宋斤の俳句「早春」昭和九年四月 第十七巻四号 俳句
子規の句碑 祝建碑
句碑建ちし子規句碑成りし春麗
句碑の前句を読み仰ぎ春の風
風光る句碑南面して高し
凧
一翁のうづくまり野は凧
凧を見て河内大和と旅にある
凧の子の野深帰ると連れにけり
町川や大船よりぞ凧のぼる
名の浦の蛤汁や夜に著いて
蛤の籠を舳に舟著きぬ
玉を洗ふ音にも似たり小蛤
早春社三月本句會
夜の音は水邊いずれぞ花近し
山なみに夜明かりのして花近し
囀れる頬よまのあたり
頬を行く風は浦輪に花近し
早春社わだつみ例會
俎に二月の小魚揃えけり
子が持つを吹いてまはすや風車
早春社浪速例會
芦の角風ひたぶって雲にあり
春あられ臨水亭に朝して
早春社無月例會
残寒や雀が土にひるがへる
枝の中透く日のあれば春落葉
早春社立春例會
春光の檪ふかふか枯れながら
蛤も乾きて厨の晝しづか
子規の句碑 祝建碑
句碑建ちし子規句碑成りし春麗
句碑の前句を読み仰ぎ春の風
風光る句碑南面して高し
凧
一翁のうづくまり野は凧
凧を見て河内大和と旅にある
凧の子の野深帰ると連れにけり
町川や大船よりぞ凧のぼる
名の浦の蛤汁や夜に著いて
蛤の籠を舳に舟著きぬ
玉を洗ふ音にも似たり小蛤
早春社三月本句會
夜の音は水邊いずれぞ花近し
山なみに夜明かりのして花近し
囀れる頬よまのあたり
頬を行く風は浦輪に花近し
早春社わだつみ例會
俎に二月の小魚揃えけり
子が持つを吹いてまはすや風車
早春社浪速例會
芦の角風ひたぶって雲にあり
春あられ臨水亭に朝して
早春社無月例會
残寒や雀が土にひるがへる
枝の中透く日のあれば春落葉
早春社立春例會
春光の檪ふかふか枯れながら
蛤も乾きて厨の晝しづか