(昨日の続きです~♪)
村松海渡さんは、ちょっと恥ずかしそうな感じで登場してお辞儀をすると、
ショパンを弾き始めました。
即興曲の4曲は、ちょっと緊張しているような感じがしました。
そのせいか、ペダルの濁りが気になったのですが、
会場とピアノに慣れていないからかな~と思いながら聴きました。
とはいえ、即興曲らしい躍動感は、瑞々しく表現されていて、
さすがだな~と思ったのでした。
次に演奏された、アンダンテスピアナートとグランドポロネーズは
落ち着いた演奏でした。
前半のアンダンテスピアナート部分が、よく歌われていて綺麗でした。
次に演奏されたショパンのエチュードは、
左手の16分音符が安定した軽やかさで奏でられていて、
右手のメロディーをよく引き立てていました。
アジタート(激して)の感じが、よく表現できていてさすがでした。
リストの超絶技巧練習曲は、題名通り、非常に難しい曲ですが、
その難しさを感じさせない、非常にロマンチックな演奏でした。
華やかなイメージが強いリストですが、
リストって、こんなにもロマンチックな面があるのだな~と、
再認識した程でした。
スクリャービンのエチュードも、非常に情緒的な演奏でした。
とはいえ、情に流されることなく、抑制された音の運びは、
20歳の演奏とは思えない程でした。
最後に演奏されたリストの「海を渡るパオラの聖フランチェスコ」は
一番の圧巻でした。
非常に難しい曲なのに、余裕すら感じる素晴らしい演奏だったと思います。
大波が打ち寄せる様子や、奇蹟を起こした聖フランシスコの輝かしい描写が、
ピアノと云う楽器を通して、瑞々しく表現されていました。
よく弾きこんでいて、曲と御自身が一体化されていたように思います。
この曲を借りて、御自身を表現されていたような~そんな印象を持ちました。
題名の中に、村松さんのお名前の「海」と「渡」が入っているからでしょうか、
村松さん自信も、この曲には思い入れがある~と述べられていらっしゃいました。
村松さんの初めてのリサイタルは、以上の様に、大成功だったと思います。
これから先、村松さんは、音楽の道へ進まれるのか?
それとも、科学者への道を進まれるのか?
私には知る由もないのですが、
あえて普通の大学に進まれた利点を生かして、視野を広め、
益々成長してほしいと思います。
そして10年後には、どんな演奏をされるのかな?
これからが非常に楽しみなピアニストです。
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1時間40分