神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.415 多喜二忌

2025-02-21 23:22:34 | 文書・文献
(1)昨日(2月20日)は、小林多喜二が特高の拷問によって虐殺された日でした。下の年譜゚に、「(1933年)2月20日、赤坂福吉町で連絡中に、築地署の特高に逮捕され、警視庁特高により午後7時45分殺される。」とあります。
 
(2)2008年9月に『劇画「蟹工船」 小林多喜二の世界』(講談社+アルファ文庫)が刊行されました。読まれた方もあるかもしれませんが、下にそのカバー部分を載せました。
 


 もちろん原作も読みましたが、この「劇画「蟹工船」」、それからこの末尾に付けられた「写真でたどる小林多喜二の世界」、島村輝(女子美術大学教授)「解説「蟹工船」ー 時代を揺り動かすことばの力」、いずれもたいへん興味深い作品と思いました。

(3)ところで、小林多喜二の作品に「健坊の作文」があります。内容は北海道の蜂須賀農場の小作争議のことを扱った、4ページの短い児童作文の体裁をとった作品です。電車に乗っている時ならば、一区間で次の駅に着かないうちに読みを終わってしまうほどの短編です。

(4)私が、この作品を知ったのは、「少年戦旗」の復刻版の刊行を知らせるパンフでした。『少年戦旗』が復刻刊行されたのは1977年11月ですから、もう47年前のことです。そのころ私は、修士論文のテーマや、同時に文章についていろいろなものを検討していて、このパンフに引用された短編冒頭の1段落を読んで感動し、しかも内容が蜂須賀農場の小作争議を扱ったものとわかったので、研究に関わる手がかりがあるあるかもしれないと期待しましたが、あまりの短さにそれ以上には関心を払うことはなく、ほかは文庫に入っているものを読んだくらいでした。

(5)小林多喜二の作品・業績を収集して全7巻に編纂した人に手塚英孝という人がいます。手塚氏が編纂したものが1982年頃に刊行されましたが、これが「定本版」といわれているもののようです。
 その後、10年ほどが経過する間に未収録文献が38点が見つかり、これを収録して「決定版全集」が作られました。それが下に載せるパンフレットのものです。
 なお、手塚英孝氏には『手塚英孝著作集』(全3巻、1982~3年刊、新日本出版社)があります。この人の著作は、小林多喜二について知りたい方には不可欠ですが、それだけでなく、寡作ながら、作品も深いと思われます。

(6)長くなりましたが、上の劇画を読んで、小林多喜二の作品のうち文庫に入っていないものを読みたいと考えて検索すると、なんと「定本版」全7巻が1500円と出ていました。眼を疑いましたが、問い合わせたところ、状態は悪くないことがわかったので、ともかく、1冊の新刊の文庫を買うよりも安いのに惹かれて買いました。
 まあ、満足です。しいて難点をいえば、全集物は何でも場所を取るということですね。

    
     北桔橋門〔きたはねばしもん〕まえから毎日新聞社方面

【コレクション 173 小林多喜二全集】
 このパンフの大きさはB5判6㌻です。A5判の横長の用紙3枚分を、最初に左から3分の1を折り込み、次に右から3分の1を折り込むとできます。
 下には、1~4㌻を載せました。長くなりましたから、これについてはもう説明を略します。
 なお、3・4㌻は見開きです。
 5㌻ 「追悼詩」:60年目の2月20日がめぐってくる
    推薦文 
     宮本顕治 日本共産党中央委員会議長 先駆的で不滅
     小田切進 日本近代文学館理事長・立教大学名誉教授 日本文学史上比類ない作家
 6㌻ 装丁見本 特色 
    刊行案内:四六判 平均583㌻ 定価4万2千円(特別定価3万9900円)
         1㌻     

    
         2㌻

        三浦綾子『母』がありました。

         3㌻

       4ページに続く     
          4㌻


 以上です。
 今日はここで。

    
      今日の西の空
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No.414 逆転してる 

2025-02-21 01:03:20 | 文書・文献
(1)もうだいぶ前のことですが、
   〽めて(右手)に~しちふ~だ(質札) 
    ゆんで(左手)に~ば~け~ん(馬券)
 という歌がありました。
 この元歌は・・・。オット、そうではなく、今日、宮内公文書館へ閲覧に行った帰りに、
   右手にスマホ 左手にタバコ 帰宅の勤め人の間をうつむき加減で自転車
 という人を見ました。

