嬉しい勘違い

　知り合って10年以上にもなる４人組の友達と会う日だった。
　互いの家庭環境は話の端ばしに出るから理解しあっている。

　今回は「息子さんのお店に行ってみたい」と言ってくれた。
　店頭で待ち合わせをしていたら花を抱えた彼女たちが現れた。

　「おめでとう！」立派な植木鉢（ランの寄せ植え）を渡される。
　「頂く筋合いなど無いのに．．．」と恐縮しながらも手は出る。

　開店祝いと思った私はそれを当然のように店に置いて帰った。
　ところがそうではなく私個人をねぎらう為の贈物だったとか？

　後日取り戻しに行こう。勘違いでも店が華やぐのは嬉しい。