宋斤の俳句 「早春」昭和三年四月 第五巻四号 近詠
花
花ざかりしずか照る日に山の水
花の中ふかきに仰ぐ空の色
鳥は地に水にかけりて花旦
わたる風花の梢のおちこちに
水の邊に巌たち櫻月夜かな
かたらひつ落花を指につまみつつ
花の彼方に懈くもつゞく山の波
滝野行
青を踏みて浅ければ瀬を渉るかな
菫いち早くしほれる草を摘む
芽柳にあはれ人老ひおもちゃ賣る
早春社中央句会 光西寺
塀の外松の根走り下燃ゆる
夜にそみて梢風あり春寒し
寺町の果つるに燈あり春の水
早春社尼崎例會 櫻井神社
春寒の末社のともし枯大木
春の星鳥居重ねて稲荷ある
早春社上町倶楽部例會
掌にはねて二月の小魚かな
春浅し小窓高きに鳥うつる
打出句會
夜の雪を窓にかるたのほてり哉
春近く野の水溜まり波立てて
つやつやと雨の落ち葉の寒さかな
寒ぬくし杉の枯色花椿
つまゝれて尾を反る諸子哉
花
花ざかりしずか照る日に山の水
花の中ふかきに仰ぐ空の色
鳥は地に水にかけりて花旦
わたる風花の梢のおちこちに
水の邊に巌たち櫻月夜かな
かたらひつ落花を指につまみつつ
花の彼方に懈くもつゞく山の波
滝野行
青を踏みて浅ければ瀬を渉るかな
菫いち早くしほれる草を摘む
芽柳にあはれ人老ひおもちゃ賣る
早春社中央句会 光西寺
塀の外松の根走り下燃ゆる
夜にそみて梢風あり春寒し
寺町の果つるに燈あり春の水
早春社尼崎例會 櫻井神社
春寒の末社のともし枯大木
春の星鳥居重ねて稲荷ある
早春社上町倶楽部例會
掌にはねて二月の小魚かな
春浅し小窓高きに鳥うつる
打出句會
夜の雪を窓にかるたのほてり哉
春近く野の水溜まり波立てて
つやつやと雨の落ち葉の寒さかな
寒ぬくし杉の枯色花椿
つまゝれて尾を反る諸子哉
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