昔はどこの家でも夏は麦茶を作っていたのではないだろうか、
いまでは簡単にコンビニ、自販機で手に入る。
我が家では、
夫が居た頃は年中作っていた。
私ではなく、夫が作っていた。
真夏だけは「お母さんがつくらなくっちゃ...)と、母の役目を
果たそうと思ってたけど、
わたしの先に先に、夫は麦茶をいつも作っていて、
出番はなかった。
そんなに麦茶が好き?
訊ねたことはなかったが、毎食後クスリを飲まなければいけなかったから
多分、そのせいかなぁ....思っている。
ある年の正月元旦、入院中の夫が一時退院で帰って来ていたとき、
起きて階下にいくと、夫はこたつに座っていた。
カーテンがぱーんとすべて開け放たれていて、
ぎょぎょ?!
麦茶、ちょうだい、と言われた、
2,3分後、また、麦茶ちょうだい、
そして3回目の麦茶を言われたとき、(おかしい)と胸騒ぎがして
病院に電話したら、すぐに病院に連れてきてください、と言われた。
肝臓が悪かったのですが、お医者さんが言うには
(解毒作用がうまくいかず、一時的に体中の
アンモニア数値が上がり、脳に悪影響を及ぼしている可能性があります)
本人は普通にしていると思っているようなのに、
なんと言って病院に戻ってもらえばいいのか、
困って、辛くて、隠れて泣いたことがあった。
いまでは息子が家と会社でせっせっと麦茶を作っている。
クスリなど飲んではいないのに、なぜか、死んだ父親と同じように
フツーに麦茶を自ら望んで作っている。