宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

喪失から再生へ

2019-04-06 20:02:41 | 日記
NHK2chの「心の時代」という番組で、癌の権威の先生が奥様を亡くされた後の心境、喪失から再生のお話がありました。
今の私には共感するところがいろいろありました。

やはり長い間連れ添った相手ですから悲しく3か月間はひたすら泣いてばかりいらしたそうです。ご遺体が家にある間は会話をずっとしていたところ、お骨になってしまうと会話が出来ず、大変な喪失感に襲われ、見慣れたものを見ると涙、しかしひたすら悲しみ泣いたことで自覚的に自力で立ち直ろうという気持ちが出てきたのです。これをgrief workと言うそうです。

夢中で何かすることでその間だけでも悲しみを忘れる、幸いまだお仕事をされていたのでお仕事をしていくうちに、新しい趣味も始めたり、ご自身も何度かお病気をされたのでその時のことや、奥様がお病気になった時のことを書き始められました。「癌と人生」という本も出版されたそうです。いつも手帖の間に奥様の写真をはさんで上着の胸ポケットにいれていらっしゃり、奥様に対する感謝の気持ちを持って四国の88か所お遍路されたりしていくうちに徐々に悲しみから再生の方向に行き、今では癌の患者さんやその家族に向けた講演などされているとのことです。

私も昨日四十九日の法事を済ませ、ホッとした半面、これで本当にこの世からいなくなってしまったのだという感情が出、親族がいろいろと思い出話をして供養してもらいましたが、如何に素晴らしい人だったのかと、本当に本当に大切な人を亡くしたのだと思うと喪失感がどっと沸いてきました。

しかし丁度その時にこの番組に出会え、私も喪失から再生に向わなければと久し振りに夜のウォーキングに出かけました。小一時間速足で歩いてきましたら気持ちよく心も軽くなった気がしました。
茶道教室も風炉の時期に変わる来月から再開する予定です。夢中になるものがあること幸せ・・・

先の番組で最後にその先生がおっしゃったことは「死は生物的には何もなくなることで、残った人は極楽に行ったのだと考える」ことだそうです。それしかないですね。

私もそのように考えて、主人の写真をいつも肌身離さず持ち歩き”いつも一緒”の気持ちでいようと思います。
コメント
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