市販されていますが、そのようなものかと思います。
ただ、これも先のヨウ素と同様、原材料一覧の最後の方に添加物としてのミネラル類も記載されているので
特定のミネラルの過剰摂取などは大丈夫なのかな?と疑問がある部分です。

チコリは野菜としても薬効のあるハーブとしても使用されます。小型の白菜みたいな見た目で
苦味があり、抗炎症作用や駆風作用(お腹のガスを出す)があります。

活性酵素、最初に見た時活性サンソかと思い「それは毒じゃないか!」と思ったらコウソでしたね。
でも活性酵素って何なのかは製品の公式サイトを見ても全くわかりません。
酵母と混同されがちですが酵素は生き物の体の中でタンパク質を基に構成される「物質」です。
一方酵母は微生物で酵母そのものが「生き物」です。
どちらも色々な種類があり、種類によって作用も違います。
食品の原材料として一般向けに表記するなら「パパイヤ酵素」とか「ナットウキナーゼ」とか
由来と種類がわかるくらいのことはしないといけないと思います。

プロバイオティクスは2種類の乳酸菌と酵母が配合されているようです。
腸内環境を良好に保つための微生物群ですね。
個人的にはドッグフードにプロバイオティクスを配合しても、どれだけ有効なのか怪しいと思っているのですが
効果はなくても害にはならない程度に思っていればいいかな〜という感じです。

多糖類、これも酵素と同じくどんな種類の多糖類なのか書かれていないのでわかりません。
フードに配合されることが多い多糖類はフラクトオリゴ糖、水溶性食物繊維と分類されることもあるイヌリン、
エビカニなどの殻から採ったキトサンなどがありますが、何が入っているのか明記して欲しいところです。

そして次の必須アミノ酸。いろんなドッグフードの原材料一覧を見て来ましたがこんなの初めてです。
必須アミノ酸は体内で合成できないので必ず食物から摂取しなくてはいけないアミノ酸ですが
通常は肉や魚、卵といった動物性タンパク質食品から摂取することができます。
加熱などで壊れやすいメチオニンやリシンだけを後から追加で添加しているフードはたくさんありますが
必須の10種類全部添加してるフードなんて他に見たことがありません。
別に毒にはならないけれど、考えるの面倒だから全部入れてみたという感じにすら見えます。
原材料の一つ一つに原価があり製品価格に反映されるわけですから、無駄なものを添加するのは
消費者にとってもデメリットになります。

そして最後のビタミン&ミネラルについては、上で昆布や珊瑚ミネラルの項目で述べた通りです。
ミネラルがキレートミネラルと表記されているのは、アミノ酸などと結合させて
吸収しやすい加工が施してあるという意味です。

それからこれは「原材料一覧に書かれていないもの」なのですが、酸化防止剤が記載されていません。
天然由来のミックストコフェロール(ビタミンE)とかローズマリーエキスがプレミアムフードの定番ですね。
公式サイトで3層構造のパッケージと脱酸素剤で対応と書かれていますが、開封後に空気に触れると
酸化が進んでいくわけですから、ちょっと心配です。

「なんだかもうすでに文句タラタラじゃない?」

文句を言ってるわけじゃないんだけれどね、色々と詰めの甘さは目に付くなあと思います。

製品そのものは原材料を見る限りでは悪くはないです。
でも上に書いたように、説明がなかったり、有っても不十分で分からないことが多過ぎます。

取り上げたのとは別の製品である、グレインフリーのプレミアムチキンとプレミアムベニソンは
英語でRAW DEHYDRATED DOG FOODと表記されており、これを日本語にすると生の乾燥ドッグフードになります。
通常はRAW DEHYDRATEDというと生の状態でフリーズドライにした食品なのですが
この製品の説明では「低温調理」と記載されています。低温調理はRAWとは言えません。

穀類は農場から直接仕入れた今年度収穫のものを使用とか、成長ホルモンや抗生剤を使っていない肉とか
良い点も色々あるのに、公式サイトではその情報が生きておらず、説明が不十分な箇所が多いのが残念です。

「製品が悪くなくて、情報が足りないだけなら、食べる分には問題ないんじゃないの?」

製品に関する情報をわかりやすく明確に伝えることは製品管理の一環です。
説明責任が果たされていないということは、万が一リコールや製品の不備があった場合に
情報が伝わるのが遅くなったり不十分になったりして、事故につながる場合もある。

そういうわけで、原材料一覧から読み取れる情報の不十分さに不安を感じるなあという感想です。

次回は対照的なフード「ピュリナプロプラン」を取り上げる予定。 ちょっとコワイ😅 
コメント (2)
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