前回の旅で、長万部から二つ目の黒松内の「北限のブナ林」を紹介しましたが、あの時から、この地名はきっとマツに関わるに違いないと考えました。
今回の旅のテーマの一つが「松生育の北限地探し」ですから、「黒松内」の名の由来をググってみると、
「町名は、アイヌ語の「クル・マツ・ナイ(和人の女の居る沢)」で、昔、出稼ぎの漁夫を慕ってきた妻たちが、この地でシケに遭い、そのまま滞留したと伝わる」 でした、ん~ 残念。
そして、黒松内町のホームページに「町は日本海と太平洋の双方からの影響を受け、春から夏は、噴火湾で発生する濃霧が流れ込んで低音となり、冬は日本海からの北風が大量の雪をもたらす多雪地帯」と記されていました。
アカマツやクロマツの生育には適さないかもしれません。
黒松内の次に熱郛(ねつぷ)駅に停車しました。
熱郛という地名はアイヌ語の「クンネ・ネッ・ペッ(黒い標木[目印となる木]の川)が詰まった言葉に由来するそうです。
ところで、この旅の主旨は植物観察ですから、車窓に時々ヌルデらしき花を見かけますが、走り進む列車から撮影するのは無理です。
熱郛駅を過ぎた列車は、急こう配を上り始めました。
目名峠を越えて蘭越町に入り、列車は15.4kmを7分かけて目名(めな)駅に停車しました。
メナの意味ははっきりしませんが、目名川と呼ばれる小川が道南に多く存在し、それらはどれも、支流・細流・溜水の類だそうです。
目名峠で分水嶺を越えた列車は軽やかに走り続けて蘭越駅に停車しました。
蘭越という地名は「ラウン・ウシ(桂の木の多い所)」が由来ですが、カツラは豊かな清流の畔に育つ印象があります。
そして、ニセコ連峰の裾を廻る尻別川は清流日本一に認定されたことがあります。
森の中には、大きな葉を茂らせたホウノキを見かけますが、普通列車程のスピードでも、気づいた瞬間にシャッターを押すことはできません。
列車は蘭越駅を過ぎて東へ向かい、左手に尻別川を見ながら上流へ進みます。
2018年の旅では、下の写真のように、この辺りから羊蹄山が見えてきました。
そして程なく昆布駅に到着しました
周囲が山ばかりの駅に「昆布」の名を見ると、誰もが何故なの?と思います。
アイヌ語の「トコンヌプリ(ちいさなコブ山)」が由来と説明されますが、詳細は不明だそうです。
列車は蛇行する尻別川の岸辺に沿って進み、時に鉄橋を越えてニセコ駅に至りました。
この日のニセコアンヌプリは雲に覆われて姿を見せませんが、晴れていれば以下のような山容を見ることができます。
私はニセコアンヌプリの斜面が好きで、昔々の頃、頂上直下の斜面で雪まみれになって遊んだことを思い出します。
前回の「青春18きっぷ」 「青春18きっぷ」花の旅 北海道
「花の旅」の全て 「花の旅」 総合目次
筆者のホームページ 「PAPYRUS」