(2)もちろん、「あぶない、ヤメロ!」といいましたが、考えたところ、象徴的なことだなと気付きました。
 スマホは今のことです。でも、自転車に乗りながらの「ながらスマホ」では、「有用な機能を使いこなす」ような使い方ができているとは思えません。ろくなことには使っていないに違いないといっても言い過ぎではないでしょう。きっと。
 一方、タバコはもう時代遅れです。昔の映画では「カッコつけ」の場面で使われる代表的なグッズでしたが、どこでどう吸おうともタバコは「周囲に迷惑をかけてます」。そもそも「迷惑行為をしながらくつろぐ」などという勝手な行為が許されてよいはずがありません。

(3)では、なぜそうなるのでしょうか。やっぱり、無自覚としか言えません。では、その無自覚とはどういうことでしょうか。おそらく、自分の存在が社会とどうつながっているかに考えが及んでいないということではないでしょうか。
 前にも書きましたが、この社会は、最近のコメの流通などでもわかるように、人と人とが(米を作る人と買う人というように)依存しあっているのに、現実には「売り手」と「買い手」に分離しています。そして、依存(どちらかでは成り立たない)関係にあるのに、現実には、米を作って売る人と買う人という姿に見えるのです。つまり、実際には依存関係にあるのにお互いに他人と見えてくるのです。転倒です。逆に見えてくるのです。だからバ~ラバラ。

(4)そして、不幸にも、タバコのようにこれまで社会一般にいかにもステイタスであるかのとような見方をされてきたものがたくさんあります。
 たとえば、オヤブンはエバル・・・。男は雄々しい・・・。女は女々しい・・・。男が女遊びをするのはカイショー・・・。
 
(5)えっ! この頃は、女が男を?
 でも、あれは「奴隷」。それも、ずいぶんヒドイ。
 ・・・。
 
(6)ワシャ、のんきに暮らしたい!
 それなら、自覚的に生きないといけない!
 おい、転倒じゃないか? どうしてくれるんだ!
 
     
     竹橋から

         
     緋桜(ひざくら)が芽吹いてます

【コレクション 172 婦人運動】
 女性がみなうちのカミさんくらい強かったら、世の中はさぞ平和でしょうなあ!
 オット!もちろん本心です。

 このパンフの大きさはA4判8㌻です。A3判の用紙2枚を重ねて二つ折りするとできます。
 下に、1・2・3㌻と6・7㌻を載せました。
 1・2・3㌻は、創刊号の「発行に際して」があり、2㌻には「復刻の辞」、「奥むめおの事歴」があります。
 4・5㌻ 推薦文
      一番ヶ瀬康子 女性運動の普段着の記録として
      児玉勝子 歴史の証言者『婦人運動』
      松尾尊兊 近代女性誌の残された宝庫
      中村紀伊 女性運動の原点を確めるために
      丸岡秀子 すべての働く女のために
 6・7㌻は関連図書と『婦人運動』関連年表です。出版社の面目躍如と見ました。
 8㌻ 刊行案内 全30巻・別冊1 総㌻約1万㌻ A5判 全6回配本
         本体揃価格:30万円 1990年復刊 不二出版
        1㌻


        2㌻


        3㌻


        6㌻


        7㌻

 以上です。
 今日はここで。

    
     今日の西の空
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No.413 オヤブン!

