皆さん、トニーザイラーの「白銀は招くよ」という映画をご存知ですか?
あるいは「白い恋人たち」という映画をご存知でしょうか?
「白い恋人たち」は1968年にフランスのグルノーブルで開催された第10回冬季オリンピック競技とグルノーブルの風景を記録した映画で、その主題歌が「白い恋人たち」です。
私は、1975年から北海道の旭川で社会人生活を始めましたが、土日は山に登り、平日の夜は市民スキー場の「白い恋人たち」のメロディーが流れるゲレンデでナイタースキーに熱中しました。
富良野やニセコなどへも数多足を運びました。
そんなことを思い出す景色を眺めていると、列車は比羅夫駅に到着しました。
比羅夫の名は、飛鳥時代に安倍比羅夫という将軍が当地に政所を置いたことに由来するそうです。
2019年の青春18きっぷの旅でも紹介しましたが、この駅舎は宿泊できます。
4年前より宿泊料が上がり、二人で泊まると6000円/人程度のようです。
(2023年10月10日現在)
比羅夫駅を出た列車から振り返ると、晴れた日には、以下のような羊蹄山の姿が見えます。
しかし残念ながら、この日、羊蹄山は姿を見せてくれませんでした。
そして列車は倶知安駅に終着し、私達は小樽行きの列車に乗り換えました。
朝からご一緒したETさんは、この駅で小樽行きの列車に乗り換えて銀山駅まで行き、銀山駅で倶知安へ戻る列車に乗って、再び長万部へ戻り、そこで函館行きの列車で同じ鉄路を帰るそうです。
もし銀山駅で倶知安行きに乗れなければ、長万部辺りの何処かで宿を探すことになります。
次の仕事に影響を与えるかもしれません。
でもしかし、銀山駅でミスったら、函館か青森から新幹線を使えば十分に対応はきます。
ETさんはスマホで、列車の時刻表を入念に確認していました。
私ならば、倶知安で長万部行きを待つ安全策を選んだと思いますが、ETさんの気持ちも良く分かります。
可能な限り遠くまで行きたくなるのが、青春18きっぷの魔力なのです。
小樽行きの列車が倶知安駅を発車しても、私は何だか落ち着きません。
私には、これから先の状況が全く読めません。
スマホや時刻表持たぬ私には、ETさんの判断を確認する術がないのです。
倶知安駅を発車すると列車は倶知安峠を越え、11分後に小沢という駅に停車しました。
そして次が銀山駅らしいのです。
列車が銀山駅に近づくと、ETさんはポケットからコンビニのレシートを取り出し、氏名とメールアドレスを書いて私に手渡しました。
私も慌ててポケットを探って、レシートらしき紙の裏に名前とメールアドレスを書いてETさんにお渡ししました。
そして私達は握手を交わし、ETさんは足早に銀山駅のホームへ去ってゆきました。
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