2016年5月31日
明日、6月1日は娘の誕生日。
もう30歳になるなんて......
わたしの目に見える娘は子どもを宿したおおきなお腹を見ても
まだまだこどもだ。
でも、わたしの目の届かないところではオトナになってるかも
知れない。
夫は子供たちの誕生日には必ずバースデーカードを贈っていた。
17年前、娘への最後のカード


1999年6月1日付けのカードの最後1行は
「明るい人生を送ってください 父」と書いている。
それから1ヶ月先の自分の命が尽きることを分かっていたのだろうか......
いや、そうとはかぎらない、
「僕の好きな詩を送ろうと思ったのですが、全部憶えていません、
詩集をもう少し待ってください」とある。
元気になって詩集を娘のために探そう、という希望が見える。

昨日、「これ、お兄ちゃんが誕生プレゼントって、くれた」
17年前、父親が探していた本を息子が妹にプレゼントしてくれたらしい。
息子の思いやりがとてもうれしかった。
子どもたちの父親、わたしの夫は
いまも元気にわたしたちのなかに生きている。
その思い出が強く心に刻まれている息子や娘は幸せだと思う。
世の中には、不慮の事故や思いがけない惨劇に襲われて命を落とす人々が
絶えない。
あるいは不運にも病いで生きたくても生きられない人々もいる。
遺されたご家族の、とりわけ子どもたちに、
父親や母親の面影、思い出がしっかり心に刻まれるまで
共に暮らせる日々が等しくありますようにと、
祈らずにはおれない。