Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

Hemp

2020-03-03 | 生地
日射しが春めいて来ました。
唐突ですが、ヘンプってご存知ですか?

「あぁ、ちょっと片田舎みたいなところ...?」
「あー、時計の部品ね!」
「聞いたことある、何でしたっけ?」
はい、リネン等と同様に植物の繊維ですね。

数十年前まで日本でも広く利用されていたというだけでなく、現在も注連縄とか神事に関わるものの多くに欠かせないそうですが、世界的に長年取締りの対象だったため、衣料用に生産されている国はイタリア他そう多くないそうです。



前回の當麻寺(たいまでら)の話を書いてすぐ、イタリア生地でヘンプとシルク交織のジャケットが上がって来ました。
プレーンなベージュ、通気の良さそうなざっくりした綾織り、濃い糸と明るい糸で適度なツヤと表情があります。
複雑で奥行きある色柄も面白いし、こうした何でもないようなものも好みですが、何しろ植物の茎の外皮から取る繊維ですから、出来るかぎり事前に処理をしても遠慮なくシワになるでしょう。
それもキチンと作ったフォルムと相殺で、リラックス感が出ると思います。

20年くらい前、Linen50%Hemp50%という組成の伊メーカーのジャケットをどんなものか試してみました。
麻100%と何か違うのかという好奇心でしたが、今思えば当たり前で、何のことはないただの麻100です。

大昔から利用されてきた素材なのに50年以上日陰の身で、家庭用品品質表示法では指定外繊維の扱いからその後「植物繊維」表示になったそうです。
一般的にこうした扱いにくい素材は好まれないと思いますが、これは色柄・質感ともうまくマッチして、スポーティーなジャケットが出来上がりました。
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