2025-02-18 23:18:19 | 時評
(1)今日、アメリカとロシアの代表が会談しました。何をどう話したのか目下のところ不明ですが、はっきりしているのは、ウクライナをカヤの外に置いての話し合いだったということです。当事者のウクライナの意向を汲まないまま、両大国が頭越しに話し合いをするなど、極めて独裁的です。

(2)ウクライナ戦争の早期終結には賛成です。しかし、それはこの戦争をウヤムヤのうちに終わらせることではありません。ウクライナの領土主権を尊重すること、国際法に反して戦争を始めたロシアとその指導者プーチン氏の責任を問うこと、これを不可欠の前提とするものでなければならないでしょう。そして、トランプ氏の恣意的な行動のようなやり方でなく、国連の場を通じて世界平和の意向を喚起しながらやっていくべきである。

(3)一方、国内では新年度予算審議が大詰めのところに来ています。衆議院を通過して、その後の参議院の審議を考えると、ここ2~3日が山場です。
 とくに、新年度予算も重要ですが、そのあと26・27年度へと防衛費〔軍事費〕がどんどん増加していく構造が出来上がってきています。かつては予算の1%枠に抑えることでもめたことがありましたが、もう2%。これが、この先はアメリカの求めるままに3%を突破していくのも辞さないというのが石破政権の姿勢です。

(4)このこと自体が憲法上の大問題ですが、同時に、そのために社会保障費や教育費などの国民に必要な経費の割合がどんどん低下させられてきています。にもかかわらず、こういうことが国会でまともに議論されず、103万円の壁の駆け引きの話ばかり。そして、これに野党もマスコミも国民も目を奪われてしまって、肝心なことが議論の中心から外されてしまっています。そういう肝心なことがほとんど取り上げられていません。
 103万円を150万円にするにしても、178万円にするにしても、失業者や年金生活者にはまず関係ありませんが、軍事費増加による社会保障費の削減や、場合によったら消費税率引き上げの方が、比べ物にならないくらい影響が大きいです。こちらは、国民全体に被害と負担が及びます。

(4)ウクライナ戦争解決も、来年度予算も、肝心なことはカヤの外です。
 これは関係者が自分のご都合で結論を急ぐ姿です。????。
 そうです。混とんとさせておいて、その挙句に、エイ、ヤー!と、都合のよい結論を押し付ける・・・。注意しましょう。
 
   
    さざんか

【コレクション 171 金日成回顧録】
 北朝鮮関係のものは、日本から「祖国」へ帰った山本君のご家族のこと、留学先で知り合った朝鮮人学生たちのこと、大韓航空機爆破事件のことなどなどいろいろあって、30~40代ころにあれこれと集めて読みました。日本と北朝鮮貿易なども定期購読者になって調べてみたことがあります。
 その時思ったのは、最近のコメ投機と同様に、誰かがうまい汁を吸っているということです。
 そして、北朝鮮が(そして中国・ロシアも)、依存関係にある日本を潰しにくることはないというです。もちろん、事情がだいぶ変わりましたから、何かの小競り合いはあるかもしれません。でも、地道に外交続け、日本が突飛な反発をしないかぎり、今も同じです。例の尖閣問題の発端が日本の側(石原東京都知事)に原因があったのを見ればはっきりしています。

 さて、今日あらためて検索してみたところ、この本は全8巻あり、1991年12月頃から1997年くらいまでかかって翻訳・出版され続けたようです。
 パンフは最初の1・2巻刊行の際のパンフです。大きさはA4判4㌻で、A3判の用紙を二つ折りにしてできています。4㌻とも載せました。なお、2・3㌻は見開きです。
        1㌻


        2㌻



        3㌻ 



        4㌻

      推薦者が興味深い。
  以上です。
  今日はここで。明日はお休みです。

     
    今日の西の空
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No.412 ふられるかな? 

2025-02-18 00:50:22 | あそび
(1)天気、どうなるでしょうか。いま、我が家の上空には満天の星と月が見えています。
 しかし、天気予報では、ヒョットシテ東京・奥多摩方面にも雪が飛来しそうです。ハッピー!(オット、雪の多い地域の皆さんゴメンナサイ)
 降り方にもよりますが、そうヒドイ降り方にならなければ、雪景色を見たいところがありますから、出かけます。もちろん、高いところはたいへんですから、低いところ2ヶ所。
 一つは***。もう一つは**峠。
 夢ははかないもので、うっかり口にすると、蜃気楼ように遠ざかってしまいます。
 うまくいったらもちろん紹介しますから、今は内緒。きっと、きっといいですよ。
 
