songbookの自己回顧録

「教えて!goo」で見つめてきた自分自身と、そこで伝えられなかったことを中心につづってきましたが、最近は自由なブログです

化石山のふもとから 追記 徴用工について

2019-04-15 00:44:08 | ライフ
化石山のふもとから


この記事を書いたものとして、多少の責任を感じているので、追記します。

私は日本の自虐史をねじれた形で伝えようとは、全く思いません。
でも世の中、変に右翼っぽくなっている人も多いようで、慰安婦も、徴用工も、捏造であると


私は前から述べてきているように、慰安婦については、「向こうの供述もどうなのよ」と、韓国北朝鮮の情報のいかがわしさ、自滅につながるような演出交じりの報道に
憤っているところがあります

しかし、違法な形で慰安婦にされ、年齢問わず性的にもてあそばれた人たちがいたことは間違いないと思っております。
とはいえ、これが当時の「国策」として行われたとするあちら側の主張は、的外れもいいところです。
「国策だった」と言われたとしても、私は驚きませんけどね。戦争という時代は、そういう価値観だったのですから。もちろんいいというわけではありません。

で、当時私はこのブログで言っていたのです。「慰安婦ばかり扱うな。性で訴えれば人類は盲目。それならば男性の徴用工も同等に扱うべきだろうが」

と言っていたら、本当に言い始めましたね、韓国。

いや、それでいいのです。ようやくわずかながら、論理っぽくなってきました。
化石山の事件は動かぬ証拠です。こんなようなことが、当時の日本では至るところで起こっていたであろうと想像できます。


87歳を過ぎた近所のおばさんは、戦時中名古屋の工場で女工として働いている時、
韓国から来た女の子たちが不当に痛めつけられているのを見て、「なんてむごいことを」と思いつつ、逆らえずに、下を向いて仕事をしていたそうです。
耐えられなくなった彼女たちは、互いを慰め合うかのように、ひそかに「アリラン」を歌い出して。かすかに聞こえていたけど、当時のおばさんたちは、
聞こえないふりをしてやり過ごそうとしたそうです。

ところがどういう地獄耳か、その歌声を聞きつけた工場の上官が再びその娘たちを引っ張り出して、さらに激しく痛めつけたそうです。
とても見るに堪えない惨状だったと言います。
おばさんは付け加えます。

「確かに日本は戦後、徴用工の人たちに賠償金は払ったけど、あの女の子達みたいなちっぽけな存在の人たちには、いきわたったとは思えないよ。
うらみを馬鹿にしちゃいけない。いまだに訴えたくなるようなことを、した人たちはいるんだよ。」


その通りなのだと思います。
この前朝ドラで取り上げられていた日清食品の方のように、上手に動いて「台湾人として、戦時補償金を請求」を通し、結構な金額を手に入れた人もいますが、
下々の人にまでは、日本の補償金は行きわたらなかったのだと思います。それでも安穏の生活に戻れたのだから、と数十年
そんな時に日本が、「私たちはあの時に十分補償はした。あの話はこれでおしまい。」
と言われたら、「ちょっと待ってください」と言いたくもなるでしょう。


実際に今の韓国がやっているように、現在の大手企業に対して改めて補償金を請求するというやり方が正しいのかと言われると
これは大いに疑問、というよりも間違いだと思うのですが、

歴史の証拠、生き証人を知っている「最後の世代」として、
我々の世代は、責任をもって、「不当な徴用は確かにあり、十分な補償はされなかった」「慰安婦という名の無差別性暴力は確かにあった」
ということは、はっきりと言い残していかなければなりません。

しかし何度も繰り返しますが、これを現在の価値観で審議して補償し直す云々、ということは、もうやめたほうがよいのです。
非人道 それが戦争、しかも窮状に陥った時の戦争
すべての国がやってきたこと、そして今なお行われていることであり、全世界レベルでこれ(補償の再審議と実行)をやり始めたら、再び戦争突入しかないほど
負の連鎖が続くことは明白だからです。


私たちは、罪を知るべきであり、いわれのない汚名を着せられながら生きながらえてきた方々に対し、個別に遺憾の意を誠意をもって示すべきだとは思います。
何より、そうした事実を伝えながら、私たちはいつでも「加害者側」になりうる存在であることを知るべきなのです。

しかし、卑屈からは何も生まれません。


誇るべきところは誇り、過ちがあれば根底から原因を探り、相手を尊重しつつより良い道を探っていくほかないのです。
だから真の被害者の人たち(化石山の人々は全員そうだったと思います)は、恨みで罵倒し続ける人生を歩まず、不当な補償にも目をつぶり、
明るい未来へと希望を語り継いだのではないかと思うのです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする