森駅に9時40分に到着した列車は、ここで22分停車します。
私はETさんに誘われ、駅前の弁当屋さんで「いかめし」を買い求めることにしました。
駅舎を出たすぐ左側の柴田商店の看板に「いかめし」の文字が見えます。
しかし、ETさんは製造元の阿部商店で「いかめし」を買いたいようです。
彼のスマホで検索すると、駅から4~500m先らしいのですが、列車の発車時刻までに戻らなければ旅は破綻します。
二人は顔を見合わせ、頷きつつ柴田商店に入りました。
店内には既に、同じ列車の乗客らしい人が「いかめし」を買い求める姿がありました。
赤い包装紙に包まれた「いかめし」は840円だったと記憶しますが、間違っていたら御免なさいです。
店のおばさんに、「昔は駅のホームで売っていましたよね」と問いかけると、「列車の窓が開く頃は、ホームで売っていたんですよ」とのお話でした。
駅に戻って、列車への跨線橋を渡っていると、その下の1番線に札幌行きの特急が入ってきました。
普通列車の長い停車時間は、この特急をやり過ごす為だったようです。
ホームに戻ると、駅に接する堤防の上でウミネコがのんびり羽を休めていました。
ETさんは、長万部行きの列車が動き出すと「いかめし」を幸せそうに食べ始めました。
私は朝食べたおにぎりがまだ胃にある気がして、「いかめし」をザックに収めました。
私の普段の生活は一日2食で、10時半頃に起きて、11時頃にブランチを食べる習慣ですから、二個入りの「いかめし」を今開ける気にはなりません。
列車が森駅を出ても、私はETさんと旅の会話を続けました。
私の旅は花や木を眺めることが主目的で、鉄道も好きですが、メインではないこと、十年以上前に定年を迎えた年金生活者で、青春18きっぷの旅は今回が二回目であることなどを、景色を眺めながらお話した記憶があります。
ところが会話中は、つい手が疎かとなって、駅名などを写しそこねました。
なので、これから先は長万部まで、2018年9月に撮影した写真を流用します。
と記してから、PCを確認すると石谷駅の写真が出てきました。
今回乗車した普通列車は石谷駅には停まりません。
不思議に思って調べると、この石谷駅は2022年3月12日に廃止となっていました。
あらまあと思い、改めて下の写真を見ると、ホームに生えるぺんぺん草が利用者の少なさを告げていました。
そして2018年の旅で、列車は本石倉駅にも停車しましたが、この駅も今は存在しません。
石谷駅と同時に廃止されたそうです。
全国の鉄道ファンの皆さ~ん、早くしないと見逃しますよ!
それにしても、列車内から写した石谷駅と本石倉駅の写真は、今ではかなりのレア品かもしれませんね。
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