(2)ということで、今日は早く眠る練習のため、ここで止めます。
 気力のある方は、九龍城を探索してみてください。

    
    北桔橋門(きたはねばしもん)で

【コレクション 170 九龍城】
 このパンフは香港にあった九龍城です。九龍城の説明は、下に載せた4㌻目にありますから、そちらをご覧ください。
 大きさは、横長のB5判4㌻で、B4判の用紙をタテに二つ折りしてできています。
 1㌻ 外観 
 2~3㌻ 内観
 4㌻ 九龍城の説明と写真 本書の特色 
    刊行案内 B4判 40㌻ 定価2600円 1997年7月刊 岩波書店
  1㌻

  *継ぎ足して点に至る感じは圧巻です。

  2・3㌻
 
 同様に内部構成を紹介したものとして「No.277 大帆船」があります。そちらもご覧ください。

  4㌻

 左下に「芳林堂書店 池袋本店」の印が見えます。
  1997年頃に立教大学経済学部に出講しましたから、その時の収集してきたのかもしれません。

 以上です。
 今日はここで。

   
     17日24時の月
      月もまた 右から現われ 左へ欠けゆく

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No.411 データ破損 2

2025-02-17 00:49:18 | 閑話
(1)昨日、データ破損のことを書きました。今日は、その跡片づけと、ほかのデータの状況にについていくらか調べてみました。
 データといっても、これまでに作成したSDカードやDVD、USBなどの資料の全部を点検するとなると、それに掛かり切りでやっても半年から一年かかる量になっています。これを短時間で点検するのは無理ですから、とりあえず最近使用したもの何点かを調べてみることにしました。すると、一つ見つかりました。なんとこのブログの複製でした。
 
(2)ブログに書いたことには責任がありますから、記録のために電子記録と紙の印刷とを残しています。
 電子記録の方は、USBに毎回のブログ本体と、載せた写真・パンフレットを残しています。また紙の方は、50回分ずつ8冊(9冊目)に整頓してあります。
 ですから、記録として心配はありませんが、研究作業のほかのものとしてはふだんいちばんよく使っているものですから、念のため見てみました。すると、No.58~No.118のところが開けなくなっていることがわかりました。

(3)SDカードの破損理由も、とくになぜNo.58~NO.118の辺りが破損したのかもまだ不明です。調べたところ、うまくいけば復元の可能性もあるようです。そういう宣伝を読みました。
 しかし、これでみなさんに迷惑がかかるわけのものではありませんし、自分にとってもすぐに困ることがあるわけではありませんから、さらに被害が拡大するのでなければ、放っておくつもりです。もし何かお気づきのことがある場合にはお知らせいただけると幸いです。
 
   
     多摩川べりで

【コレクション 169 北方未公開古文書集成】
 日本の北の領土は、歯舞・色丹の2島だけでもなければ、国後・択捉を加えた4島だけでもありません。カムチャツカ半島南の占守〔しゅむしゅ〕島までですよ。
 戦後処理の基本である「領土不拡大方針」を決めたヤルタ協定に反してのスターリンの暴挙と、日本の卑屈な対米政策の結果、現在のようになってしまっただけですから、これからの外交によって、ソ連〔現ロシア〕の誤りを主張し、アメリカと従属的な軍事関係でない対等な関係を樹立して、世界的の国々との平和条約締結を実現する中で相互理解によって解決すべき重要課題です。
 ところで、先日、ネットのオークションを見ていたら、『北槎聞略 大黒屋光太夫ロシア漂流記』のロシア語版が出ていました。今は岩波文庫で簡単に読めますが、どう訳されているのか興味がわいてきて、買う買わない、読める読めない、と、だいぶ悩みました。北方の歴史も興味深い。
 このパンフの大きさは、B5判4㌻、B4判の用紙を二つ折りしてできています。
 単色というか、シンプルですが、下に4㌻とも載せました。説明は略します。
         1㌻

        
         2㌻

         
          3㌻


         4㌻


  以上です。
  今日はここで。

    
     おととい(十六夜)の月
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