早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和二年八月 第四巻二号 近詠 俳句

2020-08-14 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和二年八月 第四巻二号 近詠 俳句

夜の海に西瓜食わんと漕ぎ出でぬ

投げ花火して人聲や原ひろく

煙硝の匂ひはあまし花火殼

陶床のあつさあつめて芝の上

雀来た蜂来てあつし石灯籠

みちみちのあつさにこまかや涼み䑓

渺々の水前にして蝉の晝

蝉涼し泉湧く邊は夏わらび

草いきれ柑子の花のちりながら

  早春社六月本會
夏木立庭となりきて梅楓

寺の庭夏木立して雀哉

川下や更けて何くむ橋涼み

  早春社七月本會
村中に海透き雲の峰低し

泊船に夕飼のけむり喜雨はげし

  打出句會
橘の花の匂ひに夏かすみ

瀧の音遠く老鶯頻りけり

  夏夜句座
宮の燈をうしろに蚊火の一二軒

松風や朝の蚊やりの焚きくづれ

  紅詠社

桑畑の中沈む月通し鴨


  

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