少女像について、続き

前回、「狂気」などという、放送上不適切な本当のことを書いてしまって申し訳ありませんでした。

さて、今も二国間でくすぶっているこの問題、肝心な根本的なことを書き忘れておりましたので、本日はちょっと述べます。

【先入観なく世界中の人々は、どういう印象を受けるか】
例の少女像
見てどのような印象を受けますか？

芸術的には、うーーん…可もなく不可もなく…
特にメッセージ性は感じないのではないかと思う像です。

で、知らない人がこの像が立つに至った経緯を聞いたとしましょう。
まあ、話し方にもよりますが、多くの人には戦慄が走るでしょう。「こんな無垢な少女が、無理やり日本兵の、性のはけ口になっていたなんて」


そこまでにもいろいろ疑問があるようにも思うのですが、問題はそのあとですね

これによって、見る人たちが、「平和の少女像」として尊重する気になるかどうかということです。


【アンネ・フランクの像とは違う】
【広島、長崎の平和の像とも違う】
「平和の像」というからには、過去の戦争による悲惨な事実を忘れず、私たちがもっと学び、平和な世の中を作っていかなくてはいけない、という思いにつながるものであるべきだと思います。
勉強不足かもしれませんが、アンネ・フランクの像というのは、意外にも彼女の記念館にあるぐらいだということで、人気のスポットだそうです。
彼女の場合は、日記がメインであり、平和とは、人間とは何か、を鋭く問いかけてくるものであり、またその、
ナチスの狂気ともいうべき偏った思想に翻弄されて亡くなっていった理不尽さのノンフィクションが重なり、平和を願わずにはいられないものを思います。

広島、長崎の平和の像について
原爆を落としたのはアメリカです。アメリカでは「終結のためのやむを得ない選択」論がまかり通っていますが、本来すでに、戦争法を大きく逸脱した行為であることは明白です。
しかし、ここにある平和の像は、戦争の愚かさを表し、私たちの進むべき希望の世界を示してくれるものばかりです。

人種差別や、戦争がいかに愚かで、私たちはどういう方向に進むべきなのか　そういうことがメッセージとして伝わってくるのです。


それでは、慰安婦像からは何が伝わってきますか？




私は、自分が日本人だからということで、一生懸命自分の「日本人フィルター」を外して考え、感じようとしました。
韓国の屈辱の歴史、理不尽な扱いを思い、彼らが願う平和とはどんなものか、想像しながら考えてみました。



しかし、どう考えても、あの慰安婦像から、韓国民が願う平和のビジョン、メッセージが伝わってこないのです。

どうしても伝わってしまうのは、ひいき目に見ても、「屈辱的な統治の中で、悲惨な目にあった。私たちは真に独立しなければいけない」
普通に見れば、「こんないたいけで年端もいかない私を、日本人は性のおもちゃにしてかなぐり捨てたのよ。頭おかしいんじゃないの？日本への恨み、決して忘れない」
「日本人がどんどん汚名をかぶって廃れていく様が見たいの。それが私の復讐」


繰り返します。これは私が日本人であり、男性であるから感じてしまうものなのかどうか、何度も自問しました。

しかし何度問い返しても、上のような答えしか出てこないのです。あの少女像から。



皆さんはどうですか？韓国の皆さんはどうですか？ほかの国の皆さんはどうですか？
韓国の皆さんは、本当に平和を願っているのですか？

本当かどうかはわかりませんが、「戦争当時の慰安婦の現地調達はすべて日本の政府の管轄で行ったもので、さらってでも調達。遊んだあとはどうなっても構わない。抵抗されたら殺すのも問題なし」
であったことを政府が認め、首相が頭を下げるところをテレビで放送したら終わりですか？（もちろんそんなことを日本国民が黙ってみているとは思えませんが）

日本は歴史を直視して、とよく言われます。日本人で歴史に疎い人が多いことは私もよくわかります。しかし、
本当に歴史を直視しなければならないのはだれか、よく考えていただきたい。
自分たちのやっていることが、人道的にどういうことであるのか、わかっているのでしょうか？


もう少し正直に書きます。
ここで日本人が本気で怒ることこそが、人間としてのやさしさなのではないかと思うのです。