、林真理子さんの週刊誌エッセーの中で
すてきな言葉、キャッチコピーを知った。
「恋は、遠い日の花火ではない」
サントリーウイスキーのコマーシャルだったらしい。
「恋は、遠い日の花火ではない」
子供が小学校高学年になったくらいから、花火は音だけを聞くものに
なった。
花火は遠い遠い日、家族がそろっていた頃の平穏な夏の一夜のこと.....
まして恋なんて、そのまたずっとずっと遠い日の出来事だ。
しかし、このキャッチコピーでは、「恋 」なるものはいつでも
あなたの身近に起こりえる出来事ですよーって、
言ってる気がする。
そうかも....ねえ....あったらいいなぁ....なあーんて(笑)
人を想う、人にドキドキする、もうわたしの人生には訪れることは
ないだろうけど...。
このまえ、そんな甘酸っぱい記憶を呼び覚ますことがあった。
8月12日の夜、荷物をたくさん抱えて帰宅、バッグの中の家の鍵を
あれこれ探し回って車のドアを閉めたとき、
携帯が鳴った、
「もしもし....」と見覚えのない声が呼びかけてきた。
「はい....」
「どうしたと?」
「えっ?、あれ?」暗くて携帯が着信したとき名前が分からなかったけど
なんと、高校時代に好きだったSクンだった。
びっくりである。先方もびっくりしただろう。
バッグやポケットの中に入れていた携帯が勝手に誰かに発信されていて
何度、「ゴメンナサイ、マチガイデスウ」と言ったことか....
それがまたなんでこの人に?と思うくらい間が悪いこともあった。
今回のSクン、同級生というものは瞬時に時空を越えていく。
「オレさあ、脳卒中で倒れて一ヶ月入院しとったとよ」
「ええーー!あなたいつもとっても元気だったじゃない?」
「そうたい、その日も野球の試合を二つ掛け持ちしてて、なんか調子
が、悪いと思ったばってん、そのまま試合をして家に帰ったんよ」
「でも、心配せんでいいよ、後遺症は幸い残ってないと」
彼は高校時代、野球部のキャップテンでピッチャーだった。
私の親友と同じクラスで.......
彼は青春時代を振り返るとき、唯一眩しい思い出の人だ。
携帯のいたずらで唐突に知った彼の近況、
わたしたちもずいぶん遠くへ歩いてきたのね....
もっともっと元気になってまた好きな野球を楽しんでください、Sクン。
お互いカラダに気をつけようねえ、バイバイ、またねえ
