銀山駅を15時42分に発車した列車は、10分後の15時52分に然別駅に到着しました。
すると、反対側の倶知安方面のホームに一両の気動車が見えました。
あ、これだと思いました。ETさんが銀山駅で待つ列車です。
時刻表を確認すると、倶知安行き列車の発車時刻は、私が乗る列車が着いた1分後の15時53分でした。
この駅での乗り換えは不可能です。
なので現状では、青春18きっぷを使って、函館から一日で往復できる、函館本線で最も遠い駅は銀山駅ということになります。
ちなみに、函館から銀山までの距離は213.4km、運賃は4510円です。
そして、函館と旭川を結ぶ函館本線の距離は423.1kmですから、その半分は211.55kmです。
つまり銀山駅の2km程手前が函館本線の中間地点となります。
私は函館本線の普通列車を乗り通しましたが、ETさんはこの日、ほぼ同距離を普通列車で移動したことになります。
しかしま~ 一銭にもならず、誰かに褒められる訳でもなく、お互いにおバカですよね~!
ですが、ドイツの詩人ゲーテはこんなことを語っています。
「旅は、到着するためでなく、楽しいから」
そうですよ皆さん、人生を楽しんでますか?
命短し、恋せよ乙女。
命短し、旅せよおじさん、なのです。
さて、列車が然別駅を出た頃から周囲の景色が変わりました。
沿線にブドウ畑が広がり、空と大地を隔てる稜線が穏やかな曲線を描きます。
そして列車は仁木駅に停まりました。
仁木の名は、1879(明治12)年に徳島県から仁木竹吉らが集団入植したことに因ります。
仁木町では早くからリンゴ栽培が始まり、今はサクランボやブドウの栽培も盛んです。
そして列車は5分後に余市駅に停車しました。
余市は2年前に北限のツバキを訪ねて以来です。
この辺りでリンゴが育つ気象条件が、ツバキの生育と合致するのかもしれません。
その後、列車は蘭越、塩屋を経て小樽駅に終着しました。
小樽も数え切れぬ程の想い出があります。
私は車で北海道を訪ねる場合、東京から新潟に走り、そこから小樽行きのフェリーを愛用しました。
フェリーの運航時間や、大洗からよりもフェリー料金が安いことなどが主な理由です。
私は小樽で千歳空港行きの快速電車に乗り換え、札幌駅に17時過ぎに到着しました。
札幌から旭川へ向かう普通列車は19時36分発です。
2時間以上の待ち時間がありますが、私は電機屋でカメラのメモリーを買い足し、ゆったりと食事を摂って寛ぎの時を過ごしました。
そして私は、長い旅の一日を終え、22時34分に旭川駅に降り立ちました。
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